ポンコツ錬金術師、魔剣のレプリカを拾って魔改造したら最強に

椎名 富比路

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第七章 青い炎のドラゴン! レベッカ究極進化

第59話 カトブレパス撃退

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 森の奥へ入り込み、わたしたちは湿地帯へ。

 霧で、あまり先が見えない。

「この先に、カトブレパスがいるはずなんだけど」

 慎重な足取りで、ゼゼリィが辺りを見渡す。

「カトブレパスって、危険なドラゴンなの?」

「戦闘力は、たいしたことないよ。ただ、【石化】が怖いね」

 カトブレパスの瞳には、石化の効果があるらしい。


「あれだよ、キャル!」
 
 デロデロとした沼地に、首の長いドラゴンが。
 大きさは、ドラゴンパピーより少し大きいくらい。
 というか、首から上の全部が、目玉ではないか。目だけで、生きている生物なのか。

「あの化け物が、ドラゴンですの?」

「そうだよ。カトブレパス。石化能力を持つ魔物だよ」


 他の生命器官は、胴体に集結している。霧の濃い場所で育ったためか、目だけが異常に発達しているそうだ。

「あの大きな瞳に見つめられると、身体が硬直しちゃうんだ」

 実際に狩りをする現場を、ゼゼリィが見せてくれる。

「鳥が、枯れ木に止まったね。見てごらん」

 カトブレパスが、鳥に向けて目から光芒を発射した。

 とっさに、鳥も羽を広げて逃げようとする。

 羽を広げた状態のまま、鳥が固まった。そのまま、沼地に落ちる。
  
 目で相手を固めて、そっと近づいて胴体にある口で鳥を食べた。

「気持ち悪いね」

「どう対処しましょうか?」

「わたしがオトリになるよ」

 レベッカちゃんに肉体を預け、わたしは立ち上がる。

「キャルさんが?」

「わたしが敵を引き付けるから、クレアさんは弓で相手の首を切って」

 レベッカちゃんの身体能力なら、カトブレパスの光線が来てもよけられるはずだ。


「わかりました。ムチャはなさらないでくださいませ、キャルさん」

「クレアさんも、危なくなったら、わたしを置いて逃げて」

 わたしの言葉に、クレアさんもうなずく。

 危険でも、やらないといけない。
 お互いに、わかっているのだ。
 だからこそ、相手を信頼している。
 打ち合わせも、なし。すべて、アドリブでやっつける。

「準備はいい、レベッカちゃん?」

『ムチャだけど、キャルらしくて楽しいね!』

 クレアさんが、召喚獣のトートから【地獄極楽右衛門ヘル・アンド・ヘブン】の三番を受け取った。

 地獄極楽右衛門は、わたしが作ったクレアさん専用の魔剣である。一〇得ナイフのように、一〇本の剣で構成されているのだ。
 各種剣には番号が振られていて、その中で三番は弓である。

「ウインドカッターも、乗せて差し上げますわ」

「任せるよ。いくよレベッカちゃん!」

 レベッカちゃんが『おうさ!』と雄たけびを上げて、カトブレパスを挑発した。

『オラオラ! アンタの相手はアタシ様だよ!』

 剣を振り回しながら、カトブレパスを誘い込む。

『くらいな。ウェーブ・スラッシュ!』

 わたしはレベッカちゃんを振って、炎の衝撃波を展開する。

 しかし、カトブレパスの瞳は、その炎さえも固めてしまった。

『なんてヤロウだ。こっちのスキルまで止めるとはねえ!』

「来るよ!」

『ホイ来た!』

 カトブレパスが、こちらにヘイトを向けてくる。
 怪光線を、乱れ打ちした。

 だが、このタイミングを逃さないクレアさんではない。

「シュート。トドメですわ」

 クレアさんが、矢を放った。
 目と胴体を繋げる首を、魔法を重ね掛けした矢で跳ね飛ばす。

「魔物はまだ生きてるよ!」

 ゼゼリィの言葉を受けて、わたしは剣に魔力を込める。
 
『今度こそ! ウェーブ・スラッシュ』

 胴体めがけて、炎の衝撃波を撃った。

 炎の一閃によって、魔物の身体が切断される。

 カトブレパスの目に、触ってみた。
 よし。目自体に、石化の能力はないみたい。
 やはり、胴体とひとつになってようやく発動するスキルのようだ。
 
「まずは、カトブレパスの瞳をゲットだね」

『ああ。なんとかね……!?』

 レベッカちゃんが、わたしの身体を使って跳躍した。

『気をつけろ、キャル! もう一体来るよ!』

 沼から、なにかの魔物が現れる。

「あれは、ドラゴンゾンビだ!」

「ウソでしょ!? だってあれは」 

 さっき倒したカトブレパスが、ドラゴンゾンビになってるなんて!
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