ポンコツ錬金術師、魔剣のレプリカを拾って魔改造したら最強に

椎名 富比路

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第七章 青い炎のドラゴン! レベッカ究極進化

第61話 冥竜の遺跡

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 わたしたちは、冥界竜アラレイムの眠る遺跡の探索を開始した。
 
「石が全部、黒いね」

「でも、中は明るいですわ」

 クレアさんが雷魔法で照明を当てようとする。
 だが思いの外、遺跡内は明るかった。

「壁画が、淡い光を放っているからだよ」
 
 祀られていたのか、壁一面に文字や絵がびっしり彫られている。アラレイムを称える壁画が大量に描かれていた。その壁画や文字は、ぼんやりと薄暗い青色に発光している。

「青いタイプの染料を、使っているみたい」

「このドラゴンですが、青いんですわね」

「冥界のドラゴン、【アラレイム】は、【ブルー・ジャイアント】・ドラゴンって言われているんだよ」
 
「ブルー・ジャイアント?」
 
「星ってね、あまりに高温になると、赤を通り越して、青く光るんだって」

 アラレイムは分類上、氷属性の「ブルードラゴン」なのではなく、「青い炎を放つ、レッドドラゴン」なのだそう。
 
「その様が、冥界の炎に見えるから、アラレイムは【冥界竜】って呼ばれていたんだって」

『ぜひとも会ってみたいもんだね。キャル!』

「楽しみだね、レベッカちゃん」

 だが、ゼゼリィは残念そうな顔をする。

「ところがね。アラレイムは、かつての力を失ったらしいんだよね」
 
 アラレイムは古代の竜、つまりエンシェント・ドラゴンだ。
 しかし、あまりに長く生きすぎた。
 そのせいで、力も劣化しているという。

「生きていることは、生きているんだよね?」

「まあね。とはいえ、たとえ会えたとしても、望みは薄いよ。オイラたちを認識するかどうか、怪しいね」

 ボケている可能性もあるの? ヤバイね。

「このドラゴンは、どうして崇められていますの? かなり重要な功績を成し遂げなければ、こんな大事に敬われたりはしませんわ」
 
「ああ。世界を救ったんだよね」

 かつてこの地に、異世界から【魔王】を名乗る魔族が現れた。
 その魔王とドラゴンが戦って、ドラゴンが勝ったという。

 そのドラゴンの子孫が、今のアラレイムだとか。
 仲間が死に絶えて、今はアラレイムしかいないという。
  
「勇者が倒した魔王とは違って、ずいぶんと古いタイプの魔物なんですわね?」

「でも待って。この文字は……フルーレンツさん!」

 わたしは、フルーレンツさんを呼び出した。
 お供のスパルトイまで、一緒に召喚されてきたけど。


「ひいいい!」

「大丈夫。ゼゼリィ。この人は危なくないから。それよりフルーレンツさん」

 わたしはフルーレンツさんに、壁画の文字を読んでもらう。

「ふむ。たしかにこの文字は、古代コーラッセンで使われたものとよく似ている」
 
「よ、読めるの?」と、ゼゼリィがフルーレンツさんに問いかけた。

「読めるわけではない。ただ、似ているからニュアンスは伝わってくる。『その魔王の名は……スルト』か」

 スルト!

『キャル。スルトっていえば、レーヴァテインの持ち主の名前じゃないか!』

 大昔に、この地をスルトが襲ったってこと?

 となると、レーヴァテインも本物があるってことじゃん。

 そんな時代から、レベッカちゃんって存在していたってわけ?

 すごい。気が遠くなるような時代を、彼女は生きていたんだ。
 こんな知っている人が誰もいない、別の世界まで来て。

『スルトの魂を持つものよ……我が眠りを覚ますのは、そなたか?』

 声が聞こえる。
 正確には、文字が言葉になって、脳に刻み込まれたかのような。

 ゼゼリィが気持ち悪がって、うずくまってしまった。

「大丈夫だから、ゼゼリィ」

 わたしは、ゼゼリィに肩を貸す。
 隣でクレアさんも、同じようにゼゼリィを支えてくれた。

「ありがとう。ふたりとも。ごめんね。怖がりで」

「心配ないって。わたしだって怖いよ」

 クレアさんも、珍しく怯えている。
 こんな真剣に前を見つめるクレアさんを、わたしは見たことがない。

「この奥から、声が聞こえてきましたわ」

 洞窟の奥にある岩戸に、到着した。
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