115 / 157
if サイラスルート
レオンのことは気になりますが…
しおりを挟む
レオンはすっかり屋敷に寄り付かなくなってしまった。
…当たり前なのだけれど。
「リィ」
俯いて物思いにふけっていると、サイラスに呼ばれた。
「サイ…」
「…兄上のこと?」
なんでサイラスはこんなに勘がいいのだろう。
困って曖昧に微笑む。
「後悔してる?」
緩く首を横に振る。
後悔している訳ではない。
サイラスを選んだこと。
今、サイラスのことがとても好きで大事。そのことを後悔なんてしていない。
ただ、あんな風にレオンを傷つけてしまったことは…
上手く説明できなくて、サイラスの手を握った。
「…兄上と話したい?」
これにも首を横に振った。
レオンに何を言ったらいいのかわからない。それに多分、私が何を言っても余計に彼を傷つけてしまう気がする…。
「…そうだね。それがいいと思う」
「うん…」
サイラスの空いていた方の手が、そっと私の髪を撫でる。
「ねぇ、母上…」
サイラスの珍しく揺らいだ声。
不思議に思って、少し身体を離して顔を見つめた。
「兄上と…よりを戻したい?」
驚いて、それから勢いよく首を横に振った。どうしてそんなことを急に…
全身から一気に血の気が引く。
もしかして…
私に…飽きた…?
嫌になった…?
愛想が尽きた…?
目を見開いてサイラスを凝視すると、苦笑が返ってきた。
「ごめん、リィ。ちょっと自信がなくなっただけ」
サイラスを見つめる。
嘘を見逃さないように。
サイラスは優しいから、私との関係を解消したいと思っても、傷つけないようにと嘘を吐く気がする。それで私が離れたいと思うまで我慢する気が……
私なんかじゃ、サイラスが本気で嘘をついたらきっと騙されてしまうのだろう。それでも、あからさまな嘘くらいなら…
そんな嘘を信じて、サイラスの負担になるのは嫌…知らずに迷惑をかけて、その所為で嫌われるのは絶対に嫌……
じっと見つめ続けると、サイラスは困ったように笑った。
「ごめん、本当にそれだけ。だってリィは、兄上のことがとても好きだったから」
予想外のことを言われて動揺して、握った手に思わず力が込もった。
確かにそうだけれど、でも今は…
「言って、リィ。今リィが好きなのは誰?」
「サイ…サイが好き…」
それは信じて欲しい。
サイラスが少し肩の力を抜いて微笑んだ。
「本当に?一生僕だけでも構わない?」
コクンと頷く。
一生サイラスだけがいい。
それ以外いらない。
でも…
「………サイ…ラス……は…?」
声が震える。
サイラスと繋いだ手も。
サイラスがもし、普通に恋をして結婚して家庭を築きたいと望むなら…私は…それを与えてあげられない私…は……
想像だけで呼吸が苦しくなる。
けれど
「…バカだね、リィは」
唐突な、呆れたような悪口にポカンとしてしまった。
「僕が今まで好きになったのはリィだけだよ」
でも続けられた言葉が甘すぎて。
「リィ以外いらないよ」
もう一度抱き寄せられて、力が抜けた。
抱きしめられて安堵して。
そして自覚する。
やっぱり好き。
私はサイラスが好き。
どれだけレオンを傷つけても、もうこの腕から離れられない…
…当たり前なのだけれど。
「リィ」
俯いて物思いにふけっていると、サイラスに呼ばれた。
「サイ…」
「…兄上のこと?」
なんでサイラスはこんなに勘がいいのだろう。
困って曖昧に微笑む。
「後悔してる?」
緩く首を横に振る。
後悔している訳ではない。
サイラスを選んだこと。
今、サイラスのことがとても好きで大事。そのことを後悔なんてしていない。
ただ、あんな風にレオンを傷つけてしまったことは…
上手く説明できなくて、サイラスの手を握った。
「…兄上と話したい?」
これにも首を横に振った。
レオンに何を言ったらいいのかわからない。それに多分、私が何を言っても余計に彼を傷つけてしまう気がする…。
「…そうだね。それがいいと思う」
「うん…」
サイラスの空いていた方の手が、そっと私の髪を撫でる。
「ねぇ、母上…」
サイラスの珍しく揺らいだ声。
不思議に思って、少し身体を離して顔を見つめた。
「兄上と…よりを戻したい?」
驚いて、それから勢いよく首を横に振った。どうしてそんなことを急に…
全身から一気に血の気が引く。
もしかして…
私に…飽きた…?
嫌になった…?
愛想が尽きた…?
目を見開いてサイラスを凝視すると、苦笑が返ってきた。
「ごめん、リィ。ちょっと自信がなくなっただけ」
サイラスを見つめる。
嘘を見逃さないように。
サイラスは優しいから、私との関係を解消したいと思っても、傷つけないようにと嘘を吐く気がする。それで私が離れたいと思うまで我慢する気が……
私なんかじゃ、サイラスが本気で嘘をついたらきっと騙されてしまうのだろう。それでも、あからさまな嘘くらいなら…
そんな嘘を信じて、サイラスの負担になるのは嫌…知らずに迷惑をかけて、その所為で嫌われるのは絶対に嫌……
じっと見つめ続けると、サイラスは困ったように笑った。
「ごめん、本当にそれだけ。だってリィは、兄上のことがとても好きだったから」
予想外のことを言われて動揺して、握った手に思わず力が込もった。
確かにそうだけれど、でも今は…
「言って、リィ。今リィが好きなのは誰?」
「サイ…サイが好き…」
それは信じて欲しい。
サイラスが少し肩の力を抜いて微笑んだ。
「本当に?一生僕だけでも構わない?」
コクンと頷く。
一生サイラスだけがいい。
それ以外いらない。
でも…
「………サイ…ラス……は…?」
声が震える。
サイラスと繋いだ手も。
サイラスがもし、普通に恋をして結婚して家庭を築きたいと望むなら…私は…それを与えてあげられない私…は……
想像だけで呼吸が苦しくなる。
けれど
「…バカだね、リィは」
唐突な、呆れたような悪口にポカンとしてしまった。
「僕が今まで好きになったのはリィだけだよ」
でも続けられた言葉が甘すぎて。
「リィ以外いらないよ」
もう一度抱き寄せられて、力が抜けた。
抱きしめられて安堵して。
そして自覚する。
やっぱり好き。
私はサイラスが好き。
どれだけレオンを傷つけても、もうこの腕から離れられない…
1
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる