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選択
「ねぇ、ミリア。選んで?」
姫様が、とても楽しそうに微笑んだ。
「避妊薬なしでリチャードに抱かれるか、薬をもらってリチャード以外の男に抱かれるか」
「っ…!?」
そんな…
「別に薬を使わなくたって、必ず妊娠するわけではないでしょう?そういう緊張感って楽しいと思うのよ」
クスクスと、鈴を転がすような声で笑う姫様。
「ねぇ、やっぱり妊娠するかもしれないくらいなら他の男にされる方がマシ?それとも」
姫様の、爪の先まで綺麗に整えられた指が、私の顎を持ち上げた。
「妊娠しても構わないから、リチャードに抱かれたい?」
姫様の煌めく瞳に見据えられて、身体が震える。
そんな…選択…
リチャード様を見る。
リチャード様は、ぎゅっときつく目を瞑っていた。
…この間のあれは、きっと気の迷いだったのだろう。
血に酔っただけの…
だって、私が妊娠などしたら、リチャード様は迷惑な筈だ。
…奥様だって、いるのだから…
「リチャーー」
「君が選べ」
それでも名前を呼びかけた私を、リチャード様は鋭く遮った。
目を瞑ったまま。
「君が、選べ」
硬い声で、再び繰り返した。
…よいのだろうか。
…リチャード様だってもう、十分わかっているのではないだろうか。私がリチャード様以外の人に触れられたくないことなど。
リチャード様をじっと見つめるけれど、その目は閉じられたまま。
「どうするの?ミリア。それとも私に選んで欲しい?」
姫様の、すぐにでも決めてしまいそうな声に焦って
「リチャード様にっ…」
被せ気味に答えた。
リチャード様が、目を見開いてこちらを見た。
…どうして、そこで驚くんですか…
思わず、ほんの少し苦笑してしまった。こんなの、当たり前のことなのに。
「リチャード様がいいです」
リチャード様が、選んでいいと言うのなら。リチャード様以外などありえない。
「そう。なら始めなさい」
薄っすらと姫様が微笑んだ。
「言っておくけれど、今日は本当に薬をあげないわよ?それを踏まえて楽しみなさいな」
そう言ってから「あ」と姫様が声を漏らした。
「そうだわ」
何かを思いついた、とても楽しそうな姫様の声。
「これ以降、今日は一言もしゃべってはダメよ?」
姫様の言葉は絶対だ。
どういう意図かわからないけれど、黙って頷いた。
リチャード様の手が、躊躇いながらも私の肌に触れる。
一言も交わされることなく触れられる指先に、身体を委ねた。
愛しています。リチャード様…
リチャード様の限界が近づいてきている…。今日は多分、リチャード様は外に出すだろう。少しでも妊娠の可能性を減らすために。
そう思った時だった。
「リチャード」
姫様がリチャード様を呼んだ。
「いつも通り、中に出しなさい?」
当たり前のことを命じる声音。
リチャード様が、弾かれたように姫様を見た。信じられない、といった顔で。
「そうでなければ楽しくないわ」
口を開こうとしたリチャード様に
「今日はしゃべるなって言ったわよね?」
牽制され、パクパクと口を動かすリチャード様。
「いつも通り、ミリアの中にたっぷり注いであげて。リチャードの子種のつまった精液を。それを受けとって、薬をもらえないとわかっているミリアがどんな顔をするのか。それが見たいのよ」
美しい笑み。
「見せてくれるでしょう?可愛いミリア」
ぐっと唇を噛んだ。
どうせ逆らえないのだ。姫様には。
腕を伸ばしてリチャード様の頭に触れる。リチャード様の意識をこちらに向けさせる。
戸惑うような、リチャード様の瞳。
いいのです
視線に想いを込めて、リチャード様を見つめた。
あなたなら、いいのです
視線に強く、想いを込めて頷く。
私は大丈夫ですから、してください
リチャード様は、辛そうに顔をしかめた。もう一度頷いてみせると、辛そうな顔のまま、再び腰を動かし始めた。
リチャード様はこんな無責任な真似などしたくないだろうに…
ごめんなさい。こんな真似をさせてしまって…
心の中で謝る。
リチャード様の動きが激しくなる。
リチャード様は、こちらを見ない。目を開けない。
ただ、強く身体の奥を抉られる。
できれば、私を見て欲しかった…
少し悲しくなりながら、吐き出された精を身体の奥に受けとめた。いっそこのまま孕ってしまえたらと、心の奥底で願いながら。
姫様が、とても楽しそうに微笑んだ。
「避妊薬なしでリチャードに抱かれるか、薬をもらってリチャード以外の男に抱かれるか」
「っ…!?」
そんな…
「別に薬を使わなくたって、必ず妊娠するわけではないでしょう?そういう緊張感って楽しいと思うのよ」
クスクスと、鈴を転がすような声で笑う姫様。
「ねぇ、やっぱり妊娠するかもしれないくらいなら他の男にされる方がマシ?それとも」
姫様の、爪の先まで綺麗に整えられた指が、私の顎を持ち上げた。
「妊娠しても構わないから、リチャードに抱かれたい?」
姫様の煌めく瞳に見据えられて、身体が震える。
そんな…選択…
リチャード様を見る。
リチャード様は、ぎゅっときつく目を瞑っていた。
…この間のあれは、きっと気の迷いだったのだろう。
血に酔っただけの…
だって、私が妊娠などしたら、リチャード様は迷惑な筈だ。
…奥様だって、いるのだから…
「リチャーー」
「君が選べ」
それでも名前を呼びかけた私を、リチャード様は鋭く遮った。
目を瞑ったまま。
「君が、選べ」
硬い声で、再び繰り返した。
…よいのだろうか。
…リチャード様だってもう、十分わかっているのではないだろうか。私がリチャード様以外の人に触れられたくないことなど。
リチャード様をじっと見つめるけれど、その目は閉じられたまま。
「どうするの?ミリア。それとも私に選んで欲しい?」
姫様の、すぐにでも決めてしまいそうな声に焦って
「リチャード様にっ…」
被せ気味に答えた。
リチャード様が、目を見開いてこちらを見た。
…どうして、そこで驚くんですか…
思わず、ほんの少し苦笑してしまった。こんなの、当たり前のことなのに。
「リチャード様がいいです」
リチャード様が、選んでいいと言うのなら。リチャード様以外などありえない。
「そう。なら始めなさい」
薄っすらと姫様が微笑んだ。
「言っておくけれど、今日は本当に薬をあげないわよ?それを踏まえて楽しみなさいな」
そう言ってから「あ」と姫様が声を漏らした。
「そうだわ」
何かを思いついた、とても楽しそうな姫様の声。
「これ以降、今日は一言もしゃべってはダメよ?」
姫様の言葉は絶対だ。
どういう意図かわからないけれど、黙って頷いた。
リチャード様の手が、躊躇いながらも私の肌に触れる。
一言も交わされることなく触れられる指先に、身体を委ねた。
愛しています。リチャード様…
リチャード様の限界が近づいてきている…。今日は多分、リチャード様は外に出すだろう。少しでも妊娠の可能性を減らすために。
そう思った時だった。
「リチャード」
姫様がリチャード様を呼んだ。
「いつも通り、中に出しなさい?」
当たり前のことを命じる声音。
リチャード様が、弾かれたように姫様を見た。信じられない、といった顔で。
「そうでなければ楽しくないわ」
口を開こうとしたリチャード様に
「今日はしゃべるなって言ったわよね?」
牽制され、パクパクと口を動かすリチャード様。
「いつも通り、ミリアの中にたっぷり注いであげて。リチャードの子種のつまった精液を。それを受けとって、薬をもらえないとわかっているミリアがどんな顔をするのか。それが見たいのよ」
美しい笑み。
「見せてくれるでしょう?可愛いミリア」
ぐっと唇を噛んだ。
どうせ逆らえないのだ。姫様には。
腕を伸ばしてリチャード様の頭に触れる。リチャード様の意識をこちらに向けさせる。
戸惑うような、リチャード様の瞳。
いいのです
視線に想いを込めて、リチャード様を見つめた。
あなたなら、いいのです
視線に強く、想いを込めて頷く。
私は大丈夫ですから、してください
リチャード様は、辛そうに顔をしかめた。もう一度頷いてみせると、辛そうな顔のまま、再び腰を動かし始めた。
リチャード様はこんな無責任な真似などしたくないだろうに…
ごめんなさい。こんな真似をさせてしまって…
心の中で謝る。
リチャード様の動きが激しくなる。
リチャード様は、こちらを見ない。目を開けない。
ただ、強く身体の奥を抉られる。
できれば、私を見て欲しかった…
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