サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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第三章 バンコク近郊・意外展開旅行記

サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 102

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    カンチャナブリへ

 アユタヤ二日目の夜は宿の食堂で簡単に食事を済ませたあと、フロント前のソファーでくつろいでいた。

 すると、松葉杖日本人青年が、今夜宿の他の日本人宿泊客数人とディスコへ行くので一緒にどうかと誘ってきた。

 でも、ディスコはどうも行く気がしなかったので断った。
 しかし彼は松葉杖でどうやって踊るというのだろう。

 フロントにいた中島みゆきさんに、カンチャナブリへのバス発着場を教えてもらった。

 しばらく彼女と旅についてや、日本の高齢化社会についてなどで激論を交わした。

 アユタヤまで来て日本の高齢化社会を議論するなんて、どうも僕の今回の旅はおかしい。しかも相手は綺麗な日本人女性だ。

 彼女は独特のけだるい表情が素敵である。

 きっとこの表情と持ち前の美貌とで、この先も世界中の男性を魅了し、幸せな人生を送ることだろう。

 いや、美貌に恵まれているからといって、幸せになるとは限りません、念のため申し添えたいと思います。

 どうでもよいことを考えながら部屋に戻り、カンチャナブリのガイドブックを何度も読んだ。

 「戦場にかける橋」という映画に描かれた町ということで、第二次世界大戦中は、当時破竹の勢いを維持していた日本軍が隣国ミャンマー(ビルマ)への鉄道を架設するため、何万人もの現地人や連合軍の捕虜を酷使したという歴史がある。

 今回の旅は最初から体調が優れず、あまり遠くへ行くことをためらったことから、アユタヤの次はカンチャナブリを選んだ。

 しかし近場といっても、ここからバスで五、六時間はかかるらしい。

 昨夜と同じようにファンの心地よい風と穏やかな外の気配に抱かれながら、アユタヤ二日目の夜は過ぎて行った。

 翌日は午前八時に起きてパッキングを済ませてから下に降りた。

 まだ一人の宿泊客も降りていない食堂で、オムレツとトーストの簡単な朝食を摂った。

 ここの食事は大変美味しい。アユタヤに旅するならこのPUゲストハウスを是非お奨めします。

 南こうせつさん似のご主人がいます。中島みゆきさん似のバックパッカーが、今もバイトをしているか否かは分かりません。
 いくらなんでも、もう旅立っていると思います。(当時の話です)

 ※このあと数年後、噂ではオーナーの南こうせつさんと奥さんのグリコさんの夫婦仲が悪くなって、オーナーは日本に帰り、グリコさんが新たなスポンサーを見つけたかどうかは分かりませんが、ゲストハウスを増築したとの情報もありました。

 今もPUゲストハウスは営業していますが、オーナーは替わっているようですね。今度久しぶりに訪れたら訊いてみようと思います。

◆現在のPUゲストハウス





 さて、用意ができたのでバックパックを背負ってチェックアウトだ。

 中島みゆきさんが電卓でトントンと料金をはじき出した。
 一泊三百バーツ(900円余りでしょうか)の宿だけに、僕としてはちょっとだけ贅沢な二日間だった。

 しかし僕の部屋はこのゲストハウスの中でも高い方で、勿論安いドミトリーもあり、シングルで二百バーツまでの部屋もあるらしい。

 皆さんに手を振って宿を出ると、変わらず好天で日差しが強烈である。

 ちょっとお金が心もとないので、バス発着場の近くのATMから五千バーツをおろした。

 タイは便利である。都市のあちこちにこのATMが設置されており、シティバンクからの引き出しやヴィザカードでのキャッシングか可能だ。

 カンチャナブリまでのバスはエアコンなどという代物はなく、窓を開けっ放しのガタピシバスであった。

 一番後ろの広い席にバックパックを置いてゆっくり座ったが、出発前になると満員になってきた。

 やむなくザックを床に下ろし、ぎゅうぎゅう詰めとなり、暑い中隣の人の体温まで伝わってきて、ますます汗が噴出すバス移動となった。これはダイエットにもってこいだ。

 バスはアユタヤの町を出るとまもなく田園風景となった。

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