上 下
11 / 35

第十話 植木鉢との対話!?

しおりを挟む
次の日、マリアは朝日が昇るのと共に目を覚ます。

いつもより目覚めも良く、ダルさもない、

「さ、さすがにこのエネルギーは凄いわね。」

窓辺の植物に手をかざし、マナの光粒を集めたり、周りに飛ばしたりと、操作する……と、植物が頭に直接語りかけてきた!

『やあ、君は……どうやらドルイダスのようだね』

「は?な、なに?」

マリアは、驚き、後退りする。

『しっ!静かにしないと誰かに気付かれるよ。』

マリアは声をひそめ、

「は、はい……貴方は?」

『僕はイデアルの巨木……の小枝。人の手によってこんな姿になっているが、僕は結構凄いんだよ。』

「そ、そうなのね。でも……そう言うのは人から言われるものだと思うわよ、………凄いとかって、」

『な!ん~、それもそうかもしれないね。謙虚さも大事だ。』

「ええ、そう思うわ……でも植物と会話なんて、可笑しな感じ。」

『そうかい?まぁ、昔はドルイダスとはよく会話をしたものだけれど……ここ、三百年はこの国のドルイダス迫害があったからね……本当に久しぶりだ!』

小枝はマナの光の粒を自在に操りながら、感動を表現しているようだった。

「え、ええそうなのね。」

『ふ、そんなに引かなくても良いだろ?しかし、ドルイダスがまだこの国で生きていたなんてな……良かった。』

「そう、そんなに大変な迫害だったのね…三百年も前から国に敵視されて、でもドルイダスは何でそんなに憎まれてしまったの?」

『さぁな、その辺はよく分からないんだ。三百年前に一人のドルイダスが、王宮に仕えることになったのは聞いていたが、そこで何かあったのだろう……。しかし、ドルイダスの娘は人に害なすような娘ではなかったはずだが……。』

「そうなのね……。って、小枝さんはそんなに昔からこの姿なの?」

『ん?違うぞ。私の記憶はイデアルの巨木に集約されるんだ。でも、小枝には情報を飛ばせないから、小枝には反映されない……だから、私が切り取られた五年程前からの記憶しか私にはないんだ。』

「そう……。」

色々と話をしていたいが、日も少しづつ昇りはじめていたので、マリアは支度を済ませ、アドレーの部屋へと向かった。

「おはようございます。マリアです。」

「ん、ああ、入れ。」

マリアは扉を開け、カーテンを開ける。手元に小枝さんを2つ確認すると、小さな声で

「おはよう。巨木の小枝さん。」

と、話しかける。

『ぬ?私に話しかけるとは、お主、ドルイダスか?』

また、頭に直接話しかけられたので、マリアは小枝それぞれにウィンクをして返事をかえした。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

妖恋唄

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:6

ドラゴン☆マドリガーレ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,292pt お気に入り:672

離縁するので構いません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:51,574pt お気に入り:603

喪女の夢のような契約婚。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:363pt お気に入り:17

【完結】攻略対象は、モブ婚約者を愛している

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49,103pt お気に入り:460

キスから始まる恋心

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,483pt お気に入り:7

悪役令嬢?当て馬?モブ?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:170pt お気に入り:687

処理中です...