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第十六話 王都でデート?

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ランシッグの王宮をでると、アドレーは、城下町に向かった。

「うわぁ、結構にぎわっているんですね。」

「ああ、ランシッグはエネローワと並ぶ大国だからな、その王都となると、それなりに発展はするだろう。でも、ここまでにぎわっているのはアーサーの力が大きいかな。」

「優秀なんですね。ランシッグ王は。」

「そうだぞ!だからあんまり馴れ馴れしくしてはいけない、敬わなければな!」

「それはアドレー様が気をつけることでしょ?」

「ハハハハハ、ちがいない!」

マリアは周りを見渡し、

「もう、それで、ここでは何をするんですか?」

「ああ、それな、久しぶりにあの村に行くからな、エーファの婆さんに手土産を買って行かないといけないだろ?」

「手土産ですか……。エーファさんは、どんな物が好きなんですか?」

「そうだなぁ、あそこは国の外れだから、鉄鋼製品とかかな。あの村には、鍛冶屋もなかったしな。包丁とか、クワみたいな農機具も良いんじゃないか?」

「いや、それを手土産とは言いません!もう、なに考えてるんですか?」

マリアがツッコミをいれる。

「でも、前回は喜ばれたぞ?」

「まあ、確かに、生活を助けるものですから、嬉しいとは思いますけどね、う~ん、お菓子とか、甘いものなんてどうですか?」

「いや、ここから2日はかかるからな、ケーキとかは無理だろう。」

「クッキーは?日持ちもしますし、良いですよ?」

「お、その手があったか、」

「あと、生活を助けるものでいったら、布製品も、良いのではないでしょうか?」 

「そうだな、今回は馬車で行くから荷物はある程度は運べるし、沢山買って行こう!」

「そうですね。あ~、なんか、人の喜ぶ顔を想像して買い物をするのは楽しいですね。」 

「そうだな、こうしてマリアと町で買い物をすることもそう無かったしな。デートみたいで楽しいな!」

「あ、…そうですね。」

「今回はイデアルの巨木近くにある、ドルイダスの遺跡にも行きたいから、マリア、エーファ婆さんとは仲良くしろよ。」

「え?ドルイダスの遺跡に行くんですか?」

「ああ、そうだ、色々と土産だけでなく、マリアの服も買わないとな。さすがに森をスカートで歩くのはないだろ?」

「え?私も同行するんですか?」

「ん?言ってなかったか?」

「ええ。聞いていませんでした。」

「じゃあ、今言ったからそういう事でよろしく!」

「はは、分かりました。」

途中こんな会話をしながら、2人は手土産?を選ぶ事を口実に、城下町での買い物デートを楽しんだ。
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