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番外編
秘め事は隠された小部屋の中で ④
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首筋にキスを落としつつ、恭吾がふたたび律動を始めた。
彼は莉緒の腿を持ち上げているのと反対の手をスカートの中に潜り込ませ、敏感な花芽を愛撫してくる。途端に耐えがたいほどの波が押し寄せ、莉緒の胎内で一気に膨れ上がった。
「あっあっ、きょ、恭吾さん、そこは……あ、はっ……」
莉緒は震える手で、彼の腕をきつく握りしめる。その瞬間、隘路に溜まったわだかまりが弾け、全身が歓喜の渦にのみ込まれた。
立ったままの姿勢のせいか、頭がくらくらする。でも、それが却って心地よかった。長年閉ざされていた秘密の小部屋の空気に、ふたり酔いしれたみたいで――。
額にキスの感触があって目を開けると、穏やかな笑みを湛えた恭吾の顔があった。
「莉緒さん、とてもきれいですよ。まるで女神のようだ」
彼の言葉に、莉緒は居たたまれなくなって下を向く。涼しい顔をした彼のものは、まだ莉緒の中にしっかりと納まったままだ。
恭吾はつい今しがたまで小さく脈打っていたものを、莉緒の中から慎重に引き抜いた。ふたりで服の乱れを整えていると、急に廊下が慌ただしくなる。
「奥様、今お助けしますぞ!!」
扉の外に響いたのは執事の青戸の声だ。彼らは閉じ込められているのが莉緒一人だと思っているらしい。
複数の男性の掛け声が聞こえたが、ドアはびくともしない。やがて誰かが工具を持ってきたのか、扉自体を外す作業が始まった。
「ちょ……恭吾さん」
莉緒が小声で彼を窘める。ひとしきり愛しあったあとだというのに、後ろからバストの頂を弄んでくるからだ。
「もう、だめですってば。……きゃっ!」
耳たぶを甘く噛まれて跳び上がる。そこへ――。
「奥様!」
やっと外れた扉の陰から使用人たちが姿を現したので、莉緒は急いで恭吾との距離を取った。ふたりを取り囲んだ人たちの中から、今にも泣き出しそうな顔をした青戸が進み出てくる。
「ああ、ようございました……! 坊ちゃまもご一緒でしたか」
「ありがとう、青戸。それからみんなも。部屋の中に入ったはいいものの、突風が吹いてドアが閉まってしまったんだ」
そう言って肩を竦める恭吾を前にして、心配性の執事が心から安堵した様子を見せる。
莉緒は少し申し訳ない気持ちになった。閉じ込められたのは確かだが、恭吾と一緒だったお陰で気を揉んでいたわけでもなく、それどころか彼に思い切り愛されていたわけで……。
人だかりの中からメイドのひとりが近づいてきて、莉緒に声を掛けた。先ほどドアの向こうで悲鳴を上げていたメイドだ。
「奥様、大丈夫でしたか? 中から叫び声が聞こえたので、もうびっくりしてしまって」
「えっ!? あ、あれは、その……く、蜘蛛の巣が顔に掛かって……」
莉緒はしどろもどろになりながら、苦しい言い訳をする。すっかり火照った顔を恭吾の方へと向ければ、くすくすと含み笑いをする彼の姿が目に入った。
そろそろ夕食の準備が始まるらしく、使用人たちが移動を始める。食事の前に図書室で本を読もうという話になった莉緒と恭吾が、そのあとを着いて行く。
「ところで、あの部屋には何があったのですか?」
恭吾の隣を歩く青戸が、彼に尋ねた。
「どうやら父のコレクション置き場だったらしい。私室に飾るには少し価値の足りないものばかりがごちゃごちゃに置かれていたよ。でも――」
「でも?」
青戸が興味津々といった感じに眉を上げる。恭吾が莉緒の方をちらりと振り返り、意味ありげな笑みを投げかけてきた。
「あの部屋に、素晴らしい女神の像があったんだ。あまりにも美しいので、時々眺めに行くことにした」
「なるほど。では、坊ちゃまと奥様以外の者は立ち入り禁止にすることにいたしましょう。よろしゅうございますか?」
「ああ、よろしく頼むよ」
恭吾は青戸に向かって頷いた。思わず莉緒が見上げると、彼は完璧なまでのウインクを決めて、そっと手を握ってくる。
これはまさか、またあの部屋で逢引をしようという誘いなのだろうか。
焼け石のように熱くなった頬に、ひとりたじろぐ莉緒であった。
彼は莉緒の腿を持ち上げているのと反対の手をスカートの中に潜り込ませ、敏感な花芽を愛撫してくる。途端に耐えがたいほどの波が押し寄せ、莉緒の胎内で一気に膨れ上がった。
「あっあっ、きょ、恭吾さん、そこは……あ、はっ……」
莉緒は震える手で、彼の腕をきつく握りしめる。その瞬間、隘路に溜まったわだかまりが弾け、全身が歓喜の渦にのみ込まれた。
立ったままの姿勢のせいか、頭がくらくらする。でも、それが却って心地よかった。長年閉ざされていた秘密の小部屋の空気に、ふたり酔いしれたみたいで――。
額にキスの感触があって目を開けると、穏やかな笑みを湛えた恭吾の顔があった。
「莉緒さん、とてもきれいですよ。まるで女神のようだ」
彼の言葉に、莉緒は居たたまれなくなって下を向く。涼しい顔をした彼のものは、まだ莉緒の中にしっかりと納まったままだ。
恭吾はつい今しがたまで小さく脈打っていたものを、莉緒の中から慎重に引き抜いた。ふたりで服の乱れを整えていると、急に廊下が慌ただしくなる。
「奥様、今お助けしますぞ!!」
扉の外に響いたのは執事の青戸の声だ。彼らは閉じ込められているのが莉緒一人だと思っているらしい。
複数の男性の掛け声が聞こえたが、ドアはびくともしない。やがて誰かが工具を持ってきたのか、扉自体を外す作業が始まった。
「ちょ……恭吾さん」
莉緒が小声で彼を窘める。ひとしきり愛しあったあとだというのに、後ろからバストの頂を弄んでくるからだ。
「もう、だめですってば。……きゃっ!」
耳たぶを甘く噛まれて跳び上がる。そこへ――。
「奥様!」
やっと外れた扉の陰から使用人たちが姿を現したので、莉緒は急いで恭吾との距離を取った。ふたりを取り囲んだ人たちの中から、今にも泣き出しそうな顔をした青戸が進み出てくる。
「ああ、ようございました……! 坊ちゃまもご一緒でしたか」
「ありがとう、青戸。それからみんなも。部屋の中に入ったはいいものの、突風が吹いてドアが閉まってしまったんだ」
そう言って肩を竦める恭吾を前にして、心配性の執事が心から安堵した様子を見せる。
莉緒は少し申し訳ない気持ちになった。閉じ込められたのは確かだが、恭吾と一緒だったお陰で気を揉んでいたわけでもなく、それどころか彼に思い切り愛されていたわけで……。
人だかりの中からメイドのひとりが近づいてきて、莉緒に声を掛けた。先ほどドアの向こうで悲鳴を上げていたメイドだ。
「奥様、大丈夫でしたか? 中から叫び声が聞こえたので、もうびっくりしてしまって」
「えっ!? あ、あれは、その……く、蜘蛛の巣が顔に掛かって……」
莉緒はしどろもどろになりながら、苦しい言い訳をする。すっかり火照った顔を恭吾の方へと向ければ、くすくすと含み笑いをする彼の姿が目に入った。
そろそろ夕食の準備が始まるらしく、使用人たちが移動を始める。食事の前に図書室で本を読もうという話になった莉緒と恭吾が、そのあとを着いて行く。
「ところで、あの部屋には何があったのですか?」
恭吾の隣を歩く青戸が、彼に尋ねた。
「どうやら父のコレクション置き場だったらしい。私室に飾るには少し価値の足りないものばかりがごちゃごちゃに置かれていたよ。でも――」
「でも?」
青戸が興味津々といった感じに眉を上げる。恭吾が莉緒の方をちらりと振り返り、意味ありげな笑みを投げかけてきた。
「あの部屋に、素晴らしい女神の像があったんだ。あまりにも美しいので、時々眺めに行くことにした」
「なるほど。では、坊ちゃまと奥様以外の者は立ち入り禁止にすることにいたしましょう。よろしゅうございますか?」
「ああ、よろしく頼むよ」
恭吾は青戸に向かって頷いた。思わず莉緒が見上げると、彼は完璧なまでのウインクを決めて、そっと手を握ってくる。
これはまさか、またあの部屋で逢引をしようという誘いなのだろうか。
焼け石のように熱くなった頬に、ひとりたじろぐ莉緒であった。
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ラブラブえちえちな番外編ありがとうございました🙏✨💕
いつもは大人な恭吾さんの少年っぽいところがたまりませんでした(๑´ㅂ`๑)
なかむ楽さま
お読みくださりありがとうございました (*´∀`)
密室で、誰かに見つかりそうな状況で……というのが大好き作者です♥