異世界でスローライフを目標にしましたが、モテ期到来で先の話になりそうです。

koh

文字の大きさ
22 / 93
第二章 鍛冶と鉱山の国トトリ

第十話

しおりを挟む
「侑様、早くー!」
ミチルがダイニングで騒いでる。

侑はカニ料理をダイニングに配膳すると、ミチルは待ちきれなかったのかガツガツ食べ始めた。

侑は微笑ましくミチルを見ながら、侑もカニ料理を食べ始めた。

カニは甘く、肉繊維からホロホロとほどけ口の中いっぱいに旨味が広がった。
全てのカニ料理が美味しかったが、一番気に入ったのは焼きガニだ。
これはミチルも同じ意見みたいで、焼きガニはあっという間に無くなった。

「美味しかった!お腹いっぱい!」
ミチルは満足そうだ。

侑は残ったカニ飯をオニギリに、天ぷらを天むすにした。
カニの味噌汁は明日の朝、雑炊にして出してあげようかな…
侑は片付けをしながら、残りで作った物をインベントリにしまった。
このインベントリは便利なんだけど、中に何がどれ位入ってるか分かるようになるともっと便利だな。
あとで、カスタマイズで改良してみるかな…

とりあえず、風呂に入るか。

侑は湯船に浸かりながら、カニとの戦闘を思い出していた。
俺のナタは刃渡り30センチ弱、地面を這うように動くカニは攻撃し難かった。
多分、カニに限らずトカゲや蜘蛛の様な生態の者も同じ状況になるだろう。
魔法攻撃だと、今のままでは発動する前に逃げられる。
ティーターン様にも云われていた事だし、戦闘に対して深く考えて居なかった自分を反省する。

では、どうするか?
対象毎に武器を変えるか、マルチな武器を作るかどちらかになるだろう。
日本刀は対人戦に向けて作られている為、地を這うように動く者には向かない気がする。
というより、ハンマー以外は近接武器自体が向かない気がする。
かといって、中遠距離の武器では足元まで来られると攻撃出来ない。
対象が一種なら、武器を選べば良いが多種だったらどうする…
俺には戦闘中に武器を切り替える器用さは無い。
だとすると、俺の作るべき武器は後者のマルチな物になるな…

風呂から、上がった侑はエアーを発動して身体を乾かした。
昨日よりも、発動するまでのタイムロスが少なかったな。
…一度イメージを固める作業をすると、二回目からは早くなるのか?
明日、検証してみよう。

脱衣所の外でミチルはイライラしている。
「なんで、声をかけずにお風呂に入ってしまうのですか?」
「心配するじゃないですか、しかも長いし。」

「ごめん、考え事してた。」
侑はダイニングでお腹をさすって動かないミチルを見ていたが素直に謝った。

ミチルを連れてラボに向かう。

「何か作るの?」
ミチルは興味津々で尾羽を上下させている。

「スマホみたいな端末を作ろうかなって。」
「スマホ?何それ?」
「携帯電話の進化した物なんだけど、掌位の大きさで液晶画面が色々な情報を映し出す物だよ。」
「ふーん。」
ミチルはイメージが浮かばないのか、空返事をした。

侑はスマホのイメージを固めて、クリエイトを発動した。
魔法陣に手を入れ、取り出した魔導具は6インチのスマホのイメージ通りだった。
ミチルは何に使うか分からずに、首を傾げてる。

「何て名前にするかな…スマホの様な、ステータス等を見る道具。」
「スマステで良いか。」
ネーミングセンスと知力は比例しないらしい、侑は自傷気味にクスッと笑った。

侑はスマステを手に持ち、カスタマイズを発動した。

所有者登録、動力源は侑の魔力、侑のステータスをリンク、インベントリとのリンク及び所持一覧フォルダの作成、自動更新、各情報の呼び出しアイコンをホームに追加。
思い付くものをどんどん追加していく。

スマステに魔力を流し、電源が入った。
画面は青く光り、アイコンが浮かび上がった。
今表示されているアイコンは、体とカバンと歯車の三つだけだ。

「徐々に増えればいいか。」
ミチルに画面を見せながら、侑は体のアイコンをタップした。

画面が切り替わり、ステータスが表示された。

名前 侑
種族 人族?
レベル3
体力 200
魔力 200
知力 340

ユニークスキル クリエイトLv2
スキル
ラーニングLv1
ランゲージLv2
鑑定眼Lv1
カスタマイズLv2

水魔法Lv2
風魔法Lv2

各状態異常耐性
即死耐性

創造神の加護
地神の加護

ミチルは画面を見て驚いてるのか、侑のステータスを見て驚いてるのか羽毛が逆立っている。

「やっぱり、スキルはレベルアップしても痛みは伴わないんだな。
気付かなかったけど、魔法以外もレベルアップしてる。」

侑はスマステの出来に満足したのか、あとは明日にしようと今日は終わりにした。

「ミチル、今日はもう寝よ。」
ミチルは欠伸しながら侑の肩に乗った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

外れスキル【畑耕し】で辺境追放された俺、チート能力だったと判明し、スローライフを送っていたら、いつの間にか最強国家の食糧事情を掌握していた件

☆ほしい
ファンタジー
勇者パーティーで「役立たず」と蔑まれ、役立たずスキル【畑耕し】と共に辺境の地へ追放された農夫のアルス。 しかし、そのスキルは一度種をまけば無限に作物が収穫でき、しかも極上の品質になるという規格外のチート能力だった! 辺境でひっそりと自給自足のスローライフを始めたアルスだったが、彼の作る作物はあまりにも美味しく、栄養価も高いため、あっという間に噂が広まってしまう。 飢饉に苦しむ隣国、貴重な薬草を求める冒険者、そしてアルスを追放した勇者パーティーまでもが、彼の元を訪れるように。 「もう誰にも迷惑はかけない」と静かに暮らしたいアルスだったが、彼の作る作物は国家間のバランスをも揺るがし始め、いつしか世界情勢の中心に…!? 元・役立たず農夫の、無自覚な成り上がり譚、開幕!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...