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第二章 鍛冶と鉱山の国トトリ
第二十七話
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「中へどうぞ。」
Bは相変わらず、無表情だ。
中に入ると、ミチルは疲れ果てていた。
『侑、遅いよ。』
ミチルは小声で侑をつっついた。
「戻りました、これから杖を作ろうと思いますが何か希望は有りますか?」
侑はブラフマーがどの様な杖が欲しいのか、ヒントだけでも欲しかった。
「侑様が考えて、私の為に作ってくれた物が欲しいです。
長さも、形も全てお任せします。
それに、杖に拘らなくても良いですよ。」
ブラフマーは何もヒントを与えなかった、しかも杖でなくても良いと。
『どんだけ侑の事を気に入ってるのよ…』
ミチルはげんなりしてる。
「ちょっと考えさせて下さい。」
侑はいくつかの形を考えてきていて、ブラフマーの希望に沿ったものをその中から選ぼうと思っていた。
『どうするか…
俺のイメージだと、ロングロッドなんだよな…
戦う所がイメージし辛い、っていうか戦うのか?
戦うよりも癒やすタイプに思えるんだけど…』
侑は勝手にイメージを作る。
『方向は間違ってないけど、怒ると恐いよ?
攻撃・防御とカテゴリーで考えないで、派手にしたら?』
ミチルが侑に念話で伝える。
『ありがとう、助かるよ。』
侑も念話で返す。
『ロングロッドで、ある程度の装飾。
実用性より、アクセサリー的な感じ。
さて、石は敢えての水晶で。
木や金属では無く、クリスタルロッドかな。
若干、ミスリルを入れてアクセントを作るか。』
侑はイメージを固め始めた。
「それでは作りますね。」
侑はカバンの中から、水晶を出した。
『クリスタルのロングロッドで、六角柱のクラスターにワイヤーアートの様な装飾。
ロッド自体には火と水と風をイメージした装飾を一面おきに。
名前はレピオス。』
イメージが固まるとスキルを発動する。
『クリエイト』
水晶は指輪に吸い込まれ、魔法陣が浮き上がる。
侑は魔法陣に手を入れると、杖を引き出した。
「出来ました、名前はレピオスです。」
侑はブラフマーに手渡し、名前を伝えた。
「素敵な杖ですね、レピオスという名前も気に入りました。
侑様、ありがとうございます。」
ブラフマーは目をキラキラさせている。
「では、仕上げをしますね。
杖を両手で水平に持って、此方に向けて下さい。」
侑はブラフマーと向かい合って、杖を握った。
『カスタマイズ』
侑がスキルを発動すると杖が光り、侑の手の中で髪飾りに形を変えた。
「ちょっと後ろを向いて貰えますか?」
侑は後ろ向きになったブラフマーの銀髪を纏め、髪飾りを着けた。
その光景を見ていたミチルは
『あ~、これはマズイわ。
侑ったら、サービスし過ぎよ。』
侑を見て、溜息をついた。
「ブラフマー様、所有者認証と普段は髪飾りにしてみました。
ブラフマー様の意思で杖に変化します。
どうですか?」
侑はブラフマーが後ろを見ている為、表情が読めず気に入っているか分からなかった。
「………」
ブラフマーは何も反応しない。
「……ブラフマー様?」
侑はブラフマーの肩が小刻みに揺れているのを見て、怒っていると勘違いした。
「…侑様。
ありがとうございます、すごく嬉しいです。
ただ、許可なしに女の人の髪を触るのは反則ですよ。」
ブラフマーは嬉しさの余りに涙目になっていた。
「申し訳ありません、着けた感じが気になったもので。
不快でしたね、これからは気をつけます。」
侑は物凄く勘違いをしている。
「不快なんてとんでもない。
凄く嬉しかったですよ、ただ誰にでもやってはいけませんと言う話です。」
ブラフマーはすごい勢いで訂正した。
『見てられないわ…』
ミチルは呆れて、項垂れた。
「ブラフマー様、俺にもお願いがあるのですが。」
侑はテーブルにギルドカードを出した。
「ティーターンから、聞いてますよ。
カスタマイズで、弄れば良いのですね。」
ブラフマーはギルドカードに表示されるステータスの数値をLv相応になる様に、侑の必要な時には本当のステータスが表示される様に弄った。
「隠蔽は使わないのですね?」
侑はブラフマーがカスタマイズだけでカードを弄ったのが気になった。
「隠蔽は、概念が違うのです。
今回はカスタマイズでLvは本当の数値を表示、ステータスだけを本来のステータスに近い数値に改ざんしたものを表示する様にしました。
隠蔽だと、Lvが上がる度に毎回数値を改ざんし直さなければなりません。」
ブラフマーはシーンに合わせたスキルの使い方を覚えた方が良いと助言した。
「スキルは万能ではないのです。
足り無い部分を他のスキルで埋めるのが、普通です。
その普通を使い熟し、理解が深まるとスキル合成や上級スキルへの道が拓けるのです。」
ブラフマーは侑に得意分野でしょ?と笑った。
「色々ありがとうございました。」
侑はミチルを肩に乗せ、別れの挨拶をした。
「困った事があったら、何時でもいらっしゃい。
あなたは私の息子『…彼氏…』みたいなものですから。」
ブラフマーは心の中で、息子を彼氏と言い換えていた。
「侑、早く帰ろ。」
ミチルはブラフマーは危ないと本能で悟った。
Bは相変わらず、無表情だ。
中に入ると、ミチルは疲れ果てていた。
『侑、遅いよ。』
ミチルは小声で侑をつっついた。
「戻りました、これから杖を作ろうと思いますが何か希望は有りますか?」
侑はブラフマーがどの様な杖が欲しいのか、ヒントだけでも欲しかった。
「侑様が考えて、私の為に作ってくれた物が欲しいです。
長さも、形も全てお任せします。
それに、杖に拘らなくても良いですよ。」
ブラフマーは何もヒントを与えなかった、しかも杖でなくても良いと。
『どんだけ侑の事を気に入ってるのよ…』
ミチルはげんなりしてる。
「ちょっと考えさせて下さい。」
侑はいくつかの形を考えてきていて、ブラフマーの希望に沿ったものをその中から選ぼうと思っていた。
『どうするか…
俺のイメージだと、ロングロッドなんだよな…
戦う所がイメージし辛い、っていうか戦うのか?
戦うよりも癒やすタイプに思えるんだけど…』
侑は勝手にイメージを作る。
『方向は間違ってないけど、怒ると恐いよ?
攻撃・防御とカテゴリーで考えないで、派手にしたら?』
ミチルが侑に念話で伝える。
『ありがとう、助かるよ。』
侑も念話で返す。
『ロングロッドで、ある程度の装飾。
実用性より、アクセサリー的な感じ。
さて、石は敢えての水晶で。
木や金属では無く、クリスタルロッドかな。
若干、ミスリルを入れてアクセントを作るか。』
侑はイメージを固め始めた。
「それでは作りますね。」
侑はカバンの中から、水晶を出した。
『クリスタルのロングロッドで、六角柱のクラスターにワイヤーアートの様な装飾。
ロッド自体には火と水と風をイメージした装飾を一面おきに。
名前はレピオス。』
イメージが固まるとスキルを発動する。
『クリエイト』
水晶は指輪に吸い込まれ、魔法陣が浮き上がる。
侑は魔法陣に手を入れると、杖を引き出した。
「出来ました、名前はレピオスです。」
侑はブラフマーに手渡し、名前を伝えた。
「素敵な杖ですね、レピオスという名前も気に入りました。
侑様、ありがとうございます。」
ブラフマーは目をキラキラさせている。
「では、仕上げをしますね。
杖を両手で水平に持って、此方に向けて下さい。」
侑はブラフマーと向かい合って、杖を握った。
『カスタマイズ』
侑がスキルを発動すると杖が光り、侑の手の中で髪飾りに形を変えた。
「ちょっと後ろを向いて貰えますか?」
侑は後ろ向きになったブラフマーの銀髪を纏め、髪飾りを着けた。
その光景を見ていたミチルは
『あ~、これはマズイわ。
侑ったら、サービスし過ぎよ。』
侑を見て、溜息をついた。
「ブラフマー様、所有者認証と普段は髪飾りにしてみました。
ブラフマー様の意思で杖に変化します。
どうですか?」
侑はブラフマーが後ろを見ている為、表情が読めず気に入っているか分からなかった。
「………」
ブラフマーは何も反応しない。
「……ブラフマー様?」
侑はブラフマーの肩が小刻みに揺れているのを見て、怒っていると勘違いした。
「…侑様。
ありがとうございます、すごく嬉しいです。
ただ、許可なしに女の人の髪を触るのは反則ですよ。」
ブラフマーは嬉しさの余りに涙目になっていた。
「申し訳ありません、着けた感じが気になったもので。
不快でしたね、これからは気をつけます。」
侑は物凄く勘違いをしている。
「不快なんてとんでもない。
凄く嬉しかったですよ、ただ誰にでもやってはいけませんと言う話です。」
ブラフマーはすごい勢いで訂正した。
『見てられないわ…』
ミチルは呆れて、項垂れた。
「ブラフマー様、俺にもお願いがあるのですが。」
侑はテーブルにギルドカードを出した。
「ティーターンから、聞いてますよ。
カスタマイズで、弄れば良いのですね。」
ブラフマーはギルドカードに表示されるステータスの数値をLv相応になる様に、侑の必要な時には本当のステータスが表示される様に弄った。
「隠蔽は使わないのですね?」
侑はブラフマーがカスタマイズだけでカードを弄ったのが気になった。
「隠蔽は、概念が違うのです。
今回はカスタマイズでLvは本当の数値を表示、ステータスだけを本来のステータスに近い数値に改ざんしたものを表示する様にしました。
隠蔽だと、Lvが上がる度に毎回数値を改ざんし直さなければなりません。」
ブラフマーはシーンに合わせたスキルの使い方を覚えた方が良いと助言した。
「スキルは万能ではないのです。
足り無い部分を他のスキルで埋めるのが、普通です。
その普通を使い熟し、理解が深まるとスキル合成や上級スキルへの道が拓けるのです。」
ブラフマーは侑に得意分野でしょ?と笑った。
「色々ありがとうございました。」
侑はミチルを肩に乗せ、別れの挨拶をした。
「困った事があったら、何時でもいらっしゃい。
あなたは私の息子『…彼氏…』みたいなものですから。」
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ミチルはブラフマーは危ないと本能で悟った。
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