異世界でスローライフを目標にしましたが、モテ期到来で先の話になりそうです。

koh

文字の大きさ
40 / 93
第二章 鍛冶と鉱山の国トトリ

第二十八話

しおりを挟む
「ふ~疲れた。」
モンスター退治の方が楽だよ、ミチルはボヤいてる。

家に戻ると、夕方になっていた。
「ミチルも疲れてるし、今日はちょっと早くご飯にしてのんびりしよう。」
侑はミチルに何が食べたいか聞いた。

「う~んとねぇ、麺類。」
ミチルは侑にパスタでも蕎麦でも何でも良いと言った。

「ちょっと待って。」
侑はインベントリに麺類があるか、スマステで確認した。

「うわっ、食材増えてる!」
侑はスマステに表示されている食材一覧の数がおかしくなってるのに驚いた。

「そういえば、ブラフマー様が足しとくって言っていたね。」
ミチルはブラフマーが言っていたのを思い出した。

「それは俺も聞いたけど、受け取ってないし。カバンも渡してないよ?」
侑は覚えていたけど、ブラフマーに悪いと思い聞き流していた。

「で、麺類は入ってる?」
ミチルは深く考えないで、夕飯を考えたい。

「無いね、小麦粉が有るからうどんでも作るか。」
侑はうどんを打つ気でいる。

「今から打つの?
いいよ、他の物にしよう。」
ミチルは侑を気遣ってか、早く食べたいのか諦めた。

「バトラさんがいれば、パスタの打ち方とか教えて貰えるんだけどな。」
侑はバトラがイタリアに居た事があり、パスタが好物な事を知っていた。

「その手があったか!!」
ミチルが羽根をバタバタして騒ぎ出した。

「何?どうしたの?」
侑はミチルが空腹で壊れたのかと思った。

「侑はミートソース作って、その間に私が飛んでいってメイさんにパスタ貰ってくるよ。」
ミチルは名案が浮かんだと胸を張っている。

「今から行くの?迷惑じゃない?
っていうか、家知ってるの?」
侑はさっき言われた事が頭を過る。

『周りをもっと頼る、か。』

「じゃ、美味しいミートソースを作っているからミチルはパスタを貰ってきて。
もし、夕飯の準備をしてなかったら誘ってきて。」
侑はミチルの首をさすりながらお願いした。

「うん、わかった~。」
首をさすられたミチルは蕩けていた。

侑はキッチンに移動しミートソースの材料を台の上に並べ始めた。
『一口にミートソースと言っても、色々あるんだよな。
ベースはトマトかな、挽肉は少し粗めにするかな。
ナスを入れるか、キノコを入れるか悩むな…
パスタだけじゃ寂しいな、付け合せは何にしようかな。
ポテトサラダをシンプルにして、残ったソースと絡めて食べても美味しそうだな。』

侑はキノコとナスで悩んでいたが、今回はキノコを選んだ。

ブロック肉を叩いて筋繊維を切り、包丁で挽肉を作る。
玉ねぎをみじん切りに、キノコは大きい物は賽の目にしめじの様なキノコはそのまま使う。

お湯の入った鍋に挽肉の半分と人参や玉ねぎの皮等を入れて煮る。
灰汁が出てきたら、丁寧に取る。
水分が半分位になり、黄金色になってきたら野菜の皮を取り除く。
火から下ろして冷ましておく。

「ただいま!」
ミチルが窓から入って来た。

「おかえり。」
『手ブラだから駄目だったかな。』
侑はミチルを肩に呼んだ。

「バトラさん達は、後で来るって。
折角だから今から生パスタを作って、持ってきてくれるって。
あと、一緒にピザを焼いて持ってくるからミートソースだけ準備しておいてってメイさんが言っていたよ。」
ミチルは侑に頬ずりして、褒めてアピールをしている。

「ご苦労様。」
侑はミチルの頭を撫でた。

「何を作ってるの?ミートソースじゃ無いの?」
ミチルは鍋を見て不思議そうにしている。

「ミートソースは今から作るよ。
ブイヨンとか、コンソメが無いから代用品を作ってた。」
侑は作業を再開した。

フライパンに油を引いて、挽肉と玉ねぎを炒める。
キノコを入れたら、塩・胡椒を入れて下味をつける。
火が通ったら、鍋の液体をそーっと掬いフライパンの中に入れてトマトを潰しながら入れる。
トマトの原形が無くなってきたら火を止める。

「出来たの?」
ミチルが火を止めた侑を見て声をかけた。

「まだだよ、一度冷ましてもう一度温めてそれから味を整えるんだ。
そうすると、味の角が無くなりまろやかになるんだよ。」
侑が説明していると玄関のドアがノックされた。

「こんばんは。」
メイさんがバスケットを持って挨拶をする。
後ろでバトラがラピスと喋っているように見えた。

二人を中に招くと、侑はミートソースの仕上げをした。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

外れスキル【畑耕し】で辺境追放された俺、チート能力だったと判明し、スローライフを送っていたら、いつの間にか最強国家の食糧事情を掌握していた件

☆ほしい
ファンタジー
勇者パーティーで「役立たず」と蔑まれ、役立たずスキル【畑耕し】と共に辺境の地へ追放された農夫のアルス。 しかし、そのスキルは一度種をまけば無限に作物が収穫でき、しかも極上の品質になるという規格外のチート能力だった! 辺境でひっそりと自給自足のスローライフを始めたアルスだったが、彼の作る作物はあまりにも美味しく、栄養価も高いため、あっという間に噂が広まってしまう。 飢饉に苦しむ隣国、貴重な薬草を求める冒険者、そしてアルスを追放した勇者パーティーまでもが、彼の元を訪れるように。 「もう誰にも迷惑はかけない」と静かに暮らしたいアルスだったが、彼の作る作物は国家間のバランスをも揺るがし始め、いつしか世界情勢の中心に…!? 元・役立たず農夫の、無自覚な成り上がり譚、開幕!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた

Mr.Six
ファンタジー
 仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。  訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。 「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」  そう開き直り、この世界を探求することに――

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

妖精の森の、日常のおはなし。

華衣
ファンタジー
 気づいたら、知らない森の中に居た僕。火事に巻き込まれて死んだはずだけど、これってもしかして転生した?  でも、なにかがおかしい。まわりの物が全部大きすぎるのだ! 草も、石も、花も、僕の体より大きい。巨人の国に来てしまったのかと思ったけど、よく見たら、僕の方が縮んでいるらしい。  あれ、身体が軽い。ん!?背中から羽が生えてる!? 「僕、妖精になってるー!?」  これは、妖精になった僕の、ただの日常の物語である。 ・毎日18時投稿、たまに休みます。 ・お気に入り&♡ありがとうございます!

処理中です...