転生者とバグでない異世界人の物語

neko

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6.スキル授けの儀式

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 それから、半年ほどしてハルトは5歳になった。といっても、ハルトが生まれたのは正確な日付がわからないが、秋なので実際はまだ5歳になったわけではないが、アムスム王国では、平民は春になると誕生日が来ていなくても、その年に生まれた人はすべて1歳年をとることになっている。ちなみに貴族は誕生日を基準にしている。
 今日は、ハルトの誕生日、そして教会でスキルをもらえる日である。朝早く起きていつもより少し豪勢な食事をして、家族全員で教会に行った。教会に行くと、今日5歳になった友達が3人ほど来ていた。そして、その子たちが祭壇の前の椅子に座っていたので、その隣に座った。シスターを見たが何も言わないので、順番などは特に決まっていないようである。しばらくすると、残りの子供たちも来て椅子に座った。今日この教会でスキルをもらえる子供は、男4人女4人の計8人である。ちなみに子供たちの家族は後ろの席に座っている。
 しばらくすると、神父さんが来て、祭壇の前の机の上に大きな水晶玉を置いた。そして、名前を呼ばれたらここにきて、この水晶玉に手を触れるよう言われた。最初に呼ばれたのはゴンである。ゴンは名前を呼ばれると前に出て、水晶玉に手を触れた。すると水晶玉が軽く光った。それを見た神父さんはゴンに「あなたのスキルは、剣士です。」と言った。それを聞いたゴンは「よっしゃ、俺将来は冒険者になる。」そう言って席に戻っていった。次に呼ばれたのはリーナである。リーナのスキルは生活魔法であった。リーナはうれしそうにしている。生活魔法だと、炊事洗濯掃除など、こまごましたことに役立つので、嫁の貰い手として重宝されるのである。そうこうしているうちに俺の順番になった。俺は名前を呼ばれると、前に出て、軽く水晶玉に手を触れた。すると、何かが吸い取られるような感覚がして、水晶玉がこれまでより少し明るく光った。それを見た神父さんが「あなたのスキルは、器用貧乏と生活魔法です。」と言った。「もし他のスキルも言われたらどうしよう」と思っていたが、ステータス隠蔽がうまくきいているようでよかった。その後、他の子供も順にスキルを与えられた。ちなみに、スキルが2つ与えられたのは俺だけだった。与えられたスキルは、ゴンの剣士、リーナの生活魔法、の他には、生活魔法が2人に、火魔法、水魔法、土魔法がそれぞれ1人であった。
 儀式が終わると、神父さんが「これで皆さんはスキルが与えられたわけですが、すぐにはうまくスキルが使えないと思うので、これから1週間、朝食が終わったら、教会に来てください。スキルの使い方を教えます。ただ、ゴンの剣士は私では最初のスキルの初歩的なことだけしか教えられないので、将来的にはそのようなスキルを持った人に教えてもらうようにしてください。今日は皆さんご苦労様でした。これでスキル授けの儀式を終わります。」と言われて、解散となった。
 家族のところに戻ると「スキルが2つももらえた。」と言って、喜んでくれた。ただ、父親が「なあ、ハルト、生活魔法はわかるのだけど、器用貧乏ってなんだ。」と聞かれたので、「前世の知識を言うわけにもいかないし、どうしようかな。」と思って、「貧乏でも手先が器用ってことじゃない、神様が与えてくれたのだから、悪いはずないじゃない。明日神父さんのところに行って聞いてみる。」と答えた。そしたら、父は「そうだな、神様が与えてくれたのだからいいはずだよな。」と言ってくれた。その日の夕食はすごく豪勢だった。「スキルが2つももらえた。」と言って、みんな喜んでくれた。
 その夜、ハルトは今日スキルをもらうとき水晶玉に触れた時のことを思い出していた。「確か、あの時からだから何かが不意に取られたような感じがした。あれが魔力だとしたら、もう一度あの感覚と同じように何かを絞り出すようにしたら、魔力が体から放出できるのではないか。」そう思って、何かを感じようとした。あの時と同じように手から何かを絞り出すように力を込めながら、感覚を研ぎ澄ませながら体の中に意識を向けてみた。すると、何かがお腹のあたりから、手に向けて動いているような感覚を覚えた。「これが魔力だとしたら、これを薄く広げられればいいのかな。」と考え、今度この何かを頭に集め、そして頭から周囲にレーダー波のように広がるようなイメージを浮かべ「索敵」と唱えてみた。すると、頭の中に、3次元マップのような映像が浮かんできた。「やった。できた。」と思わず言葉を出してしまった。「いけない、家族にばれるとまずい。頭の中で考えるだけにしないと。」そう思って、無言で作業を続けることにした。このマップの中央にいるのが自分で、その周りに父母兄姉妹が確認できた。そして、家の壁から屋敷のあたりまでの様子が分かった。ただし、画像ではなく、点で解る状況だったので、父に意識を集中して「拡大」と唱えてみると、その点が大きくなって人の姿をするようになった。今度は母に意識を集中して「拡大」と唱えると点が人の姿になった。「これで、人と魔物の区別はできるようだな。」そう思った。
 それから、この索敵がどれくらいの距離までできるのかを、調べてみたが、どうも100mぐらいが限度で、それ以上はわからなかった。
 寝る前にもう一度今のステータスを確認してみた。
〇名前:ハルト(ハルト、転生者)
〇年齢:5歳
〇種族:ヒューマン
〇所属:アムスム王国、テー公爵領、コー村
〇職業:農民
〇状態:平常
〇レベル:5
〇HP生命力:30/30
〇MP魔力量:100/100(28,000/30,000)
〇SPスタミナ量:28/30
〇筋力:30
〇体力:30
〇敏捷:30
〇知力:50(200,000)
〇器用度:80(30,000)
〇スキル: 器用貧乏、生活魔法
(器用貧乏、生活魔法、空間魔法、言語理解、ステータス隠蔽、鑑定)
〇装備:なし
*()がある場合は実際の数値は()の中の数値で、本人以外は見ることができない。
 「うーん、レベルが上がって、魔力量と知力、器用度が増えたけど、体力がないな。6歳になると町に行って、冒険者登録ができるはずだから、それまでは体を鍛えて、それに、攻撃魔法も覚えなくちゃ、器用貧乏なのだからある程度はできるだろう。」そう思って、今日は寝ることにした。
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