転生者とバグでない異世界人の物語

@000-ooo

文字の大きさ
7 / 119

7.教会での魔法の教授

しおりを挟む
 次の日の朝早く朝食を食べた後、すぐに教会に行った。
そして、神父さんに、
「器用貧乏はどういうスキルですか」
と聞いてみた。そしたら神父さんは、
「器用でいろいろなことができるが、ある程度まではできるが、なかなか大成しないということです」
と答えてくれた。
「予想どおりだな」
そう思った。

 みんなが揃うと、神父さんが、
「それでは魔法の練習を始めます」
とおっしゃった。

「まず、皆さんは、魔力を感じることから始めてください。
 昨日水晶玉に触れた時、何かが吸われるような感覚を覚えたと思いますが、その何かが魔力です。
 まず、これを感じることから始めてください。順番に私が手を取って魔力を入れたり出したりしてみますので、それで魔力を感じるようにしてください」
 そして、順番に手を取って魔力の入出訓練が始まった。
 ゴンは
「俺は剣士だ。魔法の練習は不要だ」
と言っていたが、
「魔力の練習も必要だ。魔力が使えれば、魔力を剣にまとわせて剣を強化して戦うこともできるのだぞ。」
と言われ、仕方なく応じていた。
 俺の番になった。
 まさか
「昨日魔力の出し入れができた」
というわけにもいかないので、手を出してみた。
 そしたら手をつかまれ、魔力が入ってきた。かなり強力だったので、すぐに魔力を感じることができた。
 すると今度は魔力を吸われた。それもかなり強引に。
「これはわかりやすい」
そう思った。
 そしたら、神父さんが
「さすが器用貧乏、もう魔力を感じられるようになったのですね」
と言われた。
「器用貧乏、それは俺の能力を隠すには最適だ」
そう思った。

 全員の魔力の入出訓練が終わると、神父さんは、
「今の魔力の入出で、魔力を感じられるようになった子もしますが、感じられない子もいます。
 魔力を感じられるようになった子は、魔力を体の中で動かす練習をしてください。
 魔力が感じられない子は手を挙げてください。再度私が魔力の入出訓練をします。魔力を感じられない人は手を挙げて」
と言って、手を挙げた人の訓練を始めた。
 魔力を感じられた子は俺を含めて3人だった。俺は体の中で魔力を動かす練習を始めた。なぜか昨日よりスムーズにできるような気がする。

 余裕が出たので、辺りを見回してみた。時は春、菜の花が咲き、蝶が舞う。教会は村の中心にあり、周りには麦畑が広がっているわけではないが、それでも人口の少ない村のこと、家はまばらであり、家々の間隔も広いため、家々の間からは麦畑も見える。
 そこから流れてくる風がなぜか暖かい。風の香りが心地好い。
「うーん。やっぱり、ここの風は気持ちいい。コンクリートジャングルは、俺には合わないな」
そう思った。

 その夜、父に
「神父さんからは、器用貧乏とは、器用でなんでもできるが、難しいことはできないということを言われた」
と答えた。すると父は
「何でもできるのはいいことだね」
と言ってくれた。
「よっしゃ。これで少し羽目を外しても、ごまかせる」
そう思った。

 次の日から実際に魔法を使う練習が始まった。
 まだ、魔力を感じられない子は、引き続き魔力を感じる練習、魔力を動かすことができない子は、動かす練習、そして俺は、もう1人生活魔法をもらえた女の子サラと一緒に、生活魔法の練習である。
 ゴンは魔力を動かす練習である。

 俺とサラは神父さんに呼ばれた。行くと目の前に藁束が置かれていた。
 神父さんいわく
「2人とも生活魔法なので、まず、着火の練習をします。
 体の魔力を掌のひらに集めてそこから、この藁束に向けて、着火と唱えながら魔力を放出してください」
と言われた。
 それで、サラと並んで着火の練習をすることになった。
 俺の場合、実際の魔力量が桁違いなので簡単な生活魔法でも効果はすごいことになりそうなので、魔力量をできるだけ少なくしてすることにした。
 魔力量最小でと思ったが、これがなかなか難しい。
「これぐらいならいいか」
と思って着火と唱えて魔力を放出してみた。そしたら、目の前の藁束が、ぼっと燃えあがった。
「やばい」
と思ったら、神父さんが
「1度でできるとは、さすが、器用貧乏。しかし、これは生活魔法というよりは、少し威力がありすぎですな。
もう少し込める魔力を少なくするように」
と言われた。
 ちなみに、燃え上がった藁束は、神父さんが近くの桶の水で消してくれた。
 それから、先ほどの魔力を半分ぐらいにしたら、母が家で使っているような感じになった。
 これから、俺の場合、生活魔法と言っても、半端ない魔力量から、普通の人の火魔法レベルになるということが分かった。

 その後、水魔法、といっても生活魔法の場合、コップ1杯分ぐらいらしいが、俺の場合、桶1杯になってしまった。
 魔力を絞るのが難しい。これについては量が多くても困ることはないので良しとなった。
 その後、生活魔法のクリーンについても1回で成功させてしまったら、
神父さんから
「これで生活魔法は一通りできるようになったので、後は1人で練習していろ」
と言われてしまった。
 ちなみにサラはまだ着火ができないようである。

 暇になったので、土魔法ができないか試してみた。地面の土を手で集めて、土山にして、
「固くなれ」
と唱えてみた。そしたら目の前の土山がすこし固くなった。
それで今度は
「柔らかくなれ、そして、平らになれ」
と唱えてみた。
 そしたら固くなった土山がさらさらとした砂のようになり、そしてその砂山がさらさら流れるように流れて平らになった。

「俺の場合、魔力量のせいか、器用貧乏のせいか、よくわからないけど、一通りの魔法が使えるのではないか」
そう思って、みんなに見えないように背を向けて、手のひらにほんの少しだけ、ほんとうにほんの少しだけ、これが難しい、魔力を込めて「ライト」と唱えてみた。
 そしたら、手のひらが少し光った。やはり、俺の場合、一通りの魔法が使えるようである。目立つといけないので、俺は適当に時間をつぶすことにした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

召喚獣スライムに転生したが、美少女召喚士が自分のすごさにまったく気づかない

椎名 富比路
ファンタジー
美少女召喚士リップルに召喚される形で、スライムの【ロピ】ちゃんとして転生したヒロミ。 リップルは誰しも認める天才美少女召喚士で、召喚獣からも慕われている。 なのに、本人はまったく無自覚で、自分の力より召喚獣のほうが優秀だと思っている。 だが、ロピちゃん本人も、自分が最強だと気がついていなかったのである……。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜

Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。 だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。 赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。 前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、 今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。 記憶を失ったふりをしながら、 静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。 しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。 ――これは復讐でも、救済でもない。 自由を求めただけの少年が、 やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。 最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。 重複投稿作品です 小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

貞操逆転世界の「内助の功」~掃除と料理を極めた俺が、脳筋幼馴染を女王にするまで~

ありゃくね
ファンタジー
前世の記憶が目覚めたそこは、男女の貞操が逆転した異世界だった。 彼が繰り出すのは、現代知識を活かした「お掃除アイテム」、そして胃袋を掴む「絶品手料理」。 ただ快適に暮らしたいだけのマシロの行動は、男に飢えた女騎士たちを狂わせ、国の常識さえも変える一大革命へと繋がっていく。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

処理中です...