転生者とバグでない異世界人の物語

neko

文字の大きさ
17 / 30

17.勉強会と領都での生活

しおりを挟む
 土日は商店を開け、月から金はレベル上げ、そんな日々を過ごすうちにレンのレベルも10まで上がった。それはそれでいいのだが、引き続きお客さんが来ない。どうせお客さんが来ないのなら土日はレンに読み書きと計算を教えることにした。そしたら、知力と器用度が高いだけあって、すぐに前世の小学校レベルのことはできるようになった。
 次はこの国の歴史や地理それに法律や社会制度だが、今世の俺には、そんな知識はない。それで家庭教師を商業ギルドを通じて紹介してもらった。教師の先生はテー公爵家の従士の娘さん。三女だそうだ。名前はマリアンヌさん。もちろん生徒は俺とレン2人、費用は土日の週2日で月金貨1枚。マリアンヌさんはすごい美人である。さすが異世界。レンと比べると、ううん、やめておこう。レンは所詮バグ。お金が少なくなってきたので、また商業ギルドでポーションを前回と同じ量買い取ってもらった。これで金貨24枚増えた。現在の所持金は金貨38枚になった。店の収入がなくても余裕である。
 マリアンヌさんが店に来て「店は開けたままで構わないのか。」と聞かれたので、「どうせお客さんは来ないから。」と言ったら笑われた。マリアンヌさんは店の商品を一通り見て、陶磁器に目が留まると、「きれい。」と叫んだが同時に値札の銀貨1枚という価格を見て、悩んでいる。俺が「高いですか。」と聞くと「ええ。」と答えたので、「仕方ない、これ、作るのが大変だったのだけど、売れないのなら仕方ない。」と言って値札を小銀貨5枚に書き換えた。そしたら「これ買います。」と言われた。お客さん第1号である。
 その日は午前中はこの国の地理、午後は歴史を学んだ。「読み書き計算はいらない。」と言ったら驚いていた。読み書き計算についていくつか質問されたが、俺もレンも問題なく回答できた。特に俺の計算レベルはマリアンヌさん以上だと言って驚いていた。昼に魔獣の焼き肉に糖液入りのジュースを出したら「おいしい」と言われた。「これはあまりないので今日だけの特別です」と言ったら残念がっていた。
 次の日曜日は、この国の法律、午後は国王を頂点とした社会制度について学ぶことになっている。ただ、今日はマリアンヌさんだけでなく、男の人や女の人それに子供まで、マリアンヌさんの家族とのこと。お父さんはカール様とのこと。「準貴族への挨拶なんてわからないし」とうろたえていたら、「気にしなくてよい、店の商品を見せてもらう」とのこと。そして、やはり陶磁器に目が留まった。なんでも昨日マリアンヌさんが陶磁器を買って帰って自慢したのが発端らしい。結局家族の人数分だけ5個、銀貨2枚と小銀貨5枚売れた。あと、栄養剤にも興味を持ったようだが、「病気やけがを直接直す効果はないが、疲れた時に飲むと、朝元気に起きられる。それぐらいの効果だ」と言ったら、悩んでいたが、試しに3本買ってくれた。あと、リバーシを見て「これは何だ」と言われたので「単なるゲーム、おもちゃのようなものです」と言ったら、カール様は興味なさそうだったが、子供が、「遊んでみたい」と言ったので、遊び方を教えてあげたら、はまったみたいで、結局1つ売れた。合計で銀貨4枚と小銀貨1枚の売り上げである。
 そのまま家族でリバーシで遊び始めたので、マリアンヌさんの家族に断って、俺とレンはマリアンヌさんから法律の講義を受けた。午前中はマリアンヌさんの家族以外はお客さんは来なかった。昼になったので、昨日と同じで焼き肉と果実水のジュースをマリアンヌさんの家族全員に振る舞った。マリアンヌさんから「昨日のジュースはないのか。」と聞かれたので、「もう砂糖がないので。」と言ったら「砂糖」と言って絶句していた。砂糖は貴重品みたいだ。
 そのような形で始まった勉強会だが思わぬ形で商品の情報が広がり、お客さんがちらほら来るようになった。ヤマユリ商会も軌道に乗り始めたわけである。ヤマユリ商会としては、もともと商品は俺が森でとった材料を魔法で作っているので、最低家賃とマリアンヌさんの講師料の月に金貨3枚の売り上げがあれば何とかなる。今はそれ以上、月に金貨15枚ぐらいの売り上げがある。それに商業ギルドからは「俺のポーションの品質がいいので引き続き納めてほしい。」と言われ、ポーションも納めているので、月に金貨24枚の収入がある。
 冒険者活動については、最初はアイテムボックスをごまかすため、薬草しか納めていなかったが、マジックバッグを買ってからは討伐した魔獣の肉や素材を納めるようになったので、俺とレンのランクもEランクになり月の収入も金貨10枚ぐらいになった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

ファンタジー
かわいい精霊さんと送る、スローライフ。 異世界に送り込まれたおっさんは、精霊さんと手を取り、スローライフをおくる。 夢は優しい国づくり。 『くに、つくりますか?』 『あめのぬぼこ、ぐるぐる』 『みぎまわりか、ひだりまわりか。それがもんだいなの』 いや、それはもう過ぎてますから。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

処理中です...