愛が重いなんて聞いてない

音羽 藍

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新たな草木が靡く風の章

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「……《美味しそうな魔力だね!》」

まるでキンキンとした声が耳に響き振り向いた。
ガシリと背中から触られた感覚して、焦って振り返ると小柄な少年だった。

「お姉ちゃん、美味しそう。」
「離して……」

赤い髪に上に反った鼻。小柄で八重歯が特徴的で尖った耳がある。
背には透明な羽根があり、近くで見ると少年の身体と彼等の言葉が怪しい雰囲気を出している。

どこかで読んだ事がある種族と一致する嫌な予感がして、私は魔力をチャージし、構える。

「あはっ、そんな怖がらないで、お姉ちゃん」
「だから、離して」
「僕の故郷に連れて行ってあげる。そしたらそこでみんなとたくさんイイ事しよう。」
「ユリウス!」

私は叫びながら無詠唱で氷の刃を召喚するが、少年は手を離して、それを鮮やかに身を翻して避けた。

また私へ近づこうと接近するが背後から来たユリウスの剣がそれを防ぎ、ユリウスがとても怒っていると、肌がぴりぴりする感じがする。

「ちっ、なんだもう騎士さんきちゃったかぁ」
「私の番に何をする。」

ユリウスから、ぱりぱりとまるで髪が逆立つ様な魔力がして、私はユリウスの背中にかくれる。

「そのお姉ちゃん僕にくれない?滅多にない高純度の力あるし可愛いし。」
「断る。」
「即効すぎない?ほら僕達が持つあらゆる物を代わりあげるから。僕達が有効に回して孕ませて」
「貴様殺されたいか?」

バキバキと、彼の足元の地面が割れひびがはいる。


回して孕ませる。
 
ピクシーがまるで、普通な事の様に言ったその言葉に震えた。

恐ろしい。

怖い。

「滅多ない希少なのに、君一人で使うなんて勿体無いよ。」

まるで子供の様な無邪気さで、残酷な事を言っている。

ユリウスはすぐさま斬りかかるが相手は舞を踊る様にすり抜け、私の元へ行こうとしている。

だが、ユリウスの瞳が瞳孔が縦長になり、足が竜化するとその身体を剣で貫いた。

「…ぐっ…お兄さん強いね…なんで占有するのか….わからないよ」

ユリウスが何度か切り刻み、人間の身体とは違い簡単に切れるんだなと考えていると、いつのまにかにぐしゃりと肉塊になった後、ピクシーが苦し紛れに出してきたビンがころころと私の方へ、瓶が転がってバリバリとヒビが入って割れて、その後肉塊は光の粒となり消えた。

「……」

私は輪姦を指し示すあの少年…いえ、ピクシーの言葉にゾッとして震える。
ひび割れた瓶からピンク色の液体が溢れ、なにかチョコレートの様な匂いがした。

「シアッ息を止めろ」

私は既に遅いと思いながら、ぐらぐらとする視界を耐えきれず、ユリウスへ手を伸ばし意識を失った。


―――――――――――――


起きると、ユリウスの地下室の様で鎖がついた首輪や腕輪がつけられていた。

「ここって……」
「起きた?」
「ユリウス、私って……」

すーっと肌を撫でられるだけでまるで感じてしまう異常な感覚が起きて、私は変に感じがして、地面に足がついてない様な気がして震える。

「ひゃんん………なにこれ」
「媚薬だ、たぶん気化した原液のを君は吸ってしまったみたいだ。」
「ユリウスなんで私をここに移動させ……んんっ……」
「シア…君はほんと俺を不安にさせ、そして…俺を幸福にもしてくれる。またひとりにしたら…不安だからずっと一緒にいてあげる。」

ちゃりと鎖の音がして、ユリウスは笑って鎖を軽く引き私の首輪を引っ張る。

「ん……」

近くなったふたりの距離。
ばくんばくんとなる自身の心臓の音でさえうるさい。

「シア…たくさんイって、俺の精液を体内にたくさん注ぎこむから、そしたら薬の効果は消えると思う。あいつの薬のせいで今はおかしくなっているけどその内消える。ピクシーの配合だからか、中々解毒できなかった。」
「そんなっ……ぁぁっ」
「シア大丈夫だから……これには君自身の魔法でも解毒は無理そうだろ?」
「う、そうね……なんでだろ?」

押し倒されて彼の顔が近いと思いながら、神力を使ったが、身体の異常は治らない。

「薬の配合が自然由来で、特殊な加工をしているからだと予想はしてる。ピクシーのその技術力は厄介な理由の一つなんだ。」
「ユリウスっ……助けてっ、これ変なのっ」
「少しあいつのせいだからむしゃくしゃしてる。荒っぽくなったらごめん」

ユリウスのギラギラとしたその視線が私を見ており、かなり鼻息は荒い。
彼に胸を押さえ揉まれた少しの刺激で感じて、まるでいつもの倍に感じる。

服は脱がされていたが着ていた黒のレースのガーターベルトが丸見えになっており、恥ずかしくて身を震わせる。
ガーターベルトの上から履いていた黒い紐を解いて下着を外してしまい、残りはガーターベルトのみになり、彼が湿り気を帯びた私の秘所をソワっと撫でただけで、私の口からはため息が漏れた。

「んっ……あっ」
「こんな色っぽい下着をつけて。誰を誘惑するつもりだった?」

ユリウスは私の足を持ち、太ももにキスをして跡をつけた。

「ユリウス……私は…見せようなんて」

撫でられただけでぴくんっと感じてしまう己の浅ましい身体が憎い。

くちゃりと滴る愛液に恥ずかしい。
とろりとそれだけで濡れ溢れる秘所を、触られて彼に見られている。

「シア、言ってみて。どんな事されたい?」

ユリウスに言われて、私の脳内は既に快楽に染まり、ユリウスにして欲しい事を恥ずかしさよりも、欲望を選択した。

「ユリウスに私の…おまんこを…ユリウスの指で……ひぁ…いじられてぇ…ぁんんっ…イキたい」

火照った身体を這うユリウスの指の熱に甘い声を上げてしまい、じゃりじゃりと鎖の音がなにか更に、淫猥な雰囲気に拍車をかけている。

ユリウスの背中へ手を伸ばして触りながら、ユリウスがいるのだと目だけでは足りない安心が満たされる。
……やはり、なぜか下半身にユリウスの熱い杭を打ち込んで欲しいと思ってやまない。
早くしてと言いそうになる己の破廉恥な思考に、なぜか私は心地よささえ感じる。

「焦らないでくれ……シア可愛い」

私の腰はスルスルと彼の下半身へと擦り付ける様な破廉恥な動きをしてしまい、私はでもやめられない。

「ぁっ……だめなのっ、なんかやめられないっ」
「シア、沢山イッていいから」

くぷっと彼の指が中へ入り込み、ぐしゅぐしゅとピストンされる事に私は足先まで震わして感じた。

「はぁっ……きちゃっ」

首輪と繋がった鎖を引っ張られて顔を上へと動き、ユリウスの青い瞳と目が合いながら、指が気持ち良い所へと押し上げられて高まり簡単に達してしまいそうだった。
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