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ライム先輩との冬
図書館
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今日から放課後、四時間目の講義が無い日は図書館で勉強する。
アーロンがライム先輩と行動する様になって、周りが落ち着いたのでそろそろ良いだろうという話になっていたのだが、火の国の二人が王都の寒さに参っていたので延期となっていたのだ。
「いやあ、下着一枚でこんなに変わるって凄いっす!」
「もう分かったから、下着下着って連呼しちゃ駄目」
しーっとアーロンがタイスケを嗜める。アーロンはすっかりいつもの調子を取り戻していた。ただ、お昼のライム先輩との食事は少しぎこちなくなってしまったけれど。
ライム先輩に申し訳なかったなと、お昼の様子を思い出しながらアーロンはタイスケと並んで図書館迄の道を歩く。自分を気に掛けてくれている事は分かったのだけれど、アーロンはどうしても素っ気ない態度しか取れなかったのだ。明日は多分普通に出来ると思う。
前はイチロウとイアン、それに寮長だ。朝食の時に四人が話していたのを聞いて、寮長も混ざる事になったのだ。結局寮長も同好会には入らなかったらしい。
「もう、おいら達で同好会作ってもいいんじゃないっすか?」
「いいけど、名前何にするの? だって特に目的もないじゃない」
「いや、キャベツが許されてるなら、目的も名前も何でもいいんじゃないっすか?」
「そう言えばそうだねえ」
キースの同好会を思い出してくすくす笑っていると、図書館が見えて来た。
「アーロン様、もうこの辺平気っすか?」
「うん、全然平気だよー」
「良かったっす。そういや、同じクラスの子爵家の連中もめっきり大人しくなりやしたねえ」
「そう言えば、そうだね」
言われてみたら子爵家の生徒達についての記憶が無い。彼等も講義を休んだりはしていない筈だから多分アーロンの記憶に残る様な目立つ関わり方をして来なくなっただけだろう。
アーロンの友人は基本男爵家の寮の生徒達で、いつも一緒にいるのもこの四人だ。この先交友関係が増えていくかもしれないが、出来れば自然な関わり方で親しくなりたい。家柄を傘に強制的に交流を求められるのは御免だ。
「いい事っす」
アーロンは図書館が近付くに連れ、ある事を思い出した。
「そう言えば、あの時図書館の扉が閉まってたんだよねえ」
「そうなんすか? あ、そう言えば、そう仰ってましたね」
「うん」
「あれ? でもイアン様が図書館は日曜日と祝日だけが休みで、朝の九時から夜の九時迄開いてるってあの時言ってたっす」
「そう。僕も後でそう聞いて、あれ?って思ったんだけど、リバー先生には焦ってたから鍵が掛かってる様に思えちゃったんじゃないかって言われたけど」
「そんな建て付けの悪い扉なんすかね? すんごい重いとか、……アーロン様には関係無いっすね」
「うん」
「まあ、今行ったら分かるんじゃないっすか?」
「そうだね、確かめてみよう」
検証した結果、扉の建て付けは悪くなかった。分厚い扉をイアンは少し重そうに両手で押したが、寮長は片手、他の三人も軽々と開けられた。
「やっぱり鍵が掛かってたとしか思えない」
「そうなのかね? アーロン様の勘違いという事はないのかい?」
とアーロンの言葉に寮長が首を捻る。
「それは無いです」
きっぱり言い切ると、イチロウが、
「たまたまか、何らかの事情でその時だけ閉まっていたか、でしょうか」
と言うのに、寮長が、
「イチロウ様達は、その時は中へ入らなかったのですか?」
と聞く。
「はい。丁度此処に着いた時に、アーロン様達と逸れたのに気が付きましたので」
「おいら達が待ってる間、誰も出入りしなかったっす」
イチロウが答えるのに、タイスケも付け加えた。
「とするとなると、その時にから鍵が掛かっていたのか、開いていたのか、確認のしようがありませんね」
と寮長が言うと、イアンが、
「聞けばいい」
とずんずんと受付へ歩いて行った。
アーロンがライム先輩と行動する様になって、周りが落ち着いたのでそろそろ良いだろうという話になっていたのだが、火の国の二人が王都の寒さに参っていたので延期となっていたのだ。
「いやあ、下着一枚でこんなに変わるって凄いっす!」
「もう分かったから、下着下着って連呼しちゃ駄目」
しーっとアーロンがタイスケを嗜める。アーロンはすっかりいつもの調子を取り戻していた。ただ、お昼のライム先輩との食事は少しぎこちなくなってしまったけれど。
ライム先輩に申し訳なかったなと、お昼の様子を思い出しながらアーロンはタイスケと並んで図書館迄の道を歩く。自分を気に掛けてくれている事は分かったのだけれど、アーロンはどうしても素っ気ない態度しか取れなかったのだ。明日は多分普通に出来ると思う。
前はイチロウとイアン、それに寮長だ。朝食の時に四人が話していたのを聞いて、寮長も混ざる事になったのだ。結局寮長も同好会には入らなかったらしい。
「もう、おいら達で同好会作ってもいいんじゃないっすか?」
「いいけど、名前何にするの? だって特に目的もないじゃない」
「いや、キャベツが許されてるなら、目的も名前も何でもいいんじゃないっすか?」
「そう言えばそうだねえ」
キースの同好会を思い出してくすくす笑っていると、図書館が見えて来た。
「アーロン様、もうこの辺平気っすか?」
「うん、全然平気だよー」
「良かったっす。そういや、同じクラスの子爵家の連中もめっきり大人しくなりやしたねえ」
「そう言えば、そうだね」
言われてみたら子爵家の生徒達についての記憶が無い。彼等も講義を休んだりはしていない筈だから多分アーロンの記憶に残る様な目立つ関わり方をして来なくなっただけだろう。
アーロンの友人は基本男爵家の寮の生徒達で、いつも一緒にいるのもこの四人だ。この先交友関係が増えていくかもしれないが、出来れば自然な関わり方で親しくなりたい。家柄を傘に強制的に交流を求められるのは御免だ。
「いい事っす」
アーロンは図書館が近付くに連れ、ある事を思い出した。
「そう言えば、あの時図書館の扉が閉まってたんだよねえ」
「そうなんすか? あ、そう言えば、そう仰ってましたね」
「うん」
「あれ? でもイアン様が図書館は日曜日と祝日だけが休みで、朝の九時から夜の九時迄開いてるってあの時言ってたっす」
「そう。僕も後でそう聞いて、あれ?って思ったんだけど、リバー先生には焦ってたから鍵が掛かってる様に思えちゃったんじゃないかって言われたけど」
「そんな建て付けの悪い扉なんすかね? すんごい重いとか、……アーロン様には関係無いっすね」
「うん」
「まあ、今行ったら分かるんじゃないっすか?」
「そうだね、確かめてみよう」
検証した結果、扉の建て付けは悪くなかった。分厚い扉をイアンは少し重そうに両手で押したが、寮長は片手、他の三人も軽々と開けられた。
「やっぱり鍵が掛かってたとしか思えない」
「そうなのかね? アーロン様の勘違いという事はないのかい?」
とアーロンの言葉に寮長が首を捻る。
「それは無いです」
きっぱり言い切ると、イチロウが、
「たまたまか、何らかの事情でその時だけ閉まっていたか、でしょうか」
と言うのに、寮長が、
「イチロウ様達は、その時は中へ入らなかったのですか?」
と聞く。
「はい。丁度此処に着いた時に、アーロン様達と逸れたのに気が付きましたので」
「おいら達が待ってる間、誰も出入りしなかったっす」
イチロウが答えるのに、タイスケも付け加えた。
「とするとなると、その時にから鍵が掛かっていたのか、開いていたのか、確認のしようがありませんね」
と寮長が言うと、イアンが、
「聞けばいい」
とずんずんと受付へ歩いて行った。
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