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しおりを挟む「エイル!?...こんにちは」
エイルがこんな所に居るなんて驚いた。
平静を装って、こんにちはと挨拶をした。
令嬢なのだからご機嫌ようの方が良かったかしら...。
「...こんにちは」
「「...」」
まずこれまでのことを謝った方がいいのだろうか。
それとも世間話から入って、場がほぐれた後の方がいいのだろうか。
「エイルは何故このような所に?」
私は迷った結果、少しでも和やかな空気で謝りたいが為に、世間話を振ることにした。
「っ!レイラ様から与えられたこの場所で生活しているだけです」
レイラがこんな素敵な屋根裏部屋を与えたというの...!?
悪役令嬢もたまには良いことするじゃない。
「勝手に入ってしまい、申し訳ありません。ですがこの屋根裏部屋、素敵です!狭いところって落ち着きませんか?」
「...ええ、そうですね。私みたいな者にはお似合いの場所かもしれません」
ふっとエイルが笑う。
これは手応えアリなのでは...!?
和やかに世間話ができている気がする。
「もう一つ隣に屋根裏部屋がありましたよね!流石広い公爵家です」
前世の家では屋根裏部屋が一つしかなかったというのに。
公爵家の広さには圧倒される。
「...?」
エイルは話の先が見えないという顔だ。
「私も今日からお隣で生活したいくらいです。エイルさえ良ければ」
「...は?」
意味がわからないという顔だ。
「...やはり今まで悪態をついてきた私とお隣というのは嫌ですよね。酷いことをしてきて...」
ここで謝罪をしよう!
勇気を出して、私!
「実は、謝りたくて来たのです。今まで本当にごめんなさい...!これから誠意を見せていきます」
「いきなり、どうしたんですか?」
「私がエイルに酷いことをしていたと。記憶喪失になってしまったから、メイドに聞いたのです。だから、どうしても謝りたくて...」
「記憶喪失」
「医者に診てもらった後、他の方にもご挨拶と謝罪をしてくるので、そろそろ失礼します」
背を向けるとエイルが独り言のように呟いた。
「...お隣使って良いです」
「ありがとうございます...!」
エイルと世間話出来たし、謝れたし上出来なのでは!?
屋根裏部屋もゲット出来たし!
一応医者に診てもらったが、特に問題はないよう。
今日は迷惑をかけた人達に挨拶と謝罪をして、屋根裏部屋に荷物を引越しして終わった。
両親に報告はしたが、特に何も言われなかった。
父はそうかとだけで、母はレイラの好きなようにしたら良いと。
屋根裏部屋の荷解きが終わってない中、埃っぽいベットで眠りについた。
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