薬師、奴隷を買う、、、ん?奴隷に襲われるってどういうこと!?

さえ

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第四十三話 取り込む(??視点)

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「もう決めた。絶対自分のものにしてやる」
その呟きは扉越しでは聞こえない。

ギルドに戻って資料から粗探しをするも見当たらない。それもそのはず、最近開店したばかりの店に後ろめたいことなんてない。


金銭面を調べる。

「おかしい」

開店時は赤字が一般的で、あの店も赤字なのは間違いないだろう。
ただ、あの店というより、あの人は金に興味がないように見える。それはただ興味がないだけなのか、莫大な資産を持っていて興味を持つ必要がないのか。
どちらにせ暮らしぶりを考えればある程度の資産を保有していることが考えられる。
その資産を押さえないと相手を取り込むことは難しいだろう。
ただ薬事ギルドは金融機関ではない。資産の凍結とか直接的なことはできないだろう。

「ああそうか、そうすれば金融機関の口座は凍結させられる。自宅貯金はあのクソ奴隷が勝手に持ってくだろう」
ついつい独り言を言ってしまうくらい良いことが思いついた。

まずは紙面上営業取り消しの対象にしてウチに取り込むという提案をしよう。それを拒否すれば強硬手段だ。

どちらにせよ自由は制限させていただくが報酬はたんまりと渡すんだから良いだろう。

強硬手段になれば冒険者カードは消滅する。そうすれば公的な身分を証明する、いわば戸籍はなくなる。借りている家も、奴隷もなくなる。

そうなるとウチで働くしかなくなるだろう。同じ名前で冒険者カードは再発行できないし、別名にしてもスキル調査の時にバレる。

事案一件ぐらい権力でなんとか揉み消せる。それだけの価値がアイツにはある。

「ポッと出の薬師一人居なくなったとて、誰も気づかないだろうね」
単純ながらに最適解を導き出せて、自画自賛をする。

泳がせている暇はないだろう。地元に根付いて、支持を集めては困る。早めに取り込むべきだ。

「おい!」
待機してる召使いを呼ぶ。

何秒かかるんだよ、1秒以内に来いよ。扉の前にいるんだから。

「は「おっそいぞ!もっと早く動けんのか!」い」
召使いのくせにモタモタしているなんて言語両断だ。が、一回見過ごそう。

「リョウ・ミシマのデータを全て持ってこい!早く!」

回れ右して慌てて出て行く召使い。

「まだなのか!」
扉から出て行く召使いの背中に怒鳴りつける。
地位の高い私の生きる時間の価値から生まれる速さと底辺召使いのそれでは全然違うのかもしれない。だからアイツはモタモタしているのだろう。
そう考えれば納得がいく。

時計の長針が30度ぐらい傾いた気がする。

「一体なにをしているんだ!長針が30度も傾いてしまうなんて!」

「ただいまお持ちしました」
召使いが紙の束を俺の机に広げた。
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