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第五十七話 出張

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二人で甘い余韻を楽しんだ後、急激な睡魔に襲われてしまった。


「は!?」
抗えずに寝てしまっていたようだった。
あの訳のわからないぐらいバクバクした心臓や収まらない息子、みたいな体の異変は無くなっている。

「起きたかよ」
どうやらリクの膝の上だったようだ。つまり、膝枕!

「ひぃ!」
変な声が出てしまったが、これは媚薬のせいではない。

自分でもびっくりするぐらいスッキリしている。あ、ナニでスッキリしたとかそんなのではない。
聡明で快活、、、みたいな言葉で表せばいいだろうか?

身体は綺麗だ。
「リクが綺麗にしてくれたの?」
さっきの記憶を思い出して少し恥ずかしくなる。普段通りを意識した。

「ああ、もう辛くないか?」
余計に思い出して恥ずかしくなる。顔にも出ているだろう。でも、決して意地悪で言っているのではない。リクの優しさは伝わった。

「もう、大丈夫。多分」
なんなんだったんだろうね、あれは。
多分だがもうスキルも使えて、媚薬の効果もスキル無効の効果も切れている。

「街を出よう、俺は伯爵アイツにけじめをつける。リクは前から言っていた領地に下調べに行って。金はいくらでも使ったらいい」
本当はリクと少しだけ距離を置きたいだけなのだ。今のままではどう接していいのかわからない。リクを見ると顔から火が出るんじゃないかと思うぐらい熱くなってしまう。

「お前死人扱「いいから行ってきて!それはなんとかするから、、、全部なんとかするから。準備ができたら手紙を書いてね。こっちもやること終わったら返信するから。リク、出張」」
声を張り上げるようなことはしなかったが、少しだけ感情は出てしまったかもしれない。
言ってから後悔しても遅い。

「、、、わーったよ」
頭を掻きながら渋々といった感じで了承してくれた。

「お願いね」
手持ち無沙汰で研究室を片付ける。
伯爵のだから散らかしたままにしてたらいいのだが、、、





どうケジメをつけさせるか、、、今伯爵は地下牢に閉じ込めている。アイツの部下はどういう反応をするだろうか?金で従っているだけなら買収すればいいし、恩なら面倒だ。
アイツが恩を売っているとも思えないが、一応考えがないわけではない。

実は無理矢理屋敷に連れてこられた時からいつかはやってやると思っていたのだが、今はチャンスだろう。
そう、被験者になってもらう。
ちょっと、ほんの少し危なめの薬を体験してもらう。
いや、自分でもどの程度危ないのかわからないからほんの少しとか知らないけど、、、。

まぁそれでおかしくなったならおかしくなったでいいだろう。という考えだ。



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