王女の花嫁修行は夜に行われる

在江

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深更

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 「今日から、子作りの講座を始めます」

 女官長から直々に言い渡されたときには、グゥェンドラには何のことかわからなかった。やがて、若い小姓と小間使いが連れてこられ、全裸になった時には、あっと声を上げそうになった。
 皮肉なことに、花嫁修行の中には、表情を鍛える授業もあって、グゥェンドラは気を失わずに椅子の肘掛を握り締めるだけですんだ。

 「男と女の身体には、このような違いがあります。この部分については、年齢、体格により、様々な色合いや形が有り得ます。男性のこの部分は、刺激を与えると……(中略)……このような形となります」

 小姓の股間にあるものは、ピンク色をして、腹にくっつきそうなくらい上に伸びていた。あの年寄りとは全然違うわ、でも、同じ物なのかしら、とグゥェンドラは疑問に思ったが、無論、口には出来なかった。

 「男のこれを、女のここに入れることが、子作りの基本です。今日は、ここまでにします」

 その他にも、絵画の製法、世界の風俗習慣、詐欺師の手口など、種種雑多な勉強をグゥェンドラはこなさなければならなかった。一定の期間の後に、それぞれ試験が設けられているので、聞き流すことはできなかった。しかも、就寝時間、起床時間まで決められており、後でまとめて勉強する訳にもいかなかった。



 新月の夜が来た。グゥェンドラは疲れ果てて眠っていた。たまには起きて、黒い瞳の男を迎えようと思っても、疲労がそれを許さなかった。
 従って、グゥェンドラが目覚めたときには、男はベッドの端に腰掛けて、革でできた紐のようなものを広げていた。

 「今夜のお前は、奴隷だ。名前はない」

 示されて、それが服だと知った。胸も股も丸見えの、およそ服とはかけ離れたデザインであった。

 樽に乗って、どこかのお屋敷へ入った。地下室である。

 室の中央に、座り心地のよさそうな椅子があったので、腰掛けた。室の中には色々な機械が転がっていて、他に座る場所がなかったのである。

 ほどなく、室の扉が開いて、主人が姿を現した。小姓の恰好をしているが、貴族で、女であった。女主人は鞭を提げていた。奴隷が椅子に座っているのを見て、一瞬嬉しそうな顔をしたのだが、すぐに生真面目な表情になって、つかつかと奴隷に歩み寄った。

 ピシッ

 いきなり奴隷の肩を、鞭が襲った。

 「畏れ多くも、ご主人様の椅子にふんぞり返っているとは無礼千万」

 奴隷は慌てて床に這いつくばった。その背中を鞭が、ピシャリピシャリと往復する。

 「お仕置きをしなくては」

 女主人は、どこからか手枷足枷を取り出して、奴隷の両手足に取り付けた。手枷は天上から下がっている鎖に、足枷は、床から伸びている鎖に、それぞれ結びつける。奴隷は、椅子の前に立たされている状態となった。女主人は、どっかりと椅子に沈み込み、巨大な羽扇を取り出した。

 「働きすぎて、暑くなってしまったわ」

 扇ぎながら呟く。大振りの羽が、奴隷のむき出しの乳首の先端を掠めて行く。奴隷は、微妙な感触に、快とも不快ともとれる呻きをもらす。

 「うるさいわね、その口」

 女主人は、その辺りにあった皮紐で、奴隷にさるぐつわをかませた。奴隷の口の端から、よだれが滴る。奴隷は涙を流している。女主人はその顔を見て、奴隷の顎に手をかけ、唇を奪った。それから、つやつやと磨かれた石棒を取り出した。奴隷の顔前にさらす。

 「どう、美しいでしょ? これは、お前の下の穴に挿すためのものよ」

 奴隷は石棒を見て、涙を流した。喜んでいるのか、恐がっているのか、わからない。女主人は奴隷の涙には頓着せず、石棒を奴隷の口に押しつけ、くるくると回した。奴隷のよだれがぬらぬらと付着した。

 女主人は、濡れた石棒を口から離して、奴隷の下の口へ押し込んだ。そのまま前後に細かく動かすと、奴隷が苦しげに身をよじった。無論、女主人が止めるはずもない。

 そのうちに手が疲れたのか、奴隷に挿し込んだまま、石棒を離してしまった。奴隷の股間から、石棒がぶらさがっている。

 女主人は、手真似で奴隷に女主人の股をなめるように指示した。奴隷は素直に従う。が、女主人は革の鞭を持っていて、やり方が悪いとばかりに奴隷を叩くのであった。

 ようやく女主人が満足して引き揚げると、黒い瞳の男が現れて、くつわや鎖を外してくれた。奴隷の股間の石棒を抜き取られるとき、奴隷は恥じらいの表情を見せた。

 「心を閉ざしていたな。奴隷は、苦痛か」

 男は奴隷に語りかけた。奴隷は頷いた。

 「苦痛かもしれん。だが、それしか生きる道がなければ、苦痛を快楽に変える必要がある。延々と続く苦痛には人は耐えられないからな」

 奴隷は、また頷いた。



 グゥェンドラの花嫁修行は、とどまるところを知らない。

 化粧にも色々な技術があり、全く異なる印象を人に与えることが可能であることを学び、練習し、神の存在について論じ、鞭の使い方を練習した。

 子作りの授業は少しずつ進んで行った。グゥェンドラはこの授業にも段々慣れてきた。基本は一つで、如何にそこへ達するか、という道筋が応用編なのであった。夫に愛人ができたことを見破る方法や、その後の対処なども、付録として教授された。

 グゥェンドラは、これらの授業で学んでいるうちに、新月の晩の行為は応用編なのではないか、と推測するようになった。もっとも、それがわかったからといって、どうしようもないことではある。

 そしてまた、黒い瞳の男が来た時も、グゥェンドラは疲れ果てて眠っていたのであった。
 ベッドの上には、先月着た服に似たものが乗っていた。着てみると、似ているが性質が異なる服であるらしかった。

 「お前は女王だ。ただし、性愛の国の」

 黒い瞳の男は言った。樽の中で、補足説明があった。

 「お前の国民、臣下はただ一人だ。お前はその男に、性愛の素晴らしさを教え、君主への仕え方を教えるのだ」
 「はい」

 案内されたのは、地方の領主の屋敷のようであった。男はいつものように、誰何も受けず、鍵にも邪魔されずに、一番奥の間に到達した。

 豪奢な天蓋付きベッドがあり、ベールをめくると、中に、年端も行かない少年がいた。黒い瞳の男は消えていた。

 少年は眠っていた。これまでとは違う。
 女王は、まだ服従していない臣下には警戒を怠らなかった。手足をそれぞれ絹の紐で縛る。板切れをくるんださるぐつわを噛ませたところで、少年は漸く目を開いた。女王を見て、驚いている。

 女王は、少年の服を脱がせにかかった。ボタンを外し、紐をほどき、脱がせられるところまで脱がせた。無理やり開かせた薔薇の蕾のようになった。女王は少年の額にキスをし、小さな乳首をつまんだ。左手は、服の間からのぞいている芽を握り締めて、前後に激しく動かしている。

 少年の顔が紅くなった。次いで、全身がほの紅く染まってきた。

 「うっ、うっ、ああっ」

 芽の先から勢いよく白い液体が迸り出た。あっという間だった。芽は、急にしぼんだが、女王が握り締めていると、すぐに膨らみはじめた。

 女王の右手は、何時の間にか、短い鞭を持っていた。左手で芽をしごきながら、右手で少年の背中を鞭打った。器用なことである。少年の背中がピシリと鳴る度に、苦痛と快楽のないまぜになった唸り声があがった。女王は、鞭の合間に、少年の乳首を舌で転がした。

 「あっ、あっ、女王様」

 芽の先から白い液体が走り出るまでに、そう時間はかからなかった。女王は、今度は少年を仰向けに倒した。両手を縛られている少年は、痛みに悲鳴を上げた。
 女王は少し考えてから、少年の手の紐を外してやった。ついでにさるぐつわも外してやった。少年の言葉が明瞭になった。

 「ありがとうございます、女王様」

 少年は大人しく仰向けになった。すると、女王はやにわに少年の顔にまたがり、股を顔に擦りつけた。そうして、鞭で少年の芽を打ち始めた。

 「ふがふが」

 少年は両手を女王の胸にあて、女王が快感を得られるように協力していた。芽は、鞭で叩かれているうちに、またたくましく屹立した。そして、再び白い液体を噴き出した。

 そうして5回も少年に白い液体を吐き出させると、ようやく女王は足の縛めを解いてやった。さすがに少年も疲れ果てて、ぐっすり眠り込んでしまっていた。
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