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帝国編
遅かったじゃないか・・・
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魔海で発生していた霧は晴れ、海に再び静寂が戻っ・・・
キュァァァァォォォォォンッ
てはいないようなのです・・・闇夜より更に黒い球体の姿形はなく、魔海には霧に遮られていた月の光が差し込んでいる。
使役していたであろうコーザル体を倒しても残っている事から、次は大型ルスカとの連戦・・・流石にこちらの体力が心許ないのです。
「ふっ!・・・触手が再生しなくなった?」
「やはりフィオナのあの魔力は・・・ユラ、後少しだけ持ちこたえて下さいまし!」
弱体化するかに思えた大型ルスカはより激しく暴れ始める、鮫頭と胴体の間にある透明な膜が周りの水を吸い上げ・・・次々に高密度の水流弾が高速で射出されていく。
バチィンッ バチィンッ バチィンッ
「・・・急に戦い方が変わった?魚人型と似たような事をっ」
後退しつつ水流弾を切り払い、ライトニング・バレットを放つも水の壁が遮断する。
背後からレーザーライフルを撃つが威力が出きらず、水の壁が後方の膜からせり上がり防がれる・・・カリーナに放ったような力はこちらの意識が弱まっているせいか使えなくなっているようなのです。
「・・・フィオナ無理しないで、意識保ってるだけでもやっとなんじゃないっ?」
「それはそうなのですが・・・やはり、簡単にはいかないのです・・・面倒なことにな・・・」
ガシャァッ バチィンッ 「シールド展開っ!」
全方位バリアーが機能せず水流弾が右肩装甲を吹き飛ばし、直撃しそうになった2発目をレーザーシールドで防ぐ。
「・・・そんな状態でよく耐えれるね・・・感心するよ」
「これ以上壊されると修繕が・・・撤退するのですー」
戦線離脱をしようとする際、距離を近づけていたミリーがディオールの杖先に大きな魔導陣を展開していた。
前方に構えられている杖の触媒結晶が強く輝き、周囲を風が高速で円を描いており・・・足下の海が徐々に割れていく。
ユラと私が離れた瞬間、大型ルスカまでの海が裂け半分宙に浮く状態となり動きが止まる。
「風よ押しつぶしなさい、破砕せよ・・・削り穿て!グラインド・ディストラクション!!」
ミリーの前方で渦巻いている圧縮された空気が、裂けた海を蒸発させながら大型ルスカへと竜巻のように襲いかかる。
ジュゴォォォォァァァァッ
水の壁が瞬時に蒸発し大型ルスカを捉え触手が細切れになっていき、鮫頭の顎から胴体を粉砕・・・核であるベンタルミナがけたたましい音を立てながら削れバラバラに砕け散った。
歴史的大物の討伐は無事(?)成功を収め、帝国と王国騎士団は勝利の余韻に浸ることもなく・・・慌ただしく動き回っていた。
しかしそんな中、第3町の浜辺では私達と冒険者達での宴会を開始する。
ティシーさんが魚人型と鰐人型の肉を回収していたらしく、材料は新鮮な魔物肉のバーベキューであった。
兄のアストも誘いたかったが王国への報告もあるだろうから忙しいみたいなのです、兄妹水入らずはまた今度と。
「しかし君達は、あんな化け物相手によくやったな」
「私が気絶してる間にそんな事が・・・ジオの鎧が無惨な姿に」
「・・・戻ってからずっとしくしくと、お肉齧りながら撫でてるからね・・・」
「ユラちゃんとミリーちゃんも凄かったね!今なら十分手伝えたんだけど、既に遅かった・・・」
姉様のメーインティヴであればカリーナも斬れたであろう、それともやはり認識していない状態では触れられない可能性もあるが余談に過ぎない。
それはそれとしてジオはMKーⅡとして全面改修が必要だろう、リアに念話で色々手配をしようと意識を集中し話しかける。
(リア聞こえるです?こっちは終わったのですよ)
(うむ、妾も待ってるだけなのも退屈じゃから観ておったぞ。アイリの投射器?を通してな)
どうやら筒抜けのようだ、助け舟を出してくれてもと思ったが終わってから言っても仕方がないので要件を伝える。
(お主は鉄板が好きじゃの・・・ジオを回収するとして、鉄板をどうするのじゃ?)
(帰り大森林を通るのも面倒なので、そりを作り直すのです・・・今度は落とされないのです)
後その映像投射器は元はミリーが持ってきたやつなのです・・・姉様が頻繁に持ち出してるだけで、とは今気にする事でもない。
(ふむ、ちなみにお主・・・前世の記憶はあるか?)
(何を藪から棒に・・・あるですよ、思い出すとオーディオ機器が恋しくなるのです)
お気に入りの1つ、六角形が印象的なヘッドホンでメタルを聴きたくなる衝動が度々起こるが・・・名前が出てこない。
お気に入りをど忘れするとは、流石に連戦で疲れてしまったのだろうか。
(原初の領域存在である妾を、便利道具のように使うのは後に先にもお主くらいじゃな)
(気に障るです・・・?)(構わぬのじゃ)
「しかしミリー君のあれは国級に匹敵する魔導術だったが、1人の魔力で短時間に出せる術式ではないな」
「ディオールの杖は思いの外、魔力伝導率が早く触媒結晶の蓄積量も多いから可能でしたの」
「・・・その分魔力消費も大きいようだけど、まだ余裕そうだね」
上級ですら無詠唱で使えるミリーが詠唱まで挟んだのだからあれは国級なのだろう、常人の域を軽く越えている故認識し辛いようなのです。
「それはそうと・・・フィオナもそれだけの魔力を今までよく隠してましたわね」
「・・・ギリギリまで使わないなんて、フィオナも意地が悪いね」
使えたら苦労はしないのです、と自分の魔力を視てみると・・・青紫の魔力のオーラが全身から溢れていたのであった。
キュァァァァォォォォォンッ
てはいないようなのです・・・闇夜より更に黒い球体の姿形はなく、魔海には霧に遮られていた月の光が差し込んでいる。
使役していたであろうコーザル体を倒しても残っている事から、次は大型ルスカとの連戦・・・流石にこちらの体力が心許ないのです。
「ふっ!・・・触手が再生しなくなった?」
「やはりフィオナのあの魔力は・・・ユラ、後少しだけ持ちこたえて下さいまし!」
弱体化するかに思えた大型ルスカはより激しく暴れ始める、鮫頭と胴体の間にある透明な膜が周りの水を吸い上げ・・・次々に高密度の水流弾が高速で射出されていく。
バチィンッ バチィンッ バチィンッ
「・・・急に戦い方が変わった?魚人型と似たような事をっ」
後退しつつ水流弾を切り払い、ライトニング・バレットを放つも水の壁が遮断する。
背後からレーザーライフルを撃つが威力が出きらず、水の壁が後方の膜からせり上がり防がれる・・・カリーナに放ったような力はこちらの意識が弱まっているせいか使えなくなっているようなのです。
「・・・フィオナ無理しないで、意識保ってるだけでもやっとなんじゃないっ?」
「それはそうなのですが・・・やはり、簡単にはいかないのです・・・面倒なことにな・・・」
ガシャァッ バチィンッ 「シールド展開っ!」
全方位バリアーが機能せず水流弾が右肩装甲を吹き飛ばし、直撃しそうになった2発目をレーザーシールドで防ぐ。
「・・・そんな状態でよく耐えれるね・・・感心するよ」
「これ以上壊されると修繕が・・・撤退するのですー」
戦線離脱をしようとする際、距離を近づけていたミリーがディオールの杖先に大きな魔導陣を展開していた。
前方に構えられている杖の触媒結晶が強く輝き、周囲を風が高速で円を描いており・・・足下の海が徐々に割れていく。
ユラと私が離れた瞬間、大型ルスカまでの海が裂け半分宙に浮く状態となり動きが止まる。
「風よ押しつぶしなさい、破砕せよ・・・削り穿て!グラインド・ディストラクション!!」
ミリーの前方で渦巻いている圧縮された空気が、裂けた海を蒸発させながら大型ルスカへと竜巻のように襲いかかる。
ジュゴォォォォァァァァッ
水の壁が瞬時に蒸発し大型ルスカを捉え触手が細切れになっていき、鮫頭の顎から胴体を粉砕・・・核であるベンタルミナがけたたましい音を立てながら削れバラバラに砕け散った。
歴史的大物の討伐は無事(?)成功を収め、帝国と王国騎士団は勝利の余韻に浸ることもなく・・・慌ただしく動き回っていた。
しかしそんな中、第3町の浜辺では私達と冒険者達での宴会を開始する。
ティシーさんが魚人型と鰐人型の肉を回収していたらしく、材料は新鮮な魔物肉のバーベキューであった。
兄のアストも誘いたかったが王国への報告もあるだろうから忙しいみたいなのです、兄妹水入らずはまた今度と。
「しかし君達は、あんな化け物相手によくやったな」
「私が気絶してる間にそんな事が・・・ジオの鎧が無惨な姿に」
「・・・戻ってからずっとしくしくと、お肉齧りながら撫でてるからね・・・」
「ユラちゃんとミリーちゃんも凄かったね!今なら十分手伝えたんだけど、既に遅かった・・・」
姉様のメーインティヴであればカリーナも斬れたであろう、それともやはり認識していない状態では触れられない可能性もあるが余談に過ぎない。
それはそれとしてジオはMKーⅡとして全面改修が必要だろう、リアに念話で色々手配をしようと意識を集中し話しかける。
(リア聞こえるです?こっちは終わったのですよ)
(うむ、妾も待ってるだけなのも退屈じゃから観ておったぞ。アイリの投射器?を通してな)
どうやら筒抜けのようだ、助け舟を出してくれてもと思ったが終わってから言っても仕方がないので要件を伝える。
(お主は鉄板が好きじゃの・・・ジオを回収するとして、鉄板をどうするのじゃ?)
(帰り大森林を通るのも面倒なので、そりを作り直すのです・・・今度は落とされないのです)
後その映像投射器は元はミリーが持ってきたやつなのです・・・姉様が頻繁に持ち出してるだけで、とは今気にする事でもない。
(ふむ、ちなみにお主・・・前世の記憶はあるか?)
(何を藪から棒に・・・あるですよ、思い出すとオーディオ機器が恋しくなるのです)
お気に入りの1つ、六角形が印象的なヘッドホンでメタルを聴きたくなる衝動が度々起こるが・・・名前が出てこない。
お気に入りをど忘れするとは、流石に連戦で疲れてしまったのだろうか。
(原初の領域存在である妾を、便利道具のように使うのは後に先にもお主くらいじゃな)
(気に障るです・・・?)(構わぬのじゃ)
「しかしミリー君のあれは国級に匹敵する魔導術だったが、1人の魔力で短時間に出せる術式ではないな」
「ディオールの杖は思いの外、魔力伝導率が早く触媒結晶の蓄積量も多いから可能でしたの」
「・・・その分魔力消費も大きいようだけど、まだ余裕そうだね」
上級ですら無詠唱で使えるミリーが詠唱まで挟んだのだからあれは国級なのだろう、常人の域を軽く越えている故認識し辛いようなのです。
「それはそうと・・・フィオナもそれだけの魔力を今までよく隠してましたわね」
「・・・ギリギリまで使わないなんて、フィオナも意地が悪いね」
使えたら苦労はしないのです、と自分の魔力を視てみると・・・青紫の魔力のオーラが全身から溢れていたのであった。
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