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糸口は委員長
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タイムループを抜け出す。言ったは良いが、具体的にどうしたら良いかがてんで検討がつかない。そもそも何故タイムループが起きたのか。そんなことすら分かっていないのだ。
10分というヤケに切りの良いスパンと休み時間という時間帯からみて、どうもタイムループは自然発生したものとは思えない。人為的に起こされたのではないかとは思うが、所詮予想である。
問題を解決するには原因の解明が不可欠だ。故に、
「原因が分からんと手の打ちようがない……。」
手詰まり。ここは逃げ腰になって時間に解決を委ねたいところだが、残念なことにこのループ世界においてはその時間さんが捻じ曲げられているため、時間の経過による変化は起こりえない。つまり僕が何かするしかない。……こりゃあ後何度ループすることになるんだろうか。
果たして弁当パワーは最後まで保つだろうか。と憂鬱になる勘定をしていたところ、突然視界に違和感が生じた。
なんだ? 僕が何か目立ったアクションを起こさない限り、この教室で起こる現象は全て見飽きたものであるはずなのだが……。
疑問に思った僕は目を凝らして周りを見渡した。そして見慣れた光景の中、違和感の正体を見つけた。
「そういえば昨日の弁当何故か日の丸弁当だったんだよねー。今日は流石に大丈夫だと思うんだけど。」
「あー。あれは笑った。まぁ恵美のお母さんも忙しかったんじゃない?一回おかずと白米間違えたのか、弁当箱二段とも白米な時もなかった?」
「うん。代わりにお父さんの弁当がおかずだけだったみたいだけど。」
「恵美のお母さんってマジ天然だよねー!めっちゃおもろすぎる。今日も期待してますよ?」
「変なこと言わないでよ瑠璃子。不安になるんだから。こんなことなら家を出る前に弁当の中身確認しとくんだったかなぁ。」
女子2人組がトークをしながら教室を出て行く。そんな何気ない光景が、僕の目にはこの上なく異常に写った。瞳孔が開き、身体中に血が巡る。自分が興奮しているのがわかった。それも当然である。なぜなら僕はそんな光景を一度も見たことがなかったのだから。
僕はこの10分間で行われるクラスメイト達全員の行動、会話を事細かに覚えていた。
本来であればあの二人組、友人の面白おかしい弁当を期待していた藤崎瑠璃子がトイレに立つのだ。そこまではいい、今までと同じだ。しかし、天然お母さんのことをからかわれていた橘恵美は教室に残り、藤崎瑠璃子は終始無言で一人でトイレに行くはずだったのだ。
今しがた彼女達が交わした弁当についての会話は、藤崎瑠璃子がトイレから戻ってきた後に交わされる会話だった。しかし目の前では橘恵美が共に教室を出ていくことによって、本来もう少し後の時間にされるべき会話が前倒しになっていた。
橘恵美。彼女の行動に差異が生じたせいだ。それはこの同じ時が繰り返されるタイムループという時間の監獄の中で、初めて僕が関わらずに起きた大事件であった。
「橘恵美……。」
彼女は僕に右ストレートをぶちかましてくれた人、委員長だった。
とりあえず彼女にはこう言いたい。「心配しなくても君の天然お母さんのお弁当は、今日に関しては快心の出来だ」と。
なにせ一、二を争うレベルで美味かったからな。しかし彼女が無事昼休みを迎え弁当の蓋を開きそのことを知るには、僕がループを終わらせる必要があるのだった。
まぁきっと大丈夫だろう。ウンウン頭を悩ませるだけだったさっきまでと違い、糸口は見つけられたのだ。ならばあとはその糸を手繰るだけである。
10分というヤケに切りの良いスパンと休み時間という時間帯からみて、どうもタイムループは自然発生したものとは思えない。人為的に起こされたのではないかとは思うが、所詮予想である。
問題を解決するには原因の解明が不可欠だ。故に、
「原因が分からんと手の打ちようがない……。」
手詰まり。ここは逃げ腰になって時間に解決を委ねたいところだが、残念なことにこのループ世界においてはその時間さんが捻じ曲げられているため、時間の経過による変化は起こりえない。つまり僕が何かするしかない。……こりゃあ後何度ループすることになるんだろうか。
果たして弁当パワーは最後まで保つだろうか。と憂鬱になる勘定をしていたところ、突然視界に違和感が生じた。
なんだ? 僕が何か目立ったアクションを起こさない限り、この教室で起こる現象は全て見飽きたものであるはずなのだが……。
疑問に思った僕は目を凝らして周りを見渡した。そして見慣れた光景の中、違和感の正体を見つけた。
「そういえば昨日の弁当何故か日の丸弁当だったんだよねー。今日は流石に大丈夫だと思うんだけど。」
「あー。あれは笑った。まぁ恵美のお母さんも忙しかったんじゃない?一回おかずと白米間違えたのか、弁当箱二段とも白米な時もなかった?」
「うん。代わりにお父さんの弁当がおかずだけだったみたいだけど。」
「恵美のお母さんってマジ天然だよねー!めっちゃおもろすぎる。今日も期待してますよ?」
「変なこと言わないでよ瑠璃子。不安になるんだから。こんなことなら家を出る前に弁当の中身確認しとくんだったかなぁ。」
女子2人組がトークをしながら教室を出て行く。そんな何気ない光景が、僕の目にはこの上なく異常に写った。瞳孔が開き、身体中に血が巡る。自分が興奮しているのがわかった。それも当然である。なぜなら僕はそんな光景を一度も見たことがなかったのだから。
僕はこの10分間で行われるクラスメイト達全員の行動、会話を事細かに覚えていた。
本来であればあの二人組、友人の面白おかしい弁当を期待していた藤崎瑠璃子がトイレに立つのだ。そこまではいい、今までと同じだ。しかし、天然お母さんのことをからかわれていた橘恵美は教室に残り、藤崎瑠璃子は終始無言で一人でトイレに行くはずだったのだ。
今しがた彼女達が交わした弁当についての会話は、藤崎瑠璃子がトイレから戻ってきた後に交わされる会話だった。しかし目の前では橘恵美が共に教室を出ていくことによって、本来もう少し後の時間にされるべき会話が前倒しになっていた。
橘恵美。彼女の行動に差異が生じたせいだ。それはこの同じ時が繰り返されるタイムループという時間の監獄の中で、初めて僕が関わらずに起きた大事件であった。
「橘恵美……。」
彼女は僕に右ストレートをぶちかましてくれた人、委員長だった。
とりあえず彼女にはこう言いたい。「心配しなくても君の天然お母さんのお弁当は、今日に関しては快心の出来だ」と。
なにせ一、二を争うレベルで美味かったからな。しかし彼女が無事昼休みを迎え弁当の蓋を開きそのことを知るには、僕がループを終わらせる必要があるのだった。
まぁきっと大丈夫だろう。ウンウン頭を悩ませるだけだったさっきまでと違い、糸口は見つけられたのだ。ならばあとはその糸を手繰るだけである。
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