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番外編1 幼き日の誓い
幼き日の誓い1
しおりを挟む※番外編 アーサーとガーネットの出会い編です。
幼い頃の二人が登場します。
春咲き年。7年に及んだ西の大国アルべインとの戦いに勝利し、人々が春の訪れのような喜びと活気を取り戻したこの年の別名である。
騎士と魔法使いのみが強みのトリスタン王国が、資源大国アルべインに勝てた理由はオーランドの活躍が大きい。
庶民の出身ながら多くの戦いに勝利し王の信頼を得た彼は一年前、大勢の貴族の反対を押し切った王の英断により史上初めての平民出身の将軍になった。
昇任間も無くは貴族出身の兵の士気を大いに下げたという。しかし、オーランドの率いる軍に所属された兵達は皆彼の非凡な才能に惹かれ、貴族も平民も皆が彼に忠誠を誓った。
堅い結束、オーランドのカリスマ性、そして彼の副官ジョンの優れた戦略によりトリスタン軍は勝利を重ね、遂にアルべインは敗北を宣言。これにより長きにわたった戦いに終止符が打たれる事になった。
オーランドの凱旋パレードには英雄の姿を一目見ようと王都の人口を遥かに超える人々が国中から押し寄せた。
これは、その華やかな凱旋パレードの裏側で起きたとある事件の話である。
『トリスタン王国万歳!! 英雄オーランド万歳!!』
そんな群衆の喜びの声と共に紙吹雪と花が舞う。馬に跨って先頭をゆっくりと進んでいるオーランドは国民の声に笑って手を振る。
その少し後ろを副官のジョンが、そして更にその後ろにオーランド直属部隊のメンバーが続いている。
オーランドはふと後ろを振り返り、ジョンの後ろを進んでいる部下の一人ガウィンを見つけて笑う。
「なんだぁ? ガウィン、ガチガチに固まっちまってよぉ! こういう時は胸をはって笑顔だ、笑顔!!」
「し、しかし、将軍……こんな大勢の前を歩くのなんて初めてで、き、緊張してしまって……っ」
「ハハハッ!! 戦場では新兵とは思えねー気迫でバンバン斬ってた癖に、みょーな所でデリケートな奴だなぁ」
「皆があなたのような図太い神経をしているわけではないのですよ、オーランド」
オーランドがガウィンをからかうのを見てジョンがフォローをする。部下の無礼な発言にもオーランドは機嫌を損なった様子は無く『違いねぇや』と笑った。
そんな笑顔で手を振っていたオーランドが一度だけ涙ぐむ時があった。群衆の中に涙を浮かべながら微笑む女性を見つけた時だ。
「リリー!!」
オーランドは彼女に大きく手を振る。
「帰ったぞ―――! リリー! 好きだ――――!!」
「ぶはっ!」
「しょ、将軍! こんな大勢の前でっ……!」
「あーいーしーてーるぅーぞーぉーーー!!」
「駄目です、ガウィン。今この男に何を言っても無駄です」
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