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1304.【ハル視点】行方不明の
「参加者も物資も準備が出来ているのか。さすがだな」
満足そうにひとつ頷いた父さんは、今度はリヤンに視線を向けた。
「冒険者ギルドとして日程の要望があるなら聞くが…何か言いたい事はあるか?」
ごまかさずにはっきりと言って欲しいと続けた父さんに、リヤンは迷う事なく答えた。
「冒険者パーティーへの声がけは、今日にでも済むと思う。ただ…もし可能なら、冒険者ギルドとしては出来るだけ出発が早い方が良いな」
「ああ、行方不明の冒険者パーティーがいると言っていた件か…」
「そうなんだ。できるだけ早く探索に行きたいからな」
真剣な表情でこくりと頷いたリヤンに、ルピカさんとコーデリアさんは大きく目を見開いて固まっていた。
何故この二人がこんなに驚いているんだ?不思議な反応に思わず首を傾げてしまったが、言葉にして尋ねるよりも前に、コーデリアさんが我に返った。
「えっ…ちょっと待ってよ、ギルマス!私…行方不明の冒険者パーティーがいるとかいま初めて聞いたんだけど?」
コーデリアさんは、釣りあがった目でリヤンを睨みつけながらそう尋ねた。見た目がこどもに見えてしまうせいで迫力はあまり無いが、威圧感はあるな。
「ねぇ、ルピカさんは知ってた?」
視線はルピカに固定したままでの質問に、ルピカさんは苦笑を洩らす。
「いいや、俺も初耳だよ」
「あー…そういえば…お前たちにはまだ言って無かった…な」
「リヤンは冒険者ギルドのギルマスなんだから、最初に冒険者にそういう報告をするべきなんじゃないの?領主様一家のみなさんが驚いてないって事は、そっちには事前に報告してたんでしょう?」
「…そうだな。すまなかった」
正論だと頷いたリヤンが素直に頭を下げた所で、コーデリアさんはハッと周りに視線を向けた。領主様の前でギルマスを怒鳴りつけてしまったとか考えているんだろうな。
あの父さんの微妙に寂しそうな表情は、別にリヤンを怒鳴りつけたからでは無い。もしここに母さんがいたら、コーデリアさんと仲良くなれそうなのにとか考えてるんだと思うぞ。まあ、領主の威厳も何も無いから、こちら側からそれを教える事は無いんだが。
「し、失礼しました…」
「いや、別に気にしなくて良い。たとえ上司が相手でも、諫めるべき事はきちんと進言するのは良い事だ。なあ、ボルト」
「はい、良い関係を築かれているのだなと思うぐらいで、不敬だなんだとは言いませんよ」
急に話を振られたのに、きっちりそう答えるボルトはやっぱりすごいと思う。コーデリアさんもホッとした様子で、ふうと息を吐き出していた。
「それで?いったい誰のパーティーが戻ってきていないんだ?」
「アコットのパーティーだ」
「え…アコットのパーティーが…?あの人たちってもっと深層にいるんじゃないの?」
コーデリアさんは不思議そうにそう尋ねた。
「最近は欲しい素材があるとかで100階層付近を探索中だと申請が出ているんだ。だが、一週間ほどから連絡も無く戻ってきていないらしい」
「そうなんだ…無事だと良いけど」
顔見知りなのか心配そうに呟いたコーデリアさんに、リヤンもそうだなと重々しく頷いた。
「盗賊に捕まっている可能性があるかもと考えているんだが…」
「その可能性は高いかもしれないな」
リヤンと父さんが早い方が良いかもしれないと言い合う中、不意にルピカさんが恐る恐る手をあげた。
「あー…この空気の中で言うのは嫌なんだが…アコットたちなら、数日前に街の裏の黒酒の美味い酒場で会った」
「は?」
「酒場で?」
「ああ、無事に欲しかった素材が手に入ったから、俺達も休暇中だと言いながら飲んでたな」
「…申請も出さずに帰ってきてるってのは…たしかに予想外だったな。予想外すぎて調べてすらいなかった…」
無表情なリヤンの極低音の呟きに、コーデリアさんとルピカさんはすっと気配を消した。危機管理がきっちり出来ていてすごいな。まあリヤンはここで暴れ出したりはしないだろうが。
みんながじっと見つめる中、父さんは率直に尋ねた。
「リヤン、冒険者ギルドが参加する理由は無くなったんじゃないか?もう一度だけ確認するが…本隊に参加するのか?」
今なら参加しないと言っても問題は無いぞと苦笑する父さんに、リヤンはいやと首を振った。
「アコットたちは後できっちり叱るとして…ダンジョン内でポズナーラを罠に使う馬鹿共をぶちのめすっていう、大事な理由があるからな」
「分かった。では明日は各自用意のために使うとして、明後日に出発で良いだろうか?」
ぐるりと周りを見回した父さんの視線を、全員が黙って見返した。こういう場合は沈黙が同意になるからな。
「では明後日、時刻は明日中に連絡するからよろしく頼む」
満足そうにひとつ頷いた父さんは、今度はリヤンに視線を向けた。
「冒険者ギルドとして日程の要望があるなら聞くが…何か言いたい事はあるか?」
ごまかさずにはっきりと言って欲しいと続けた父さんに、リヤンは迷う事なく答えた。
「冒険者パーティーへの声がけは、今日にでも済むと思う。ただ…もし可能なら、冒険者ギルドとしては出来るだけ出発が早い方が良いな」
「ああ、行方不明の冒険者パーティーがいると言っていた件か…」
「そうなんだ。できるだけ早く探索に行きたいからな」
真剣な表情でこくりと頷いたリヤンに、ルピカさんとコーデリアさんは大きく目を見開いて固まっていた。
何故この二人がこんなに驚いているんだ?不思議な反応に思わず首を傾げてしまったが、言葉にして尋ねるよりも前に、コーデリアさんが我に返った。
「えっ…ちょっと待ってよ、ギルマス!私…行方不明の冒険者パーティーがいるとかいま初めて聞いたんだけど?」
コーデリアさんは、釣りあがった目でリヤンを睨みつけながらそう尋ねた。見た目がこどもに見えてしまうせいで迫力はあまり無いが、威圧感はあるな。
「ねぇ、ルピカさんは知ってた?」
視線はルピカに固定したままでの質問に、ルピカさんは苦笑を洩らす。
「いいや、俺も初耳だよ」
「あー…そういえば…お前たちにはまだ言って無かった…な」
「リヤンは冒険者ギルドのギルマスなんだから、最初に冒険者にそういう報告をするべきなんじゃないの?領主様一家のみなさんが驚いてないって事は、そっちには事前に報告してたんでしょう?」
「…そうだな。すまなかった」
正論だと頷いたリヤンが素直に頭を下げた所で、コーデリアさんはハッと周りに視線を向けた。領主様の前でギルマスを怒鳴りつけてしまったとか考えているんだろうな。
あの父さんの微妙に寂しそうな表情は、別にリヤンを怒鳴りつけたからでは無い。もしここに母さんがいたら、コーデリアさんと仲良くなれそうなのにとか考えてるんだと思うぞ。まあ、領主の威厳も何も無いから、こちら側からそれを教える事は無いんだが。
「し、失礼しました…」
「いや、別に気にしなくて良い。たとえ上司が相手でも、諫めるべき事はきちんと進言するのは良い事だ。なあ、ボルト」
「はい、良い関係を築かれているのだなと思うぐらいで、不敬だなんだとは言いませんよ」
急に話を振られたのに、きっちりそう答えるボルトはやっぱりすごいと思う。コーデリアさんもホッとした様子で、ふうと息を吐き出していた。
「それで?いったい誰のパーティーが戻ってきていないんだ?」
「アコットのパーティーだ」
「え…アコットのパーティーが…?あの人たちってもっと深層にいるんじゃないの?」
コーデリアさんは不思議そうにそう尋ねた。
「最近は欲しい素材があるとかで100階層付近を探索中だと申請が出ているんだ。だが、一週間ほどから連絡も無く戻ってきていないらしい」
「そうなんだ…無事だと良いけど」
顔見知りなのか心配そうに呟いたコーデリアさんに、リヤンもそうだなと重々しく頷いた。
「盗賊に捕まっている可能性があるかもと考えているんだが…」
「その可能性は高いかもしれないな」
リヤンと父さんが早い方が良いかもしれないと言い合う中、不意にルピカさんが恐る恐る手をあげた。
「あー…この空気の中で言うのは嫌なんだが…アコットたちなら、数日前に街の裏の黒酒の美味い酒場で会った」
「は?」
「酒場で?」
「ああ、無事に欲しかった素材が手に入ったから、俺達も休暇中だと言いながら飲んでたな」
「…申請も出さずに帰ってきてるってのは…たしかに予想外だったな。予想外すぎて調べてすらいなかった…」
無表情なリヤンの極低音の呟きに、コーデリアさんとルピカさんはすっと気配を消した。危機管理がきっちり出来ていてすごいな。まあリヤンはここで暴れ出したりはしないだろうが。
みんながじっと見つめる中、父さんは率直に尋ねた。
「リヤン、冒険者ギルドが参加する理由は無くなったんじゃないか?もう一度だけ確認するが…本隊に参加するのか?」
今なら参加しないと言っても問題は無いぞと苦笑する父さんに、リヤンはいやと首を振った。
「アコットたちは後できっちり叱るとして…ダンジョン内でポズナーラを罠に使う馬鹿共をぶちのめすっていう、大事な理由があるからな」
「分かった。では明日は各自用意のために使うとして、明後日に出発で良いだろうか?」
ぐるりと周りを見回した父さんの視線を、全員が黙って見返した。こういう場合は沈黙が同意になるからな。
「では明後日、時刻は明日中に連絡するからよろしく頼む」
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