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妹に会いたい
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朝食は部屋で一人で食べた。
隣にアリアが立っていたのですごく食べにくかったけど。
味は普通に美味しくて安心した。
トイレといい、食事といい、今のところ向こうの世界と変わったところはない。
ゲームの中の世界って言ってもこんなものなんだろうか。
まあ私にとっては都合がいいんだけど。
「アリア、私、カミラに会いに行きたいんだけど」
食器を片付けているアリアに、椅子に座ったままそう言うと、アリアは目に見えて困った表情を浮かべた。
「カミラ様に、ですか……?」
あれ、言ったらいけないことだったのかな。
だけど自分の婚約者を奪う予定の妹がどんな子なのか今のうちに知っておきたい。
そしてできればそれを回避したい!
「ダメなの?」
わざとらしく首をこてんと傾げてみるが、アリアは首を縦には振らなかった。
「そうですね、奥様に確認しないことにはなんとも……」
「じゃあ確認しに行こう」
椅子から下りてドアの方へ向かおうとすると、アリアに腕を掴まれた。
あれ、行っちゃダメなのかな。
「昨日池へ落ちたことをお忘れですか? まずはお医者様に診ていただきましょう」
おっと、そうだった。
再び椅子に座るように促され、座る。
するとアリアはメイド服についていたベルを鳴らした。さっき私が鳴らしたものよりも少し小さめで、音も高い。
食器が片付けられ、何も置かれていない白い机を触ってみる。
どうも素材は石のようなもので、とても冷たい。
「私なんで池に落ちたの?」
「それは私が聞きたいです」
あれ、アリアも知らないんだ。本物のエレナは何していたのよ。
それにしても池に落ちた私と、同じく池に落ちたエレナ。
名前もしかり、池への落下もしかり、どうも偶然だとは思えない。
「ところで、エレナ様が池に落ちていた時も持っていた本なのですが、水に濡れておりますし、読めないのでもう処分してしまってもよろしいでしょうか?」
「あ、うん、多分大丈夫」
一緒に池に落ちたらそりゃあ読める状態じゃないよね。
どんな本だったのかは気になるけど、読めないものがあったって仕方がない。
少しすると、お医者さんがやってきた。
いかにもといった出で立ちで、私のおでこを触ったり、目を覗き込まれたりする。
「痛いところはございませんか?」
「はい、大丈夫です」
「熱も下がられたようですね。もう大丈夫でしょう。今後は池に落ちることのないよう、お気を付けください」
お医者さんはそれだけ言うと部屋を出て行った。
よし、これでカミラのところに……行くには確認が必要だったんだった。
えっと、アリアの言う「奥様」って、誰なんだろう。
この家の奥様だから、もしかして私のお母さん?
でもなんで妹に会うのにお母さんの許可がいるんだろう。
そう言うとアリアは怪訝そうな表情で説明してくれた。
「奥様はカミラ様のお母様で、エレナ様のお母様よりは結婚前の身分が低かったのです。さらにカミラ様は生まれつき病弱だということも加わり、心配されているのです」
私のお母さんとカミラのお母さんは違うの? 意外な事実に驚いたけど、母親の身分とカミラの病弱さが何か関係あるのだろうか。
「つまり、カミラ様がエレナ様方に迷惑をかけないように、ということです」
「ごめんなさい、よく分からないや」
よく分からないけど、アリアが言葉を選んで喋っているのは分かる。
前のエレナは分かっていたのか知らないけど、私ははっきり言ってくれないと分からない。
「アリア、はっきりと言ってくれない?」
そう言うと、アリアは少し考える素振りを見せたが、すぐに口を開いた。
「では、分かりやすく言いますと、エレナ様やお兄様方がカミラ様をいじめることを危惧しておられます」
ん? お兄様方? 私のだよね? お兄ちゃんがいるの? それも複数形?
思わぬところが気になり、首を傾げていると、アリアが「まだ理解できませんか」というような目で私を見ていた。
「なるほど」
お兄ちゃんはとりあえずいいか。
「私お兄ちゃんがいるの?」ってそんな明らかに不自然なことは聞けない。
それにしてもいじめるって、もしかしてエレナって性格悪かったのかな。それともお義母さんが気にしすぎ?
「エレナ様は絶対にそんなことなさいませんのにね」
アリアが思わずと言ったようにぼそっと言った。
おお、よかった、私別に性格悪くなかったみたい。
それにしても母親の身分での兄弟間の差って実際にあるんだね。
お義母さんか……私はなんて読んだらいいんだろう。
やっぱり令嬢なんだし、お義母様? 実の母親にすらそんな呼び方なんてしたことがない。
ここはアリアのリアクションを見てみるか。
「それで、お義母様の許可はもらえるのかな?」
「正直分かりません」
おお、どうやら正解だったようだ。
「そっか、じゃあ聞きに行ってみよう」
私の言葉にアリアは深くため息をつき、頷いた。
隣にアリアが立っていたのですごく食べにくかったけど。
味は普通に美味しくて安心した。
トイレといい、食事といい、今のところ向こうの世界と変わったところはない。
ゲームの中の世界って言ってもこんなものなんだろうか。
まあ私にとっては都合がいいんだけど。
「アリア、私、カミラに会いに行きたいんだけど」
食器を片付けているアリアに、椅子に座ったままそう言うと、アリアは目に見えて困った表情を浮かべた。
「カミラ様に、ですか……?」
あれ、言ったらいけないことだったのかな。
だけど自分の婚約者を奪う予定の妹がどんな子なのか今のうちに知っておきたい。
そしてできればそれを回避したい!
「ダメなの?」
わざとらしく首をこてんと傾げてみるが、アリアは首を縦には振らなかった。
「そうですね、奥様に確認しないことにはなんとも……」
「じゃあ確認しに行こう」
椅子から下りてドアの方へ向かおうとすると、アリアに腕を掴まれた。
あれ、行っちゃダメなのかな。
「昨日池へ落ちたことをお忘れですか? まずはお医者様に診ていただきましょう」
おっと、そうだった。
再び椅子に座るように促され、座る。
するとアリアはメイド服についていたベルを鳴らした。さっき私が鳴らしたものよりも少し小さめで、音も高い。
食器が片付けられ、何も置かれていない白い机を触ってみる。
どうも素材は石のようなもので、とても冷たい。
「私なんで池に落ちたの?」
「それは私が聞きたいです」
あれ、アリアも知らないんだ。本物のエレナは何していたのよ。
それにしても池に落ちた私と、同じく池に落ちたエレナ。
名前もしかり、池への落下もしかり、どうも偶然だとは思えない。
「ところで、エレナ様が池に落ちていた時も持っていた本なのですが、水に濡れておりますし、読めないのでもう処分してしまってもよろしいでしょうか?」
「あ、うん、多分大丈夫」
一緒に池に落ちたらそりゃあ読める状態じゃないよね。
どんな本だったのかは気になるけど、読めないものがあったって仕方がない。
少しすると、お医者さんがやってきた。
いかにもといった出で立ちで、私のおでこを触ったり、目を覗き込まれたりする。
「痛いところはございませんか?」
「はい、大丈夫です」
「熱も下がられたようですね。もう大丈夫でしょう。今後は池に落ちることのないよう、お気を付けください」
お医者さんはそれだけ言うと部屋を出て行った。
よし、これでカミラのところに……行くには確認が必要だったんだった。
えっと、アリアの言う「奥様」って、誰なんだろう。
この家の奥様だから、もしかして私のお母さん?
でもなんで妹に会うのにお母さんの許可がいるんだろう。
そう言うとアリアは怪訝そうな表情で説明してくれた。
「奥様はカミラ様のお母様で、エレナ様のお母様よりは結婚前の身分が低かったのです。さらにカミラ様は生まれつき病弱だということも加わり、心配されているのです」
私のお母さんとカミラのお母さんは違うの? 意外な事実に驚いたけど、母親の身分とカミラの病弱さが何か関係あるのだろうか。
「つまり、カミラ様がエレナ様方に迷惑をかけないように、ということです」
「ごめんなさい、よく分からないや」
よく分からないけど、アリアが言葉を選んで喋っているのは分かる。
前のエレナは分かっていたのか知らないけど、私ははっきり言ってくれないと分からない。
「アリア、はっきりと言ってくれない?」
そう言うと、アリアは少し考える素振りを見せたが、すぐに口を開いた。
「では、分かりやすく言いますと、エレナ様やお兄様方がカミラ様をいじめることを危惧しておられます」
ん? お兄様方? 私のだよね? お兄ちゃんがいるの? それも複数形?
思わぬところが気になり、首を傾げていると、アリアが「まだ理解できませんか」というような目で私を見ていた。
「なるほど」
お兄ちゃんはとりあえずいいか。
「私お兄ちゃんがいるの?」ってそんな明らかに不自然なことは聞けない。
それにしてもいじめるって、もしかしてエレナって性格悪かったのかな。それともお義母さんが気にしすぎ?
「エレナ様は絶対にそんなことなさいませんのにね」
アリアが思わずと言ったようにぼそっと言った。
おお、よかった、私別に性格悪くなかったみたい。
それにしても母親の身分での兄弟間の差って実際にあるんだね。
お義母さんか……私はなんて読んだらいいんだろう。
やっぱり令嬢なんだし、お義母様? 実の母親にすらそんな呼び方なんてしたことがない。
ここはアリアのリアクションを見てみるか。
「それで、お義母様の許可はもらえるのかな?」
「正直分かりません」
おお、どうやら正解だったようだ。
「そっか、じゃあ聞きに行ってみよう」
私の言葉にアリアは深くため息をつき、頷いた。
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