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おばあ様とのお茶会
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「ところでおばあ様、小さい頃のお父様はどのような方でしたの?」
ある程度王都での話を終え、私はそう切り出した。別にお父様にそこまでの興味はないけど、ヘンドリックお兄様とクルトお兄様のあの性格の違いが気になる。それぞれ両親に似ているのかもしれないけど、そうなるとどっちがどっちなのか。
「ヘルムートは屋敷の中で大人しくしているタイプではなかったわね。気が付いたら一人で外に出ていたり、町まで行っていたり。ヘルムート付きの執事がよく探し回っていたもの」
へえ、なんか意外。あんな厳格そうなお父様なのに小さい頃は全然タイプが違うじゃん。でもいいことを聞いた。もし私が何か言われた時は「お父様もそうだったのでしょう」って言えるもん。
「勉強よりも剣が好きで、お茶をするよりも遠乗りに出かける方が好きな子だったわ」
遠乗りって言ったら……馬?
「だから意外なのよ。お城に勤めるなんて思っていなかったし、ましてやあの子が宰相にまでなるなんて」
ふふっと笑ったおばあ様。昔を思い出しているのだろう。目を細めて遠くを見ている。そこには私の知らないお父様がいた。
「エレナ、あなたは昔のヘルムートにとてもよく似ているわ。自然を愛し、人を愛し、自由を愛する。いつも笑顔で楽しそうな子。王都よりもこの場所で生きる方が似合う子」
おばあ様の目に私がそう見えるのならそうなのかもしれない。もともと愛玲奈の時も田舎に住んでいた私だ。都会よりも田舎の方が好きなのも本当だし。だけど、
「それならばお父様は随分変わられたのですね」
お父様の口からここへ帰ろうなんて一度も聞いたことがない。この場所の良さも語ってくれていない。いつも仕事ばかりで笑った顔すらあまり見ることがない。
おばあ様の語るお父様と、私の知っているお父様は別人じゃないかと思うくらいだ。カミラも隣で頷く。それを見ておばあ様は寂しそうに微笑んだ。
「そうね。あの子も大人になって……良くも悪くも、変わってしまったの」
何か事情がありそうだ。と思った時、おばあ様はぱっと明るい表情になって言った。
「ごめんなさいね、少し暗くなってしまったわ。他のお話をしましょう。あ、そうそうクルトも元気かしら?」
私はお父様の話を頭の片隅へと追いやって、クルトお兄様の顔を思い浮かべた。
毎日楽しそうに剣を振っていた。今は長期休暇に入ったことを喜んで家でバルトルト相手におけいこしているだろう。ヘンドリックお兄様は……いつも通り魔法省にこもっているんだろうな。
まあ元気といえば元気か。
「ええ、クルトお兄様もヘンドリックお兄様もお元気そうでしたわ」
聞かれたのはクルトお兄様のことだけだけど、ヘンドリックお兄様のことも答える。おばあ様にとっては二人とも孫だもんね。可愛い可愛くないはともかく。
「クルトお兄様は毎日わたくしに剣を教えてくださいますの。とってもお強くて、かっこいいのです」
ヘンドリックお兄様と違ってクルトお兄様はそれほど身長が高くない。だから普段は可愛らしく見えるが、剣を持つと本当にかっこいいのだ。
「ヘンドリックお兄様は魔法省へ就職されましたの。副長官のマルゴット様と一緒に新しい魔法陣を色々と考えていらっしゃるようですわ」
ヘンドリックお兄様が何をしているのかなんて詳しいことは全く分からない。ただいつも色々な魔法陣を書いているみたい。私の光魔法を魔法陣で再現しようと頑張っているようだ。私が魔法を魔法陣に変える道具で、作ることができたらいいんだけど、光魔法はまだ成功していないから。
気が付くとおばあ様は驚いた表情で私を見ていた。
うん? どうしたんだろう。
「エレナ、あなた、ヘンドリックと上手くやっているの……?」
意味がよく理解できなくて首を傾げると、おばあ様はもう一度口を開いた。
「前に来た時、ヘンドリックはあなたに対してあまりいい態度ではなかったようだから」
「ああ……以前の関係はあまりよくありませんでしたが、今は頼れるお兄様ですの」
滅多に会わないおばあ様までもが私とヘンドリックお兄様の関係がおかしいことを知っていた。それならどうしてお父様はエレナの為にどうにかしなかったのだろう。そう考えて、どうにもできなかったのかもしれないと、そう思った。
お兄様もあ母様から結構酷い目に遭ってたみたいだしね。原因は分からないけど。おそらくお父様も無関係ではないのかもしれない。まあ私は別にいいけど。今結構仲いいし。結果オーライだ。
私の言葉におばあ様は「そう」と微笑んだ。だがその表情はまだ先ほどまでの晴れ晴れしさはない。
「聞いてくださいませ、おばあ様。ヘンドリックお兄様ったら……」
私はお兄様とのことを話した。お兄様の卒業パーティーに連れていかれて婚約者のふりをされられたことや、私が三科を選択することになった経緯。お兄様と私の関係が良好であると示すために。
カミラやクリスも加わって、色々な話をしている内に、おばあ様も朗らかに笑うようになった。この優しい人に余計は心配はかけたくない。私は心の中でほっと息をついた。
ある程度王都での話を終え、私はそう切り出した。別にお父様にそこまでの興味はないけど、ヘンドリックお兄様とクルトお兄様のあの性格の違いが気になる。それぞれ両親に似ているのかもしれないけど、そうなるとどっちがどっちなのか。
「ヘルムートは屋敷の中で大人しくしているタイプではなかったわね。気が付いたら一人で外に出ていたり、町まで行っていたり。ヘルムート付きの執事がよく探し回っていたもの」
へえ、なんか意外。あんな厳格そうなお父様なのに小さい頃は全然タイプが違うじゃん。でもいいことを聞いた。もし私が何か言われた時は「お父様もそうだったのでしょう」って言えるもん。
「勉強よりも剣が好きで、お茶をするよりも遠乗りに出かける方が好きな子だったわ」
遠乗りって言ったら……馬?
「だから意外なのよ。お城に勤めるなんて思っていなかったし、ましてやあの子が宰相にまでなるなんて」
ふふっと笑ったおばあ様。昔を思い出しているのだろう。目を細めて遠くを見ている。そこには私の知らないお父様がいた。
「エレナ、あなたは昔のヘルムートにとてもよく似ているわ。自然を愛し、人を愛し、自由を愛する。いつも笑顔で楽しそうな子。王都よりもこの場所で生きる方が似合う子」
おばあ様の目に私がそう見えるのならそうなのかもしれない。もともと愛玲奈の時も田舎に住んでいた私だ。都会よりも田舎の方が好きなのも本当だし。だけど、
「それならばお父様は随分変わられたのですね」
お父様の口からここへ帰ろうなんて一度も聞いたことがない。この場所の良さも語ってくれていない。いつも仕事ばかりで笑った顔すらあまり見ることがない。
おばあ様の語るお父様と、私の知っているお父様は別人じゃないかと思うくらいだ。カミラも隣で頷く。それを見ておばあ様は寂しそうに微笑んだ。
「そうね。あの子も大人になって……良くも悪くも、変わってしまったの」
何か事情がありそうだ。と思った時、おばあ様はぱっと明るい表情になって言った。
「ごめんなさいね、少し暗くなってしまったわ。他のお話をしましょう。あ、そうそうクルトも元気かしら?」
私はお父様の話を頭の片隅へと追いやって、クルトお兄様の顔を思い浮かべた。
毎日楽しそうに剣を振っていた。今は長期休暇に入ったことを喜んで家でバルトルト相手におけいこしているだろう。ヘンドリックお兄様は……いつも通り魔法省にこもっているんだろうな。
まあ元気といえば元気か。
「ええ、クルトお兄様もヘンドリックお兄様もお元気そうでしたわ」
聞かれたのはクルトお兄様のことだけだけど、ヘンドリックお兄様のことも答える。おばあ様にとっては二人とも孫だもんね。可愛い可愛くないはともかく。
「クルトお兄様は毎日わたくしに剣を教えてくださいますの。とってもお強くて、かっこいいのです」
ヘンドリックお兄様と違ってクルトお兄様はそれほど身長が高くない。だから普段は可愛らしく見えるが、剣を持つと本当にかっこいいのだ。
「ヘンドリックお兄様は魔法省へ就職されましたの。副長官のマルゴット様と一緒に新しい魔法陣を色々と考えていらっしゃるようですわ」
ヘンドリックお兄様が何をしているのかなんて詳しいことは全く分からない。ただいつも色々な魔法陣を書いているみたい。私の光魔法を魔法陣で再現しようと頑張っているようだ。私が魔法を魔法陣に変える道具で、作ることができたらいいんだけど、光魔法はまだ成功していないから。
気が付くとおばあ様は驚いた表情で私を見ていた。
うん? どうしたんだろう。
「エレナ、あなた、ヘンドリックと上手くやっているの……?」
意味がよく理解できなくて首を傾げると、おばあ様はもう一度口を開いた。
「前に来た時、ヘンドリックはあなたに対してあまりいい態度ではなかったようだから」
「ああ……以前の関係はあまりよくありませんでしたが、今は頼れるお兄様ですの」
滅多に会わないおばあ様までもが私とヘンドリックお兄様の関係がおかしいことを知っていた。それならどうしてお父様はエレナの為にどうにかしなかったのだろう。そう考えて、どうにもできなかったのかもしれないと、そう思った。
お兄様もあ母様から結構酷い目に遭ってたみたいだしね。原因は分からないけど。おそらくお父様も無関係ではないのかもしれない。まあ私は別にいいけど。今結構仲いいし。結果オーライだ。
私の言葉におばあ様は「そう」と微笑んだ。だがその表情はまだ先ほどまでの晴れ晴れしさはない。
「聞いてくださいませ、おばあ様。ヘンドリックお兄様ったら……」
私はお兄様とのことを話した。お兄様の卒業パーティーに連れていかれて婚約者のふりをされられたことや、私が三科を選択することになった経緯。お兄様と私の関係が良好であると示すために。
カミラやクリスも加わって、色々な話をしている内に、おばあ様も朗らかに笑うようになった。この優しい人に余計は心配はかけたくない。私は心の中でほっと息をついた。
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