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あれから数週間。ラルフの件は結構私の思う通りに進んでいると思う。私自身からラルフに話しかけることはないし、向こうから話しかけてくることもないけど、ラルフの私を見る目が怒りに燃えているのは分かる。
一時的にとはいえかなり噂になっていたので、ラルフにとってはとても屈辱的なことだったのだろう。まあ私のことを悪く言う声も少し聞こえてきたけど。
まあとりあえずラルフがカミラに近寄りづらくなったようなので目的は達成。ついでに婚約破棄もしやすくなったというところだ。家にも噂は届いているかもしれないし。その辺りは私は知らないけど。
しかしもう一方は全然上手くいっていない。つまりはカイとリリーのことだ。
もう秋も終わりかけの今、五年生になるまではあと数か月しかない。五年生になれば学校生活もあと一年しかない。ゲームでは卒業の時点で婚約してハッピーエンドだったのだ。あと一年と数か月。時間はまだあるようだけど実は全くない。
……確か五年生の長期休暇くらいでカイとリリーの婚約の約束をして、それから陛下や他の貴族たちの合意がないと無理だったんだよね。結局光属性を使えるリリーは皇后に相応しいって言われて、ぎりぎり卒業前に婚約。
つまりあと一年も経たずに二人が婚約を決めるくらいの仲にならないといけない。
……え、無理じゃない?
二人が喋っているところなんて滅多に見ないよ。そりゃ用事があったら喋っているみたいだけど、その用事もほとんどないだろうし。ゲームでは今の季節には既にカイルートに入って色々なイベントを通して好感度を上げている頃だ。
それなのにそんな素振りが全くないのはどういうことだろうか。カイルートに入らなかった? でもリリーが他の攻略対象と特別仲良くしている姿も見ていないし。
いや、私は別にどうしてもリリーとカイをくっつけたいわけではない。ただ、リリーがカイとくっつかなかった場合、同じ光属性の使い手の私にその話が回ってこないかが不安なだけだ。
いくら本人と陛下相手に断ったと言ってもこれは国の将来にかかわる話。他の貴族がもし私を推すなら私だって断ることはできない。前回は陛下もカイも命令ではなく、個人的な話として言ってくれたから断れたけど……まあそれもだいぶ失礼な話ではあるけど。
しかも今私が心配なのがこの学校内で私とカイが婚約すればいいという声が結構出てきていることだ。子供の言うことなので大した影響力はないけど、それでもこの学校にいるのは将来国を支える子供たちだ。全く問題がないかと言われると分からない。
先のことを考えるとカイとリリーにくっついてもらうのが私にとっては都合がいい。まあリリーがいるから私は用無しだって言われても困るけど。
……どっちに転んでも私の身の安全は保障されてないんだよね。最悪の場合を考えてすぐに逃げれるように準備だけはしておこう。
「ねえ、クリス」
椅子から立ち上がってベッドで本を読んでいるクリスに声をかけると、クリスはすぐに本から顔を上げずに「何ー?」と返事をした。別に珍しいことではないし、クリスがちゃんと話を聞いてくれるのは分かっているのでそのまま続ける。
「殿下とリリーの仲は最近どうなのかしら?」
私よりも周りを見ていて、色々知っているクリスだ。もしかしたら私が知らないだけで二人は仲が良いのかもしれない。
そう思って聞いてみたが……
「ああ、まだその話あったんだ」
クリスは本をパタンと閉じてそんなことを言った。
「エレナ何も言わないからその件はもういいのかと思ってたよ」
「よ、よくないわ! ちょっと忙しくて気にする暇がなかっただけで」
確かにカイとリリーを婚約させたいから協力してくれ、とクリスに頼んでかなりの時間が経っている。最初の頃はカイとリリーを少しでも近づけさせるために細々と色々計画していたけど、最近は全くだ。クリスにそう思われても仕方がない。
「あの二人にはぜひ婚約してもらわないとわたくしが困るのよ」
「ああ、まあそうだろうね」
クリスも状況を分かっているので、私の気持ちは理解しているだろう。ただ私がカイと婚約してもクリスは一向に困らないだけで。
「で? どうなの? あの二人は実際仲が良いのかしら?」
「うん、仲が良いかと聞かれたら、良いと思うよ。エレナが寝ていた間とかは私もちょっと頑張ってくっつけようとしていたし」
ふむふむ、さすがクリス。私の知らないところで頑張ってくれていたようだ。
「でもエレナが戻って来てからはリリーはエレナにべったりだし、カイも何かあったらエレナを頼ってるから、あまり話しているところは見ないね」
……はい、邪魔者は私でしたか。私がリリーと仲が良いのは特に問題はないと思う。だってゲーム内でも二人は友達だったし。多分ダメだったのはカイの私への好感度が上がりすぎたことだ。だってまさかカイが私のことを好きになるなんて思ってもいなかったし。
「クリス、今週末か来週末で、皆を誘ってピクニックに行くわよ」
そこでカイとリリーを二人きりにして距離を近づけてやる。ぐっと拳を握ると、クリスは心底面倒そうな顔をしていた。
ピクニック自体は多分好きだろうから、二人をくっつけるのが面倒なんだろうな。でも手伝ってもらうから!
一時的にとはいえかなり噂になっていたので、ラルフにとってはとても屈辱的なことだったのだろう。まあ私のことを悪く言う声も少し聞こえてきたけど。
まあとりあえずラルフがカミラに近寄りづらくなったようなので目的は達成。ついでに婚約破棄もしやすくなったというところだ。家にも噂は届いているかもしれないし。その辺りは私は知らないけど。
しかしもう一方は全然上手くいっていない。つまりはカイとリリーのことだ。
もう秋も終わりかけの今、五年生になるまではあと数か月しかない。五年生になれば学校生活もあと一年しかない。ゲームでは卒業の時点で婚約してハッピーエンドだったのだ。あと一年と数か月。時間はまだあるようだけど実は全くない。
……確か五年生の長期休暇くらいでカイとリリーの婚約の約束をして、それから陛下や他の貴族たちの合意がないと無理だったんだよね。結局光属性を使えるリリーは皇后に相応しいって言われて、ぎりぎり卒業前に婚約。
つまりあと一年も経たずに二人が婚約を決めるくらいの仲にならないといけない。
……え、無理じゃない?
二人が喋っているところなんて滅多に見ないよ。そりゃ用事があったら喋っているみたいだけど、その用事もほとんどないだろうし。ゲームでは今の季節には既にカイルートに入って色々なイベントを通して好感度を上げている頃だ。
それなのにそんな素振りが全くないのはどういうことだろうか。カイルートに入らなかった? でもリリーが他の攻略対象と特別仲良くしている姿も見ていないし。
いや、私は別にどうしてもリリーとカイをくっつけたいわけではない。ただ、リリーがカイとくっつかなかった場合、同じ光属性の使い手の私にその話が回ってこないかが不安なだけだ。
いくら本人と陛下相手に断ったと言ってもこれは国の将来にかかわる話。他の貴族がもし私を推すなら私だって断ることはできない。前回は陛下もカイも命令ではなく、個人的な話として言ってくれたから断れたけど……まあそれもだいぶ失礼な話ではあるけど。
しかも今私が心配なのがこの学校内で私とカイが婚約すればいいという声が結構出てきていることだ。子供の言うことなので大した影響力はないけど、それでもこの学校にいるのは将来国を支える子供たちだ。全く問題がないかと言われると分からない。
先のことを考えるとカイとリリーにくっついてもらうのが私にとっては都合がいい。まあリリーがいるから私は用無しだって言われても困るけど。
……どっちに転んでも私の身の安全は保障されてないんだよね。最悪の場合を考えてすぐに逃げれるように準備だけはしておこう。
「ねえ、クリス」
椅子から立ち上がってベッドで本を読んでいるクリスに声をかけると、クリスはすぐに本から顔を上げずに「何ー?」と返事をした。別に珍しいことではないし、クリスがちゃんと話を聞いてくれるのは分かっているのでそのまま続ける。
「殿下とリリーの仲は最近どうなのかしら?」
私よりも周りを見ていて、色々知っているクリスだ。もしかしたら私が知らないだけで二人は仲が良いのかもしれない。
そう思って聞いてみたが……
「ああ、まだその話あったんだ」
クリスは本をパタンと閉じてそんなことを言った。
「エレナ何も言わないからその件はもういいのかと思ってたよ」
「よ、よくないわ! ちょっと忙しくて気にする暇がなかっただけで」
確かにカイとリリーを婚約させたいから協力してくれ、とクリスに頼んでかなりの時間が経っている。最初の頃はカイとリリーを少しでも近づけさせるために細々と色々計画していたけど、最近は全くだ。クリスにそう思われても仕方がない。
「あの二人にはぜひ婚約してもらわないとわたくしが困るのよ」
「ああ、まあそうだろうね」
クリスも状況を分かっているので、私の気持ちは理解しているだろう。ただ私がカイと婚約してもクリスは一向に困らないだけで。
「で? どうなの? あの二人は実際仲が良いのかしら?」
「うん、仲が良いかと聞かれたら、良いと思うよ。エレナが寝ていた間とかは私もちょっと頑張ってくっつけようとしていたし」
ふむふむ、さすがクリス。私の知らないところで頑張ってくれていたようだ。
「でもエレナが戻って来てからはリリーはエレナにべったりだし、カイも何かあったらエレナを頼ってるから、あまり話しているところは見ないね」
……はい、邪魔者は私でしたか。私がリリーと仲が良いのは特に問題はないと思う。だってゲーム内でも二人は友達だったし。多分ダメだったのはカイの私への好感度が上がりすぎたことだ。だってまさかカイが私のことを好きになるなんて思ってもいなかったし。
「クリス、今週末か来週末で、皆を誘ってピクニックに行くわよ」
そこでカイとリリーを二人きりにして距離を近づけてやる。ぐっと拳を握ると、クリスは心底面倒そうな顔をしていた。
ピクニック自体は多分好きだろうから、二人をくっつけるのが面倒なんだろうな。でも手伝ってもらうから!
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