239 / 300
久しぶりの魔法省
しおりを挟む
翌朝、早く起きた私は食堂のキッチンを借りてせっせとお弁当を作った。お兄様のお気に入りのおかずを中心に栄養バランスよく。
ヘンドリックお兄様は私のお弁当を気に入ってくれているのでこれで機嫌がよくなったらいいな、という微かな期待を込めて。賄賂ごときでどうにかなる人ではないだろうけど。
お城に行くついでにクルトお兄様にも会って行こうと、クルトお兄様の分のお弁当を作り、私はそれを両手に持って馬車へと乗り込んだ。
「先にカイに相談してみればよかったかな?」
動き出した馬車の中でクリスが言った。
……確かに。カイなら何か知っていたかもしれない。わざわざヘンドリックお兄様に聞きに行かなくてもよかった?
いやいや、と首を横に振る。せっかくクリスが馬車を用意してくれたのだ。そう言う風に思っては申し訳ない。
「いいえ、もう少し詳しい情報が欲しいもの。まとめてヘンドリックお兄様に聞いてみましょう」
「何をしに来た」
ヘンドリックお兄様の第一声はそれだった。とても面倒そうな声で。久しぶりに会った妹なんだからもっと他に言うことあるでしょ。
にっこりと笑ってお弁当を見せる。
「お仕事を頑張っていらっしゃるお兄様方へ、お弁当を作って参りましたの」
「そうか。そこに置いておけ」
話は終わりだとばかりに再び机に向かうお兄様。その態度にカチンときた。今日来ることは昨日声を飛ばして伝えている。お兄様からの返事はなかったけど、だけど確実に届いているはずだ。ダメとも言われてないんだし。
「お話を聞いてくださらないと言うのでしたらお弁当は両方ともクルトお兄様に差し上げます」
私の言葉にヘンドリックお兄様は不快そうに眉をひそめた。
「クルトお兄様はどんなに忙しくても可愛い妹を邪魔扱いしませんもの」
笑顔でそう言うと、お兄様はチッと舌打ちをして立ち上がった。
「お前が話があると言えばいつも面倒ばかりだから嫌なんだ」
「あら、本日はちょっと聞きたいことがあるだけですわ。お兄様は教えてくれるだけでよろしいのです。ね、クリス?」
隣に立つクリスに同意を求めると、クリスも「はい」と頷いた。それを見てお兄様は深いため息をついて魔法省を出た。
いつもの部屋で向かい合って座ると、お兄様は私の持って来たお弁当を早速開けた。
え、今食べるの!? お昼ご飯にって思って持って来たのに……。
「ここ数日忙しくて食べる時間も碌になかったんだ。話は聞いてやるから食わせろ」
「ま、まあ、それはお忙しい時に申し訳ありません」
「本当にな」
そう言うなら昨日の時点で「今度にしてくれ」って言ってくれたらよかったのに。心の中で文句を言ってお兄様を睨んでみるが、お兄様は全く気にせずにお弁当を食べ始めた。
しかし無理だと言われなかったということはなんとか時間を空けてくれたのだろう。そこは素直に感謝。いつもより丁寧にお茶を入れてあげよう。
「早速ですが、クラッセン公爵について知りたいのです」
私の言葉にお兄様は何の反応も示さずに唐揚げを食べた。そしてお茶を一口飲んでお弁当を置く。お弁当箱の中は既に三分の一は減っている。本当にお腹が空いていたのだろう。
「例えばなんだ。お前に何度も刺客を送り込んできて、それを娘の仕業に仕立てていたことか?」
あ、確かにベアトリクスは自分じゃないって言っていたよね。でも娘の仕業にするって父親としてどうなの……。
「クラッセン公爵はベアトリクス様を殿下の婚約者にさせたかったのでは? それなのにベアトリクス様の評判を落とすようなことをするなんてよく分かりませんわ」
「あそこの本命は初めから妹の方だ」
クリスはそれを聞き、「ああ」と何かを思い出したかのような声を出した。そして小さな声で教えてくれる。
「前に一回だけ会ったことがあるけど、ちゃんとした子だったよ。気は強かったけど」
なるほど。ベアトリクスは最初から切り捨てる予定だったのか。そうなると小さい頃にちゃんと教育を受けていない可能性もある。だからあんなに何も知らない子だったのかも。
って違う! そんなことが聞きたいんじゃない。
私が口を開こうとすると、先にお兄様が言った。
「それともあれか? いつぞやの暗殺事件。お前を庇って殿下が怪我をしたあの一件もクラッセン公爵の仕業だ」
それはそうだと思っていた。けどあれも気になることがあるのだ。
「あの時の暗殺者たちは殿下の命をも取ろうとしておりましたが、それもクラッセン公爵の考えでしょうか?」
自分の娘をカイの婚約者にしようとしているのに殺してしまってもいいというのはとてもおかしい話だと思うんだけど……。
「違う。あれは完全にあいつらの独断だ。大体公爵にとってはあの場に殿下がいたことがイレギュラーだ。あれで殿下にもしものことがあれば今頃公爵の頭と体は繋がっていない」
ああ、そうだよね。
ってちっがーう!
「違います! わたくしが聞きたいのはそんなことではありませんわ!」
すっかり普通に話してしまっていたけど、そんなこと今更どうでもいい。大きな声を出した私を見てヘンドリックお兄様は呆れたように言った。
「お前だって興味津々だっただろ」
「ぅ……っ! そ、そうですが、違うのです! わたくしが聞きたいのは今後のことですわ!」
お兄様は私の言葉に返事をせず、再びお弁当を食べ始めた。それで確信した。私が聞きたいことをお兄様は初めから分かっていたこと。そしてそれを話す気はないということ。
しかし私はこのくらいじゃくじけない。
「クラッセン公爵家は今後どうなるのでしょうか? ベアトリクス様はどうすれば助かるのです?」
ヘンドリックお兄様は私のお弁当を気に入ってくれているのでこれで機嫌がよくなったらいいな、という微かな期待を込めて。賄賂ごときでどうにかなる人ではないだろうけど。
お城に行くついでにクルトお兄様にも会って行こうと、クルトお兄様の分のお弁当を作り、私はそれを両手に持って馬車へと乗り込んだ。
「先にカイに相談してみればよかったかな?」
動き出した馬車の中でクリスが言った。
……確かに。カイなら何か知っていたかもしれない。わざわざヘンドリックお兄様に聞きに行かなくてもよかった?
いやいや、と首を横に振る。せっかくクリスが馬車を用意してくれたのだ。そう言う風に思っては申し訳ない。
「いいえ、もう少し詳しい情報が欲しいもの。まとめてヘンドリックお兄様に聞いてみましょう」
「何をしに来た」
ヘンドリックお兄様の第一声はそれだった。とても面倒そうな声で。久しぶりに会った妹なんだからもっと他に言うことあるでしょ。
にっこりと笑ってお弁当を見せる。
「お仕事を頑張っていらっしゃるお兄様方へ、お弁当を作って参りましたの」
「そうか。そこに置いておけ」
話は終わりだとばかりに再び机に向かうお兄様。その態度にカチンときた。今日来ることは昨日声を飛ばして伝えている。お兄様からの返事はなかったけど、だけど確実に届いているはずだ。ダメとも言われてないんだし。
「お話を聞いてくださらないと言うのでしたらお弁当は両方ともクルトお兄様に差し上げます」
私の言葉にヘンドリックお兄様は不快そうに眉をひそめた。
「クルトお兄様はどんなに忙しくても可愛い妹を邪魔扱いしませんもの」
笑顔でそう言うと、お兄様はチッと舌打ちをして立ち上がった。
「お前が話があると言えばいつも面倒ばかりだから嫌なんだ」
「あら、本日はちょっと聞きたいことがあるだけですわ。お兄様は教えてくれるだけでよろしいのです。ね、クリス?」
隣に立つクリスに同意を求めると、クリスも「はい」と頷いた。それを見てお兄様は深いため息をついて魔法省を出た。
いつもの部屋で向かい合って座ると、お兄様は私の持って来たお弁当を早速開けた。
え、今食べるの!? お昼ご飯にって思って持って来たのに……。
「ここ数日忙しくて食べる時間も碌になかったんだ。話は聞いてやるから食わせろ」
「ま、まあ、それはお忙しい時に申し訳ありません」
「本当にな」
そう言うなら昨日の時点で「今度にしてくれ」って言ってくれたらよかったのに。心の中で文句を言ってお兄様を睨んでみるが、お兄様は全く気にせずにお弁当を食べ始めた。
しかし無理だと言われなかったということはなんとか時間を空けてくれたのだろう。そこは素直に感謝。いつもより丁寧にお茶を入れてあげよう。
「早速ですが、クラッセン公爵について知りたいのです」
私の言葉にお兄様は何の反応も示さずに唐揚げを食べた。そしてお茶を一口飲んでお弁当を置く。お弁当箱の中は既に三分の一は減っている。本当にお腹が空いていたのだろう。
「例えばなんだ。お前に何度も刺客を送り込んできて、それを娘の仕業に仕立てていたことか?」
あ、確かにベアトリクスは自分じゃないって言っていたよね。でも娘の仕業にするって父親としてどうなの……。
「クラッセン公爵はベアトリクス様を殿下の婚約者にさせたかったのでは? それなのにベアトリクス様の評判を落とすようなことをするなんてよく分かりませんわ」
「あそこの本命は初めから妹の方だ」
クリスはそれを聞き、「ああ」と何かを思い出したかのような声を出した。そして小さな声で教えてくれる。
「前に一回だけ会ったことがあるけど、ちゃんとした子だったよ。気は強かったけど」
なるほど。ベアトリクスは最初から切り捨てる予定だったのか。そうなると小さい頃にちゃんと教育を受けていない可能性もある。だからあんなに何も知らない子だったのかも。
って違う! そんなことが聞きたいんじゃない。
私が口を開こうとすると、先にお兄様が言った。
「それともあれか? いつぞやの暗殺事件。お前を庇って殿下が怪我をしたあの一件もクラッセン公爵の仕業だ」
それはそうだと思っていた。けどあれも気になることがあるのだ。
「あの時の暗殺者たちは殿下の命をも取ろうとしておりましたが、それもクラッセン公爵の考えでしょうか?」
自分の娘をカイの婚約者にしようとしているのに殺してしまってもいいというのはとてもおかしい話だと思うんだけど……。
「違う。あれは完全にあいつらの独断だ。大体公爵にとってはあの場に殿下がいたことがイレギュラーだ。あれで殿下にもしものことがあれば今頃公爵の頭と体は繋がっていない」
ああ、そうだよね。
ってちっがーう!
「違います! わたくしが聞きたいのはそんなことではありませんわ!」
すっかり普通に話してしまっていたけど、そんなこと今更どうでもいい。大きな声を出した私を見てヘンドリックお兄様は呆れたように言った。
「お前だって興味津々だっただろ」
「ぅ……っ! そ、そうですが、違うのです! わたくしが聞きたいのは今後のことですわ!」
お兄様は私の言葉に返事をせず、再びお弁当を食べ始めた。それで確信した。私が聞きたいことをお兄様は初めから分かっていたこと。そしてそれを話す気はないということ。
しかし私はこのくらいじゃくじけない。
「クラッセン公爵家は今後どうなるのでしょうか? ベアトリクス様はどうすれば助かるのです?」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
『二流』と言われて婚約破棄されたので、ざまぁしてやります!
志熊みゅう
恋愛
「どうして君は何をやらせても『二流』なんだ!」
皇太子レイモン殿下に、公衆の面前で婚約破棄された侯爵令嬢ソフィ。皇妃の命で地味な装いに徹し、妃教育にすべてを捧げた五年間は、あっさり否定された。それでも、ソフィはくじけない。婚約破棄をきっかけに、学生生活を楽しむと決めた彼女は、一気にイメチェン、大好きだったヴァイオリンを再開し、成績も急上昇!気づけばファンクラブまでできて、学生たちの注目の的に。
そして、音楽を通して親しくなった隣国の留学生・ジョルジュの正体は、なんと……?
『二流』と蔑まれた令嬢が、“恋”と“努力”で見返す爽快逆転ストーリー!
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる