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有力な情報源
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人気が少ない場所に移動してベンチに腰掛ける。最初に口を開いたのはレオンだった。
「それで、今度はどんな問題を抱えてるんだ?」
何その言い方。私がいつも問題を抱えてるみたいじゃん。文句を言うための言葉を選んでいると、私よりも先にマクシミリアンが笑った。
「エレナはすぐ何かに首を突っ込むからね」
「マクシミリアン様までそんな風におっしゃいますの!?」
皆酷い!
しかしクリスにもいつも言われていることだ。ここまで皆がそう言うのなら少しは私にそういうところがあるのかもしれない。自分の行動を思い返してみる。……うん、心当たりはあまりない。ちょっとだけ。
「本題に入りますわ」
このままだとちょっと分が悪い。さっさと話を変えてしまおう。
「お二人はクラッセン公爵家についてどこまでご存じでしょうか?」
それだけでレオンもマクシミリアンも察しがついたようだ。二人で顔を見合わせて、次いで私を見る。
「一応一通りの情報は集めてるよ」
身分の高い二人だ。望めばいくらでも情報は入ってくるだろう。もしかしたら私達よりも色々知っているかもしれない。
「でしたら話が早いですわ。わたくし達はベアトリクス様をお救いしたいのです」
私の言葉を聞いて二人がきょとんとした顔をする。私を見て、そして視線がクリスに移動する。
「『達』って、クリスもか?」
「エレナはまだしも……」
どういう意味よ!
「まあね。そういうことになってる」
「そういうことって何よ。クリスだってこのまま放っておけないでしょう? クリスとベアトリクス様が意外と仲が良いこと知っているわよ」
決して友好的ではないけど、ずばずばとお互い言いたいことを言っているところを見ている。身分とか関係なしに。そしてその言い合いを二人とも楽しんでいる。私は知っている。
「仲は別に良くないけど……」
口をとがらせて文句を言うクリスだが、私の言葉自体は否定しない。つまりはそういうことだ。
そんな私たちをレオンとマクシミリアンがポカンとした顔で見ていた。
二人的にはベアトリクスに対してあまりいい印象がないのだろう。絡んでいるところも滅多に見ないし。
「話を戻しますがよろしいでしょうか? ご用事を思い出されたなら立っていただいても構いませんわ」
ベアトリクスを助けることに関して不服があるならこれ以上話したって無駄だ。その気がないならさっさとどっかに行ってくれという気持ちを込めてにっこりとすると、二人は少し下を向いて黙り込んだ。
複雑な心境なのは分かる。特にレオンは一時期かなりベアトリクスに悩まされていたようだし。あれからは何もないけど好感度はかなり低いだろう。
だから私としてはここで手を引いてもらっても構わない。
しかし二人は少しして頷いた。
「用事はないよ」
「続けてくれ」
「はい」
少し意外。だけどこの二人なら信用できるし。気が変わらない内にさっさと話をしてしまおう。
「ベアトリクス様を救うには、クラッセン公爵家に属さないことだと考えております。しかしその方法が分からないのです。ベアトリクス様はご存じのようでしたが、無理だ、と」
「どうしたらいいか知ってる?」
ドキドキしながら二人を見ていると、二人はあっさりと頷いた。
「知ってるの!?」
驚いてそう言うクリスにレオンは頷いた。
「詳しいことややり方は知らねえ。でもそういう方法があることは知ってるぜ」
……なんと。もしかしたらとは思ったけど、本当に知っているなんて。
「教えてくださいませ」
「教えるのはいいけど、実行するのはかなり難しいと思うよ」
「おすすめもできねえ」
「それでも少しでも可能性があるのなら知りたいのです。お願い致します」
ベアトリクスが無理だって言おうが、マクシミリアンが難しいと言おうが、レオンが勧めないと言おうが、その方法を聞くまでは分からない。ごり押しでなんとかなるなら、多少無茶でもやってやる。
「家をぬけるだけなら単純だ。家との縁を切ればいい」
「縁を切る……」
なんだ、そんなことか。思っていたよりも簡単そうじゃん。何が問題なんだろう。
クリスも私と同じことを思ったようで、きょとんとしている。おそらく私も今同じような顔をしているだろう。
「えっと、難しいと言うのは……? 簡単には縁が切れないと言うことでしょうか?」
「違う。家との縁を切ると言うことは、身分も財産も一切を捨てると言うことだ」
……まあそうなるよね。つまり? ベアトリクスが今クラッセン公爵家との縁を切ったら公爵令嬢じゃなくなるってこと? じゃあ貴族でもなくなるってこと? いや、でも平民のリリーも魔法学校への入学と同時に貴族扱いなんだから、ベアトリクスだって公爵家じゃなくなっても貴族は貴族だよね?
うん? そうなったら身分的にはどうなるんだ? でも家の爵位がないんだから貴族の中でも末席だよね?
リリーは卒業後、どのルートでも攻略対象と結婚してその家の一員になるけど、もし嫁に行かなかったら?
……一応貴族ではあるけど、頼る家もなく、一人で生きていかないといけないってこと? なんの後ろ盾もなく? 身分が物を言うこの貴族の世界で?
それは想像するだけでかなり厳しいことが分かる。
「分かったみたいだな? だから、難しいんだ」
「それで、今度はどんな問題を抱えてるんだ?」
何その言い方。私がいつも問題を抱えてるみたいじゃん。文句を言うための言葉を選んでいると、私よりも先にマクシミリアンが笑った。
「エレナはすぐ何かに首を突っ込むからね」
「マクシミリアン様までそんな風におっしゃいますの!?」
皆酷い!
しかしクリスにもいつも言われていることだ。ここまで皆がそう言うのなら少しは私にそういうところがあるのかもしれない。自分の行動を思い返してみる。……うん、心当たりはあまりない。ちょっとだけ。
「本題に入りますわ」
このままだとちょっと分が悪い。さっさと話を変えてしまおう。
「お二人はクラッセン公爵家についてどこまでご存じでしょうか?」
それだけでレオンもマクシミリアンも察しがついたようだ。二人で顔を見合わせて、次いで私を見る。
「一応一通りの情報は集めてるよ」
身分の高い二人だ。望めばいくらでも情報は入ってくるだろう。もしかしたら私達よりも色々知っているかもしれない。
「でしたら話が早いですわ。わたくし達はベアトリクス様をお救いしたいのです」
私の言葉を聞いて二人がきょとんとした顔をする。私を見て、そして視線がクリスに移動する。
「『達』って、クリスもか?」
「エレナはまだしも……」
どういう意味よ!
「まあね。そういうことになってる」
「そういうことって何よ。クリスだってこのまま放っておけないでしょう? クリスとベアトリクス様が意外と仲が良いこと知っているわよ」
決して友好的ではないけど、ずばずばとお互い言いたいことを言っているところを見ている。身分とか関係なしに。そしてその言い合いを二人とも楽しんでいる。私は知っている。
「仲は別に良くないけど……」
口をとがらせて文句を言うクリスだが、私の言葉自体は否定しない。つまりはそういうことだ。
そんな私たちをレオンとマクシミリアンがポカンとした顔で見ていた。
二人的にはベアトリクスに対してあまりいい印象がないのだろう。絡んでいるところも滅多に見ないし。
「話を戻しますがよろしいでしょうか? ご用事を思い出されたなら立っていただいても構いませんわ」
ベアトリクスを助けることに関して不服があるならこれ以上話したって無駄だ。その気がないならさっさとどっかに行ってくれという気持ちを込めてにっこりとすると、二人は少し下を向いて黙り込んだ。
複雑な心境なのは分かる。特にレオンは一時期かなりベアトリクスに悩まされていたようだし。あれからは何もないけど好感度はかなり低いだろう。
だから私としてはここで手を引いてもらっても構わない。
しかし二人は少しして頷いた。
「用事はないよ」
「続けてくれ」
「はい」
少し意外。だけどこの二人なら信用できるし。気が変わらない内にさっさと話をしてしまおう。
「ベアトリクス様を救うには、クラッセン公爵家に属さないことだと考えております。しかしその方法が分からないのです。ベアトリクス様はご存じのようでしたが、無理だ、と」
「どうしたらいいか知ってる?」
ドキドキしながら二人を見ていると、二人はあっさりと頷いた。
「知ってるの!?」
驚いてそう言うクリスにレオンは頷いた。
「詳しいことややり方は知らねえ。でもそういう方法があることは知ってるぜ」
……なんと。もしかしたらとは思ったけど、本当に知っているなんて。
「教えてくださいませ」
「教えるのはいいけど、実行するのはかなり難しいと思うよ」
「おすすめもできねえ」
「それでも少しでも可能性があるのなら知りたいのです。お願い致します」
ベアトリクスが無理だって言おうが、マクシミリアンが難しいと言おうが、レオンが勧めないと言おうが、その方法を聞くまでは分からない。ごり押しでなんとかなるなら、多少無茶でもやってやる。
「家をぬけるだけなら単純だ。家との縁を切ればいい」
「縁を切る……」
なんだ、そんなことか。思っていたよりも簡単そうじゃん。何が問題なんだろう。
クリスも私と同じことを思ったようで、きょとんとしている。おそらく私も今同じような顔をしているだろう。
「えっと、難しいと言うのは……? 簡単には縁が切れないと言うことでしょうか?」
「違う。家との縁を切ると言うことは、身分も財産も一切を捨てると言うことだ」
……まあそうなるよね。つまり? ベアトリクスが今クラッセン公爵家との縁を切ったら公爵令嬢じゃなくなるってこと? じゃあ貴族でもなくなるってこと? いや、でも平民のリリーも魔法学校への入学と同時に貴族扱いなんだから、ベアトリクスだって公爵家じゃなくなっても貴族は貴族だよね?
うん? そうなったら身分的にはどうなるんだ? でも家の爵位がないんだから貴族の中でも末席だよね?
リリーは卒業後、どのルートでも攻略対象と結婚してその家の一員になるけど、もし嫁に行かなかったら?
……一応貴族ではあるけど、頼る家もなく、一人で生きていかないといけないってこと? なんの後ろ盾もなく? 身分が物を言うこの貴族の世界で?
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