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神社編4

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「な、何でしょう」

 養父に呼ばれて一刀は雅の部屋の扉を静かに開けて返事をする。
 ここで応えないと二階に上がられバレてしまう。

「急な神事が入った。他の神社の代理として地鎮祭に行ってくる。母さんも一緒に行くから留守を頼むぞ」

「は、はい!」

 上ずった声で一刀は返事をした。
 幸い怪しまれる事無く、養父達が社務所を出て行く音が聞こえた。

「よし!」

 出て行ったのを確認して一刀は気合いの入った声を上げる。
 これまでずっと攻められっぱなしだったが、予定より養父母が早く出て行ったのでこちらも予定を早めて玉兎の封印に入る。
 養父母が居ないのならば、どれだけ激しく突っ込んでも聞かれることは無い。
 セーラー服を破って玉兎の性感帯を撫でて無抵抗にしてそのまま事に及んでも問題無い。

「覚悟しろよ玉兎!」

 大声で宣言しなが一刀は振り向いた。
 だがそこに居たのはいつものように挑戦的な瞳をした自信満々な玉兎ではなく、目を閉じ身体をふらつかせた弱々しい玉兎だった。

「!」

 床に崩れそうになり、慌てて一刀は玉兎の身体を支える。

「おい! 大丈夫か!」

 玉兎の返事はなかった。



「うっ」

「気が付いたか」

 意識を取り戻した玉兎に一刀は喜びの声を上げた。

「妾は気を失っていたのか?」

「ああ、五分ほどだけどな。気が付いて良かった」

 気を失った玉兎に出来る事など一刀には殆どなかった。とりあえず玉兎をベッドの上に寝かせるので精一杯だった。
 額の辺りに手を当てて精気を少しずつ注入することを思いつくまで狼狽え続けていたからだ。

「大丈夫か?」

「うむ、先ほどよりは意識はハッキリしておる」

「一体どうしたんだ?」

「分からぬ、突然意識が遠くなった」

「心当たりがあるか?」

「分からぬ。あるようなないような、思い出せぬ」

「そうか」

 妖魔特有の症状か、雅の封印によるものか分からず、一刀はガッカリした。
 何か原因が分かれば治す術も分かるだろうが、本人が分からないのでは仕方ない。
 天宮神社は妖魔の討滅を役目としており、妖魔の治療などの知識や伝承は無かった。そのため一刀は対応出来なかった。

「何か欲しいものは無いか?」

「少し腹が減ったか」

「台所から菓子を持ってくる」

 一刀は部屋を後にして階段を降りて行き、二、三分で帰ってきた。

「ほら、プリンだ。食べろ」

「感謝するぞ」

 ヒンヤリとしたカップを受け取った玉兎は礼を言ってから尋ねた。

「気を失っている間に事を済ませようとは思わなかったのか?」

「そんな強姦魔みたいなことができるか。まあすべきだったんだろうけど」

 玉兎を封印するには一刀の濃い精気を玉兎の身体に入れる必要がある。そのためには体内への射精が一番である。
 玉兎が強力な妖魔である事も相まって、正面対決では負けるかもしれない。だから気を失って動けない間に済ませるのは有効な手段だった。

「お前の身体は雅の物なんだ。何かあったら困る」

「ふ、確かにのう」

 そう言って玉兎はプリンの蓋を開けてスプーンで食べようとした。しかし、手に力が入らず、ベッドの上にスプーンを落としてしまう。

「全く、何をやっているんだよ」

 そういって一刀は自分のスプーンで玉兎のプリンを掬うと左手を下において玉兎の口元に運ぶ。

「ほら、口を開けろ」

「……う、うむ」

 玉兎はゆっくりと口を開くとおずおずとスプーンをくわえてプリンを食べた。

「どうだ?」

「……美味じゃ」

「そうか、上手く出来て良かった」

「お主が作ったのか」

「ああ、市販のプリンの素を使った物だけどな。もう一口どうだ?」

「……頂く」

 そうやって一刀に食べさせて貰った後、二個目がいるかと尋ねられたが玉兎は拒否した。
 残った一個は、一刀が持っていたスプーンで掬って一刀自身が食べた。

「……」

 その光景を見て玉兎は心がイライラしてきて怒りで力が漲って来た。
 そして、無言のまま一刀の顔に自分の顔を近づけた。

「!」

 一刀が気が付いた時には、既に玉兎の顔は目前に迫っていた。
 玉兎は両手で一刀の顔を押さえると、自分の方に向けさせ、唇を合わせる。
 そして自分の舌を侵入させ、一刀の口の中にあったプリンの欠片を絡め取って自分の口に奪い去る。それが終わると再び下を侵入させ、一刀の口の中に残った小さい欠片も残さず取ろうと舌を丹念に動かして舐め取っていった。
 一刀の口の中を蹂躙し尽くした作業をようやく終えると、玉兎はやっと唇と顔を離した。

「やはり美味いのの」

 手の甲で引かれた糸を拭い取ると、玉兎はプリンの味の感想を言った。

「……って、何をするんだよ。そんなにプリンが欲しいのか」

「朴念仁に対する罰じゃ」

「だからってプリンを奪うことないだろう。持ってきてやったのに」

「ならば褒美をやらなくてはな」

 そう言って玉兎はスプーンを奪うと、カップのスプーンを掬い自分の口に入れた。
 そして再び一刀の顔を両手で固定すると唇を重ねた。
 舌で無理矢理一刀の口を開けさせるとプリンの欠片を一刀の口中へ入れ、舌に擦りつけるように 食べさせた。

「どうじゃ、美味か?」

 口端に付いたぷりんの欠片を舐め取り、いつもより柔らかいがやはり険しい瞳で玉兎は尋ねてくる。
 しかし一刀は答えられなかった。
 口の中には甘い味が残っていたが、それがプリンによるものか、キスによるものかは分からなかった。

「って、何するんだよ」

「礼に妾自らお主に食べさせてやったのじゃ。感謝するがよい」

「食べさせたと言えるのか、これが」

「嫌だったかの?」

 玉兎に尋ねられて一刀は黙り込んだ。
 そして残ったプリンをカップを逆さにして全て食べると玉兎に向き直った。

「それだけ、元気ならこの後一戦しても大丈夫だろうな。大人しく封印されろ」

「よいぞ」

「拒否しても無理矢理……っていいのいか」

「今回はピンチでなくとも入れ替われたのじゃからな。また他にも機会があろう」

 確かに今回はお役目でピンチになること泣く入れ替わってしまった。また何時起きても不思議では無く、気が抜けない事になるだろう。

「その度に、再封印してやる」

「次は妾がお主を襲うかもしれんぞ」

「やってみろ」

「楽しみにしておるぞ。さあ」

 そう言って玉兎は両手を広げて一刀を誘った。
 何とも不愉快だが一刀は再封印の為に玉兎に抱きつこうとした。

「ああ、一つ答えるのじゃ」

「何だよ」

「先ほどお主は大丈夫か、と尋ねたがどちらに向けて尋ねたのじゃ?」

 玉兎に言われて一刀は無言になった。

「……ふむ。答えんでよい、戯れじゃ。さあ、サッサとしようぞ」

 玉兎は一刀の頭に自分の両手を回すと自分の元に引き寄せた。
 またも唇を合わせ、何かを刻みつけるように一刀の舌に絡みつく。
 手足も一刀の背後に回して撫で回し絡みつける。
 身体も小刻みに動かして擦り付ける。
 十分に熱くなると、セーラー服が邪魔になり胸元から破って黒いブラに包まれた胸を露出させる。
 白い肌と対照的な黒いブラに幻惑されて一刀はセーラー服の残骸を撥ね除けるとフォックに手をやり外して蛍光灯の下にさらされた大きな双丘に手を伸ばす。
 激しく乳房を握られ玉兎は更に興奮し身体を半回転させて一刀の上を取る。
 そして自らパンツを脱がすと、興奮して立ち上がった一刀の男根を自ら、裂け目に挿入し激しく腰を振るう。
 膣の中は一刀の男根が入ると膣壁全周が締まり更に奥へ導くように動く。

「あうっ」

 だが、その刺激で再び意識が遠いたのか玉兎は一刀の胸に倒れ込む。

「おい、大丈夫か」

 起き上がろうとしたが繋がったままで自由に動けず一刀は肩を揺する以外は出来なかった。

「大丈夫じゃ、少し元気を貰って休ませて貰えれば」

 そう言って玉兎は一刀の胸の乳首を舌で舐めて弄ぶ。

「うおっ」

 気を緩めていたときにいきなり舐められて一刀は驚きの声を上げる。突然の事で心臓の鼓動が大きくなる。

「ふふふ、お主の心臓の音と妾の心臓の音が一緒になっておる。共鳴して心地よくて嬉しいぞ」

 片耳を胸に当てながら囁く玉兎。文句の一つもいってやろうと一刀は思ったが、そんな事を言われては言えなくなった。
 そして射精を促すように膣は淫靡に蠢く。
 一刀の男根は遂に限界に達して、子宮の中へ熱い物を噴き出した。

 何故、玉兎が自ら求めて来たのか一刀には分からなかった。
 ただ、無事に再封印出来たが、何故か元に戻った雅は不機嫌だったし、愛液と精液の混ざった匂いがする部屋の掃除。破れたセーラー服の処理。外での神事を終えた両親が帰ってきてバレないように誤魔化して出張に送り出したりと様々な事をこなしている間に、答えが出ないまま時間は過ぎていった。
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