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エピローグ

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「はあ……はあ……はあ……」

 ブルーは弱々しい吐息を一樹の胸の上で吐き続けた。
 身体が密着し、全く動けない。
 動かせる指先さえ、一樹の身体を掴むのがやっと。
 ダークネブラに痛めつけられた時でさえ、決して見せなかった表情、無防備な姿を見せていた。
 まさに精も根も尽き果てている状態だ。
 だが、そんなブルーも愛おしい。
 ダークネブラさえ倒せなかったブルーを自分が、こんなになるまで突き上げた成果のようでむしろ嬉しく、昂揚した達成感が一樹の中に満たされていた。
 だから、より愛おしく感じて仕舞う。
 思わず頭を撫でてしまうくらいに。

「はううう……」

 髪の毛に触れられたブルーが、嬉しそうに声をいや、啼いた。
 犬が嬉しくて喉を鳴らすような声を漏らし、一樹の胸の頬ずりしている。
 それが余計に可愛い。

「プリンス……」

「うん?」

 弱々しいが嬉しそうな声でブルーが呟いてきて、自然と一樹は答えた。

「再び、お仕えできて嬉しいです。このブルー、今生でも身も心も捧げ、命に代えましてもお守りします」

「ありがとう」

 熱の籠もった言葉で、言われてはこう答えるしかなかった。
 しかし、嫌という気持ちはなかった。
 一樹の返事を聞いてブルーは嬉しそうに笑みを浮かべる。

「プリンス、このまま、ずっと……」

 安堵したのか、そこまで言って、ブルーは寝てしまった。
 起こすのは悪いと思い、何も言わずに、寝息を立てるブルーの頭を撫でるだけにした。

「……ずっと?」

 冷静になって、疑問符が続々と出てきた。
 ずっととは、何だ。
 また今みたいなことをずっと続けるというのか。

「いやいやいや」

 先ほどまでの好意を思い出して顔を真っ赤にしながら一樹は首を横に振るう。
 このまま、戦い続けると言う意味なのだろう。

「けど、戦ったあと、パワーを注入するって事なんだよな」

 うれし恥ずかし、気持ちの良いことを思い出して一樹は再び赤面した。
 そして、一体どうしたものかと、ブルーが目覚めるまで悶々と、悩み続けた。
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