【番外編更新中】桜の記憶 幼馴染は俺の事が好きらしい。…2番目に。

あさひてまり

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番外編

昨今は様々な意味でハードルが高いと聞くけれども俺の場合はどうやら行く前が山場のようです

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繁忙期のストレスが極限に達した作者による、癒しを求めて書いた完全なる箸休めの番外編です。不穏なあの家とか一切出てこないのでゆる~い気持ちでお読みください。
本編69話の後、大学2年生の秋のお話です。

●●●



(side 萱島晴人)


バチンッッ!!!


骨に響くような音と同時に目の奥に星が散る。

思い切り頬を打たれたんだと理解した瞬間、ジンジンとした痛みを自覚した。

左頬を張られたまま傾いた視線の先には、こちらを見つめる恋人の姿。

その瞳には青い炎が揺らめいている。


ヤバイと思った時には、その手が荒々しくこちらに伸びてきた。

「っざけんなよ!!」

殺意すら含んだような大声に思わず身を竦める。


どうして…

どうしてこんな事に


ただ俺は


俺は

















夢の国に行きたかっただけなのに。。。











事の経緯は数日前に遡る。


「ディーハロ…」

「うんっ!来週の土曜に姫とぴぃちゃんと3人で行ってくる!」

ウキウキワクワク気分で蓮に告げたのは、2人からのインパのお誘いだった。

「俺さ、夢の国はハロウィンの時期が1番好きなんだよね~!」

「ちょい待て、またアイツらかよ」

ウキウキワクワクな俺に蓮が眉を顰める。

蓮は俺が姫とピィちゃんと出掛けるってなると毎回こんな反応。

色々あったのは過去の話なのに、まだ遺恨が残ってるのかなぁ。

蓮だって一緒にお花見したし、2人は家にだって来た事あるのに。

「俺と行けばいいだろ、アイツらじゃなくて」

ほら、またそんな事言ってぇ。

「だってピィちゃんが案内するって言ってくれたんだもん」

なんとピィちゃん、月1でインパしてるんだって。

昨今の夢の国はアプリを駆使しなければならないらしく、俺みたいな初心者にはハードルが高い。

けど、上級者がいれば安心安全だもんね!

ウキウキワクワクの俺に蓮はまだ渋い顔だ。

「いや、俺だってツテ使えば…」

「それにさ、蓮は禁句言うじゃん」

「禁句?」

珍しくキョトン顔の蓮にちょっとキュンとする。

こう言う俺にだけ見せてくれる表情が、普段のクール顔とのギャップで可愛く見えちゃうって言うか…

…って、そうじゃなくて!

「だって蓮、俺が翔君に誘われた時に散々言ってたもん。」

そう、あれは中学生の頃。

翔君が俺を夢の国に連れて行ってくれるってなった。(詳しいいきさつはside蓮12話「衝動」にあるよ!)

大好きなお兄ちゃんと2人でのお出掛けにウキウキワクワクの俺に対して、蓮はチクチク言ってきたのだ。

「『あんな着ぐるみ王国行ったって楽しくない』とか『金に物言わせてる』とか。俺、忘れてないんだからね。」

ジトっと睨めば、蓮の目が泳ぐ。

記憶を映像として取り出せる蓮の頭の中ではきっと、その時の様子が再生されてる事だろう。

事故で多少機能が落ちたとは言うものの、どう考えても十分凄すぎるよね。

けど、こう言う時すっとぼけられないのは難点だと思う。

「言っ…たけど、それはお前が……!ってか、金に関してはランドじゃなくて翔に対しての言葉で…」

ほらね、明らかに分が悪いって感じ。

言い合いで俺が勝てる事なんか滅多にないから、ここで一気に畳み掛けないと。

「って訳で俺は純粋に楽しめる友達と行ってきます!お土産は買ってきてあげるから、心の広い俺と王国の皆様に感謝してよね!」

言いながら既に取得済みの電子チケットを見せれば、蓮は押し黙った。

それを了承だと解釈した俺はウキウキワクワクでインスタ検索情報収集を始めたのだった。


このまま楽しい計画になると、疑いもせずにーー。







「おっ邪魔しまーす!相変わらず広い家だわぁ」

インパを明日に控えた今、俺と蓮が住むマンションには姫とピィちゃんが来ていた。

「晴人くん、今日蓮さんは?」

「蓮母と次回の撮影の打ち合わせで遅くなるって。あ、2人が来るのは(かなり渋られたけど)オッケー貰ってるから安心して。」

そう言うと、ピィちゃんが明らかにホッとした顔をする。

ほらぁ蓮、怖がられてるじゃん。

当初ここにはお互いの家族以外は入れないって約束だったけど、この2人と啓太、サッキー、遥だけはオッケーになった。

勿論、お互いの了承を取ってからだけどね。

今日は明日の打ち合わせ兼準備としてこの場所を提供してるって訳だ。

何の準備かと言いますと…

「よしっ、じゃあ始めるよ!晴ちゃん、お手!」

俺が反射的に差し出した右手を取った姫が、その爪に色を乗せていく。

「こっちの手はオレンジとブラックの交互で、反対の手はパープルとブラックの交互ね。」

言いながら器用に刷毛を動かす手元を凝視してると、横でピィちゃんが青っぽい色のライトを起動した。

「ほぇぇ、これで固めるんだぁ。」

萱島晴人、初めてのジェルネイルに興味津々であります。

高校の文化祭でネイルされた事はあるけど、普通に塗って乾かすタイプだったんだよね。

「ピールオフできるやつだから、バイトの前に剥がすの忘れないようにね。」

「はーい!」

そう、本日の集まりはネイルの会です。

と言うのも、急遽決まったから仮装は無理だけど…じゃあハロウィンっぽいネイルでおソロにしようって話になって。

姫とピィちゃんが俺のために道具を一式持って来てくれたんだよね。

「はい、右手完了。まだ完全に硬化できてないから動かさないでね」

「りょーかい!」

「晴人くん、お手洗い借りていい?」

「どうぞー!」

ピィちゃんが出ていって、姫と部屋に2人になる。

「…にしても綺麗な指だよねぇ、晴ちゃん。せっかく映えるしストーン付けようかな…」

「それって料理しても大丈夫?今日ハンバーグの予定なんだけど」

「主婦かよ…ちゃんと固めるから大丈夫だって」

呆れ笑いの姫が俺の顔を見て…ピタリと動きを止めた。

「…どしたの?」

「シッ、動かないで。」

押し殺した姫の声に、部屋の空気が緊張感を孕む。

「あの…」

「やっぱり…蚊よ!」

「か?」

どうやら俺の顔付近に夏の名残りが飛んでるらしい。

「秋なのに暑いもんねぇ」

「呑気な事言わないで!こんなモン人類の敵よ!」

と、どうやら過激派らしい姫がハッと息を呑んだ。

「晴ちゃんのほっぺに止まった!」

「えっ!?」

頬を指で触ろうとして、まだ動かすなって言われてた事に気付く。

「ど、どうしよ…」

狼狽える俺の前で、音速の何かが動く。

それが振り上げられた姫の手だと気付いた時、世界がスローモーションになった。

助走つけすぎでは!?ってレベルで振りかぶった姫の手。

何より怖いのは、獲物を見つけた猫みたいに縦長になったその目だ。


ヒィ…!や、殺られる……!!



バチンッッ!!!


骨に響くような音と同時に目の奥に星が散る。

思い切り頬を打たれたんだと理解した瞬間、ジンジンとした痛みを自覚した。

ってか姫、何処にこんな力秘めてたの!?

すっげぇ痛いんですけど!?

と、ドアの方で物音がした。

左頬を張られたまま傾いた視線の先には、こちらを見つめるの姿。

…え、蓮?

いつの間に帰って来てたの?

その瞳には青い炎が揺らめいている。

これは蓮が本気で怒ってる時のそれだ。

ヤバイと思った時には、その手が荒々しくこちらに伸びてきた。

「っざけんなよ!!」

殺意すら含んだような恋人の大声に思わず身を竦める。

俺の背後に向けられた蓮の本気の威圧に充てられて、一瞬声を出すのが遅れた。

その一瞬が命取りだった。

そう、にとって。

「いっったい!!いだだだ、、痛いってば!!」

悲鳴が上がるのを意に介さず、蓮は姫の髪を鷲掴みにして俺から引き剥がす。

「テメェよくも…こっからぶん投げてやるよ」

22階の窓は開かないけど、それを突き破ってでもやるつもりの本気度だ。

「晴に手ェ上げて生きてられると思うなよ?」

それを聞いて、驚きで鈍ってた回路が急速に復旧する。

完全に瞳孔が開いた蓮の怒りが、俺が叩かれた事によるものだと漸く理解した。

「わぁぁ!待って違う!違うから!!」

大慌てで蓮に駆け寄るとその腕をベシベシ叩いて抗議する。

「説明するから!姫の事離してあげて!!」

「あ"?」

「ネイル完成した~?って、えぇ!?」

「痛いってば!話し聞きなさいよこのDV野郎!」

トイレから戻って来たピィちゃんも加わって、室内はまさにカオスとなったのだった。






「で?だからなんだよ。テメェが晴を殴った事に変わりねぇだろーが」

向かいのソファに座る姫を睨め付けながら蓮が宣う。

何とか蓮を落ち着かせて状況を説明したものの、その怒りは治る気配をみせない。

「殴ってないし!叩いただけだし、蚊を!!」

言い返す姫の手にはペラペラになった今回の主犯(?)が張り付いていた。

どうやら姫のお陰で血は吸われなかったみたいだ。

まぁ、その…力加減がね?

吸われて腫れなかったのはよかったけど、手の跡は残らなくもないような…?

「金輪際晴に触るな、話すな、連絡取るな」

「はぁぁ!?どさくさに紛れて自分の願望捩じ込んでんじゃないわよ!」

「ふ、2人とも落ち着いて…」

姫の隣でオロオロするピィちゃん。

因みに俺はと言うと、蓮の膝に乗せられて患部を冷やされてます。

さっきから姫に当たりの強い蓮に抗議の声を上げようとして、その度に言葉を呑み込んでる。

だって、時折俺を覗き込んでくるその目が…本当に本当に心配で仕方ないって感じで。

頬に触れる手が、壊れ物を扱うみたいに繊細で。

蓮がどれだけ俺を大事に思ってくれてるのか、それだけでもう十分すぎる程に伝わってくる。

「蓮…」

漸く出せたのは、名前を呼ぶ小さな声。

「どうした、痛むか?」

それでもすぐに気付いて、信じられないくらい優しい声を返してくれて。

胸がいっぱいになって、その首にギュッと抱き付いた。

「俺は大丈夫だから…心も、体も。」

静かにそう告げると、蓮からフッと力が抜ける。

「心配してくれてありがとう、蓮」

「俺は…お前を誰にも傷付けさせたくない」

「うん、分かってる。大好きだよ、蓮」

心のままに伝えて唇を重ねた。

触れるだけのキスをして離れると、蓮は少し驚いた顔をしてて。

だけどすぐに目を細めて俺の頬を撫でる。

「俺も。世界で一番晴が好きだ」

そんな風に微笑まれたら、俺は俺の全部をあげたくなってしまう。

何度でもその笑顔が見たくて。

もっともっと、蓮を幸せにしたくて。

引き寄せられるように、どちらからともなくまた唇を寄せてーー


「ねぇモモ、うちらの存在って忘れられてる?」

「しーっ!陽菜ちゃん、今とってもいい所だから」

………あ。


ぎゃぁあぁあぁあぁぁあ!!

お、俺は…!友達の前でなんて事を…!!

「ごめんごめんごめん!今見た事はどうか忘れてください何卒!!」

懇願しながらジタバタと暴れて蓮の腕から逃れようとするけど、ガッチリ囲われて離れられない。

「チッ、お前ら邪魔だ帰れ」

「こら、蓮!」

相変わらず悪態は吐いてるけど、それでも最初に比べたらかなり空気は柔らかくなった。

怪我の功名ってやつかな…俺の精神は削られたけどね、うん。

「と、とにかく!俺は大丈夫だからね!」

「本当ごめんね、晴ちゃん。」

ションボリした姫にも気にしないでと笑顔を向ける。

どうやら姫、遠足の前日に両瞼の上を蚊に刺されて散々な思いをした事があるんだって。

うわぁそれは最悪かも、写真とか撮っただろうし。

それ以来、奴等の姿を見つけたら必ず駆逐するハンターと化してるんだそうだ。

あの殺気に満ちた目と信じられないパワーの理由に密かに納得。

すると、一人で頷く俺を不思議そうに見ていたピィちゃんが、パッと明るい声をあげた。

「わぁ、晴人君のネイル綺麗にできてる!明日バッチリだねぇ!」

こう言う時、ほんわかしたピィちゃんの声は場を和ませてくれる。

「あ、そうそう!姫が頑張ってくれたからね!」

張り詰めたリビングが一転して明日のウキウキワクワクに包まれる。

かと思ったんだけど…

「明日晴は不参加で」

まだ俺をガッチリ掴んだままの蓮が爆弾を投下した。

「ちょっ…蓮!?」

「ど、どうしてですか!?」

「ぶん殴られたんだぜ?安静にしとかないとな」

「は…はぁ!?ふざけんじゃないわよ!!」



ギャアギャアとした言い争いは結局夜まで続いて。


最終的に、今度蓮と2人でも行くって事になって何とか許可が降りた。

いや、何で??

最早安静とか関係なくない???

「つ…疲れた…」

ゲッソリしながら帰って行った姫とピィちゃんには大変申し訳なかった。

「もう、蓮ッ!…って、え??」

2人きりになってから厳重抗議の姿勢でキッと睨んだのに、ヒョイと抱えられてベッドルームに連れ込まれて。

「ちょっと待て…あっ、こら!…ンッ…」

気付いた時には蓮の腕の中で素肌を触れ合わせてた。

「アッ…やぁっ、何でぇ…??」

「最初が翔で次がアイツらとか…」

「ふぇ…?ンッ…それ気持ち…あっ…も、ダメ…ッ」

蓮が何か言ってたけど、聞き取る余裕なんてなくて。

それでも、いつもと違って一回で解放してくれたし、次の日朝から歩けたから蓮なりにかなり手加減してくれたんだと思う。

ご丁寧に舞浜までバイクで送り届けられた俺を見て、姫は白目剥いてたけど。…ごめんて。

「帰り迎えにくるから連絡しろ」

「分かったってば、じゃあね!」

ちょっとプンスコして早々に追い返しちゃったけど俺は悪くないよね?

てか、蓮がヘルメット外したもんだから超目立ってたし。

道行く女子の目がもれなくハートになってたからとかじゃないし…!

だからピィちゃん、そんなニコニコして俺を見ないで…!!



でもでも、どんな状況だって楽しいのが夢の国!

そりゃあもう思い出いっぱいお腹もいっぱい!


行くまでが大変だったけど、めちゃめちゃ楽しい時間を過ごせたから、めでたしめでたし…だよね!!















この数ヶ月後、約束した蓮と2人でのそれが2泊3日(それもコンシェルジュデラックスビューと、オモチャの物語がコンセプトの予約困難なあのホテルにお泊まり)の超豪華版になる事を、この時の俺はまだ知らない。


●●●





















ここ数ヶ月、入社以来1番忙しくて創作活動が全然できずフラストレーションMAXでして。
ストックしてた話の中で時期的にも丁度良かったので更新してみました。
作者は晴と同じく初心者なので何か間違ってたらすみません。。ディズニー行きてぇ。

はぁぁスッキリしたよありがとう蓮晴!
因みに晴の頬は無事でした。腫れも赤味もなし。
晴×服飾学校組は書いてて楽しいです笑




























































































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感想 100

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みんなの感想(100件)

うみ
2025.10.19 うみ

晴ちゃん夢の国楽しめて良かったね~!
蓮と行ったら、注目集めちゃう?
姫とピィちゃんと晴では、可愛い子3人組だし、蓮と晴ではヨダレもののカップルですね~。

うみも好きなんだけど、あんまり行けないから、行く度に大変です。

2025.10.26 あさひてまり

うみ様

コメントありがとうございます😊

そうですね、蓮は変装しても骨格からして一般人とは違うので相当注目されると思います笑
ただそこは夢の国!パレードが始まれば皆んなキャラクターに夢中なので蓮にとってはそこがチャンスですね!(←何のチャンスかはご想像にお任せします笑)
あっ…作者もヨダレが…笑

うみ様もディズニーお好きなんですね♡
行く度にお作法が変わっててビックリですが、やっぱり楽しいですよね〜😆


ちょこちょこ番外編を更新していきますので今後もお楽しみいただけると嬉しいです🌸

解除
innocence0168
2025.08.17 innocence0168

番外編、ありがとうございます!
やっと晴ちゃんに会えたーー!!
やっぱりかわいいです、癒しです!
最初不穏でハラハラしてましたが…😅
読めて良かったです、ありがとうございます。
温泉話はイチャラブになるのかなー?だと良いなぁ〜
今メイン更新されてるお話の後とのことですが、楽しみに待たせていただきます!

2025.09.07 あさひてまり

innocence0168様

コメントありがとうございます😊
お返事が遅くなって申し訳ないです💦

晴を癒しと言っていただけて嬉しいです♡
晴は書いてて楽しいなぁと作者も改めて感じた回でした笑
次回の温泉は…イチャラブしますよー!!
晴にトコトン弱い蓮の姿が見れると思いますのでお楽しみに!笑

引き続き番外編をよろしくお願いします🌸

解除
カスミ草
2025.06.30 カスミ草

ここまでずっと読んできて思った事は、この物語は細部まで拘って練りに練られたものだったんですね。
生まれた時から学生時代、大人になってから、そして恐ろしい御家事情等。周りの人達を巻き込みながら拗れた恋愛を解きほぐして行くんだろうと安易に考えてました。
恥ずかしい私でした。

ずっと読み返してみて、こういう事だったのかと思い、改めてこの小説の凄さを感じてます。
最高に面白いです。

2025.08.17 あさひてまり

カスミ草様

入力したはずのお返事が反映されていない事にたった今気が付きました😭
調子の悪いパソコンのせいかと…
大っっっ変遅くなってしまい申し訳ありません💦

感想ありがとうございます💕
きちんと伝えきれているかはともかくとして、作者の拘りと細かい設定だけは満載の作品となっております🤣笑
なので、カスミ草様にそんな風に言っていただけてとっても嬉しいです✨✨
読み返していただけるなんて作者冥利につきます!ありがとうございます💕

新作を更新中のため少し時間が空きますが、次の番外編も本編に入りきらなかった設定を小出しにしていく予定ですので笑
またお読みいただけると嬉しいです🌸

解除

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