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番外編
桜の追憶③
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解決編『51』の後半を読み返していただくと分かりやすいかもしれません。
●●●
(side 切藤蓮)
「手記には、その後東宮が次の帝になったと書かれていました。始祖様の孫の話も登場したので、長生きなさったようで良かったと思います。」
学習発表会みたいな言い方のせいで台無しだが、歴史的に見てもかなり重みのある話だ。
「そうか…それが本当なら、初めから狂っていたわけでは無いんだな…」
親父がポツリと呟く。
愛した相手の為のそれを、献身と取るか執念と取るかで意見が分かれそうだが…少なくとも職務は全うしていた訳だ。
現代の感覚だと、自分の色恋に子供達を巻き込むヤベェ毒親だけどな。
まぁ、当時の帝の地位を考えればその子供達も自分の仕事に誇りを持ってたのかもしれないが。
「関白家の子孫の方とお話しする機会があったんですが、その家には今でも『霊泉家を疎かにせぬように』との家訓が伝わっているそうです。」
歴史的に表に出る事のできない影の存在を、功労者として讃える一族がいたらしい。
だけど、人間は忘れる生き物だ。
始祖の想いも責務への矜持も次第に失われ、権力という後ろ盾を得た一族は暴走していく。
何よりも自分達の血を尊ぶ狂気の一族へと…。
「そうそう、霊泉家の『天敵』は知っているよね?実は始祖様が生きていた頃は仲が良かったみたいで、出産はその一族が暮らす神社でしたんだって。始祖様は巫女である御当主を『本物』だと記していたよ。」
これまでの話で確信したが、霊泉家が『神力』で帝の治世を助けたってのは間違いだ。
真相はいつだか親父が推理していたように、高いIQ値が代々受け継がれていっただけ。
脳科学なんてない時代にはそれが神力のように見えたのか…はたまた霊泉家が自分たちを大きくみせる為に吐いた嘘か。
どちらにせよ、平たく言えば他より頭が切れるだけの人間だ。
一方で、京都の御当主とやらはどうか。
観察眼に長けていたらしい始祖が『本物』と認めた存在。
京都の神社で俺を見て、如何にも始祖と懇意にしていたかのような言葉を発していた少女。
それこそ、平安時代に生きた人間と身近に接していたかのように。
そして、一瞬の間に忽然と姿を消して…。
いや、やめよう。
世の中には知る必要のない事だってある。
「始祖様はいつか自分の子孫が帝への忠義を見失うんじゃないかって予見してたみたい。だから、その御当主に頼んだんだって。『一族が道を間違えた時は正してやって欲しい』って。
本人に聞きに行ったから間違いないけど、これが霊泉家がお取り潰し寸前になった真相らしいよ。」
つまり、始祖と結んだ約束を守ろうとした訳か。
だが、既に性根が腐りきっていた霊泉家は正しい方向に舵を戻す事ができなかった。
むしろ『天敵』『政敵』だと牽制し、関東へと移ってまで京都との関わりを断って。
そこまでして権力に執着する様は、ある意味滑稽とも言える。
…って言うか待て。
「お前自由すぎねぇ?」
霊泉家の人間である与一郎は監視下にある筈だ。
親父の跡継ぎとして切藤総合病院を運営する事で利を与えられるからと、生かされただけ。
なのに京都まで行くのを許されてるのかよ。
「手記の話をして自分のルーツが知りたいって言ったら快く送り出してくれたよ?叔父上、側近の黒スーツの男性を覚えてますよね?実はあれが…」「ちょ、待ちなさい……!蓮!!」
親父がストップをかけるのと、俺が与一郎をソファから蹴り落すのは同時だった。
「いっ、痛い!」
恨みがましい声を上げる与一郎を冷ややかに見降ろす。
「テメェ、余計な事ペラペラ喋んじゃねぇ。」
俺は親父と与一郎が霊泉家を潰す為に交渉した相手を知らない。
正確には、知らない事になってる。
親父から聞いてるのは交渉内容だけで、それ以上俺を踏み込ませる事は無いし俺も知りたいとは思わない。
霊泉家の始祖をして『本物』と言わしめた一族の当主より、更に強大な存在。
その誕生によって血統は枝分かれし、光と影のように表裏一体となって現代に至る。
片翼を喪えば、この国は機能しない。
「でも、彼の方は蓮に全部話していいと仰っていたよ?」
「頭沸いてんのかテメェは」
国家機密に態々首突っ込む馬鹿が何処にいんだよ。
心底分からないと言った表情の与一郎は俺を見て、親父を見て…突然目を見開いた。
「そうか!晴の事が心配なん…うぐっ…」
「名前」
口にすんなって言ったよなァ?
ほんの数分前の忠告すら覚えてられないらしいクソ野郎の顔面を鷲掴みにする。
「で、でも…」
掌の圧でくぐもった声に力を強めると、ミシッと音がした。
こんな馬鹿に図星を突かれた事に腹が立つ。
そう、何より俺が恐れてるのはまた晴を巻き込む事だ。
実際、あっち側はいとも容易く晴に接近してみせた。
粉々になった桜守りが直って、いつの間にか俺の元(正確には意識不明の俺の枕元に)に戻って来ていたのを晴から聞いた時には肝を冷やした。
修理の為に向こうの使者に桜守りを渡したのは親父だったと後から知ったが、その親父にすら来訪の知らせは無かったらしい。
つまり、霊泉家対策で守りが万全だった筈の切藤総合病院への侵入を簡単に許したって事だ。
あの時、俺の病室では晴が一緒に暮らしてた。
万が一そこに、悪意があったら…。
俺の預かり知らぬ所で晴に近付かれていた事に肌が粟立った。
「でも、晴に危害を加えたりしないと思うけれど…」
呑気な与一郎に苛立ちが募る。
そんな人間的な考えが通用するとでも?
コイツのT大主席卒業間違い無しって触れ込みは誤報か?
もうこれは、教育的指導としてカチ割ってもいいんじゃないだろうか。
何より俺の晴の名前を二度も口にするって大罪を犯してるし。
よし、やっちまおう。
秒で決意して片手床ダンクを決めようとした、その時ーー
「おーっす、悪い遅れ…うぇぇぇ⁉︎どう言う状況⁉︎」
ノックも無しに入って来たのは翔だった。
チッ
「コラッ蓮!舌打ちすんじゃありません!全くお前は…」
引き離した与一郎をソファに座らせながら、翔が保護者面の説教を…
「頭蓋骨は修復難しいんだからな!腕か脚ならワンチャン綺麗にくっつくから!」
…してこなかった。
折っても治ればいいと思ってんなこれ。
「そんな…翔まで…」
与一郎が震えてるが当然だろ。
美優の件で煽りやがった事を翔が忘れる訳ない。
しかも、晴の事を(ウザイぐらいに)可愛がってるときた。
自分がいない間の一部始終を聞いて、怒らない筈がない。
「お前達、いい加減にしなさい。」
ここで漸く親父の登場だが、声に鋭さは無い。
この親父も(変態なレベルで)晴を可愛がってるからな。
多分「まぁ折れたら自分が治せばいいか」なんて思ってたんだろう。
与一郎、お前が懐いてるのこんな奴だけどいいんか?
「全員座りなさい。与一郎君、私は翔にも蓮にもこれ以上関わらせるつもりは無いんだよ。それから、晴ちゃんにも絶対に。」
最後の一言を殊更強く言った親父が続ける。
「大切な相手の事になると心配が尽きないのは君も分かるだろう?」
「それは…」
妹の事でも思い出したのか与一郎が俯く。
「だから、あの事は君と私二人だけの秘密にしておこう。」
「…叔父上と…はいっ!」
ブンブン頷く頭を苦笑した親父が撫でる。
学歴は優秀だが、精神的にガキすぎだろ…。
異様な環境で育ったせいだと分かってはいるが、余りにも阿保な発言の多さには辟易しかない。
くっそダルすぎる…早く帰って晴を吸いたい。
あの何とも言えない落ち着く匂いに顔を埋めたい…。
ってかそもそも俺、今日何でここに呼ばれた訳?
思考を飛ばしつつ疑問を抱く耳に、与一郎がまだ何か言ってるのが聞こえてくる。
「ですが、僕はこれで確信しました!愛の重さ、一途さ…それから、愛する相手の為なら手段を選ばない所。やはり尤も始祖様に近い…霊泉家らしい人間は蓮です。」
まだ言ってんのかコイツ…
「それは彼の方も分かってらっしゃる。だからこそ今日、僕はここに来たんです。」
急激に部屋の温度が下がる。
つまり…代理としてここに来たって事か?
俄に警戒する俺達に構わず与一郎は続けた。
「彼の方は、蓮が当主となるならば霊泉家の再建を許すとお考えです。」
●●●
先日、間違って一つ先の話を更新してしまいました!エールやいいねをいただいてたんですが、こちらは削除させていただきます(>_<)
下書きの70文字くらいだったのでネタバレはギリセーフだったかと思うのですが…見ちゃった方は申し訳ありませんでした(´;Д;`)気を付けます!
そして間違いに慌てて何故か④と⑤を全削除してしまったのでした。。
バックアップ忘れてたので書き直し中です(T ^ T)
おっちょこ野郎とは作者の事であります(T ^ T)
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(side 切藤蓮)
「手記には、その後東宮が次の帝になったと書かれていました。始祖様の孫の話も登場したので、長生きなさったようで良かったと思います。」
学習発表会みたいな言い方のせいで台無しだが、歴史的に見てもかなり重みのある話だ。
「そうか…それが本当なら、初めから狂っていたわけでは無いんだな…」
親父がポツリと呟く。
愛した相手の為のそれを、献身と取るか執念と取るかで意見が分かれそうだが…少なくとも職務は全うしていた訳だ。
現代の感覚だと、自分の色恋に子供達を巻き込むヤベェ毒親だけどな。
まぁ、当時の帝の地位を考えればその子供達も自分の仕事に誇りを持ってたのかもしれないが。
「関白家の子孫の方とお話しする機会があったんですが、その家には今でも『霊泉家を疎かにせぬように』との家訓が伝わっているそうです。」
歴史的に表に出る事のできない影の存在を、功労者として讃える一族がいたらしい。
だけど、人間は忘れる生き物だ。
始祖の想いも責務への矜持も次第に失われ、権力という後ろ盾を得た一族は暴走していく。
何よりも自分達の血を尊ぶ狂気の一族へと…。
「そうそう、霊泉家の『天敵』は知っているよね?実は始祖様が生きていた頃は仲が良かったみたいで、出産はその一族が暮らす神社でしたんだって。始祖様は巫女である御当主を『本物』だと記していたよ。」
これまでの話で確信したが、霊泉家が『神力』で帝の治世を助けたってのは間違いだ。
真相はいつだか親父が推理していたように、高いIQ値が代々受け継がれていっただけ。
脳科学なんてない時代にはそれが神力のように見えたのか…はたまた霊泉家が自分たちを大きくみせる為に吐いた嘘か。
どちらにせよ、平たく言えば他より頭が切れるだけの人間だ。
一方で、京都の御当主とやらはどうか。
観察眼に長けていたらしい始祖が『本物』と認めた存在。
京都の神社で俺を見て、如何にも始祖と懇意にしていたかのような言葉を発していた少女。
それこそ、平安時代に生きた人間と身近に接していたかのように。
そして、一瞬の間に忽然と姿を消して…。
いや、やめよう。
世の中には知る必要のない事だってある。
「始祖様はいつか自分の子孫が帝への忠義を見失うんじゃないかって予見してたみたい。だから、その御当主に頼んだんだって。『一族が道を間違えた時は正してやって欲しい』って。
本人に聞きに行ったから間違いないけど、これが霊泉家がお取り潰し寸前になった真相らしいよ。」
つまり、始祖と結んだ約束を守ろうとした訳か。
だが、既に性根が腐りきっていた霊泉家は正しい方向に舵を戻す事ができなかった。
むしろ『天敵』『政敵』だと牽制し、関東へと移ってまで京都との関わりを断って。
そこまでして権力に執着する様は、ある意味滑稽とも言える。
…って言うか待て。
「お前自由すぎねぇ?」
霊泉家の人間である与一郎は監視下にある筈だ。
親父の跡継ぎとして切藤総合病院を運営する事で利を与えられるからと、生かされただけ。
なのに京都まで行くのを許されてるのかよ。
「手記の話をして自分のルーツが知りたいって言ったら快く送り出してくれたよ?叔父上、側近の黒スーツの男性を覚えてますよね?実はあれが…」「ちょ、待ちなさい……!蓮!!」
親父がストップをかけるのと、俺が与一郎をソファから蹴り落すのは同時だった。
「いっ、痛い!」
恨みがましい声を上げる与一郎を冷ややかに見降ろす。
「テメェ、余計な事ペラペラ喋んじゃねぇ。」
俺は親父と与一郎が霊泉家を潰す為に交渉した相手を知らない。
正確には、知らない事になってる。
親父から聞いてるのは交渉内容だけで、それ以上俺を踏み込ませる事は無いし俺も知りたいとは思わない。
霊泉家の始祖をして『本物』と言わしめた一族の当主より、更に強大な存在。
その誕生によって血統は枝分かれし、光と影のように表裏一体となって現代に至る。
片翼を喪えば、この国は機能しない。
「でも、彼の方は蓮に全部話していいと仰っていたよ?」
「頭沸いてんのかテメェは」
国家機密に態々首突っ込む馬鹿が何処にいんだよ。
心底分からないと言った表情の与一郎は俺を見て、親父を見て…突然目を見開いた。
「そうか!晴の事が心配なん…うぐっ…」
「名前」
口にすんなって言ったよなァ?
ほんの数分前の忠告すら覚えてられないらしいクソ野郎の顔面を鷲掴みにする。
「で、でも…」
掌の圧でくぐもった声に力を強めると、ミシッと音がした。
こんな馬鹿に図星を突かれた事に腹が立つ。
そう、何より俺が恐れてるのはまた晴を巻き込む事だ。
実際、あっち側はいとも容易く晴に接近してみせた。
粉々になった桜守りが直って、いつの間にか俺の元(正確には意識不明の俺の枕元に)に戻って来ていたのを晴から聞いた時には肝を冷やした。
修理の為に向こうの使者に桜守りを渡したのは親父だったと後から知ったが、その親父にすら来訪の知らせは無かったらしい。
つまり、霊泉家対策で守りが万全だった筈の切藤総合病院への侵入を簡単に許したって事だ。
あの時、俺の病室では晴が一緒に暮らしてた。
万が一そこに、悪意があったら…。
俺の預かり知らぬ所で晴に近付かれていた事に肌が粟立った。
「でも、晴に危害を加えたりしないと思うけれど…」
呑気な与一郎に苛立ちが募る。
そんな人間的な考えが通用するとでも?
コイツのT大主席卒業間違い無しって触れ込みは誤報か?
もうこれは、教育的指導としてカチ割ってもいいんじゃないだろうか。
何より俺の晴の名前を二度も口にするって大罪を犯してるし。
よし、やっちまおう。
秒で決意して片手床ダンクを決めようとした、その時ーー
「おーっす、悪い遅れ…うぇぇぇ⁉︎どう言う状況⁉︎」
ノックも無しに入って来たのは翔だった。
チッ
「コラッ蓮!舌打ちすんじゃありません!全くお前は…」
引き離した与一郎をソファに座らせながら、翔が保護者面の説教を…
「頭蓋骨は修復難しいんだからな!腕か脚ならワンチャン綺麗にくっつくから!」
…してこなかった。
折っても治ればいいと思ってんなこれ。
「そんな…翔まで…」
与一郎が震えてるが当然だろ。
美優の件で煽りやがった事を翔が忘れる訳ない。
しかも、晴の事を(ウザイぐらいに)可愛がってるときた。
自分がいない間の一部始終を聞いて、怒らない筈がない。
「お前達、いい加減にしなさい。」
ここで漸く親父の登場だが、声に鋭さは無い。
この親父も(変態なレベルで)晴を可愛がってるからな。
多分「まぁ折れたら自分が治せばいいか」なんて思ってたんだろう。
与一郎、お前が懐いてるのこんな奴だけどいいんか?
「全員座りなさい。与一郎君、私は翔にも蓮にもこれ以上関わらせるつもりは無いんだよ。それから、晴ちゃんにも絶対に。」
最後の一言を殊更強く言った親父が続ける。
「大切な相手の事になると心配が尽きないのは君も分かるだろう?」
「それは…」
妹の事でも思い出したのか与一郎が俯く。
「だから、あの事は君と私二人だけの秘密にしておこう。」
「…叔父上と…はいっ!」
ブンブン頷く頭を苦笑した親父が撫でる。
学歴は優秀だが、精神的にガキすぎだろ…。
異様な環境で育ったせいだと分かってはいるが、余りにも阿保な発言の多さには辟易しかない。
くっそダルすぎる…早く帰って晴を吸いたい。
あの何とも言えない落ち着く匂いに顔を埋めたい…。
ってかそもそも俺、今日何でここに呼ばれた訳?
思考を飛ばしつつ疑問を抱く耳に、与一郎がまだ何か言ってるのが聞こえてくる。
「ですが、僕はこれで確信しました!愛の重さ、一途さ…それから、愛する相手の為なら手段を選ばない所。やはり尤も始祖様に近い…霊泉家らしい人間は蓮です。」
まだ言ってんのかコイツ…
「それは彼の方も分かってらっしゃる。だからこそ今日、僕はここに来たんです。」
急激に部屋の温度が下がる。
つまり…代理としてここに来たって事か?
俄に警戒する俺達に構わず与一郎は続けた。
「彼の方は、蓮が当主となるならば霊泉家の再建を許すとお考えです。」
●●●
先日、間違って一つ先の話を更新してしまいました!エールやいいねをいただいてたんですが、こちらは削除させていただきます(>_<)
下書きの70文字くらいだったのでネタバレはギリセーフだったかと思うのですが…見ちゃった方は申し訳ありませんでした(´;Д;`)気を付けます!
そして間違いに慌てて何故か④と⑤を全削除してしまったのでした。。
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おっちょこ野郎とは作者の事であります(T ^ T)
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