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闘技祭 決戦編
リクの実力
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「ぶった切ってやる!!」
「くっ……!!」
「何てねっ!!」
氷装剣を振り翳したレナに対してリクは神器の杖を構えるが、寸前でレナは長剣を停止させ、相手の膝に向けて蹴り込む。事前に限界強化の支援魔法を発動させているレナの蹴りを受けたリクは苦痛の表情を浮かべ、蹴りつけられた膝を抑える。
「ぐあっ!?」
「貰いっ!!」
隙を見せたリクに対してレナは彼の手から杖を奪い取ると、七つの魔石が取り付けられた杖が光り輝く。その光景に周囲の兵士達は目を奪われ、膝を抑えながらもリクは笑みを浮かべた。
「引っかかったな……痺れろ」
「うわっ!?」
レナが杖を握りしめた瞬間に七つの魔石が黄色に変化して光り輝くと、電流が杖から放たれてレナの肉体を襲う。予想外の攻撃にレナは苦痛の表情を浮かべ、リクは笑い声をあげる。
「残念だったな!!その杖は使用者を選ぶ……お前如きには使えないんだ!!」
「っ……なら、お前も痺れろ!!」
「ぐあっ!?」
電流を浴びながらもレナはリクに向けて手を伸ばし、彼の身体を掴んで電流を送り込む。魔術師の職業を習得している人間は魔法に対する耐性が高く、普通の人間ならば感電しする程の電圧だろうとレナの肉体ならば耐えきれない程ではない。むしろ足を掴まれたリクの方が悲鳴を上げ、耐え切れずに倒れこむ。
「は、離せぇっ!?クソガキがぁっ!!」
「お前、王妃以外の相手だと意外と口が悪いなっ!!」
「げふぅっ!?」
電流を放ち続ける神器の杖を振り翳し、リクの頭部に叩きこむ。少々勿体ないが今の状態では持ち帰る事は出来ず、レナは杖を手放す。
「いつつ……流石に痺れたな」
「い、今だ!!奴等を捕まえろ!!」
「ふ、二人とも捕まえるのですか?」
「当たり前だ!!早く行けっ!!」
痺れている二人の姿を見て兵士達が武器を構えると、流石に身体が痺れて上手く動けず、仕方なくレナは壁に背中を預けて両手を向ける。その光景に魔法を使用する気なのかと兵士達は怯えるが、彼等が予想している以上にレナも追い詰められていた。
(不味い……身体が痺れて感覚も麻痺してきた。意識が飛びそうだ)
予想外の電圧によって身体の痺れが抜けきらず、レナは気絶しないように立ち尽くすのが限界であり、魔法を発動させる事も難しい。しかも最悪な事に通路側から嫌に聞き覚えのある声が響いてきた。
「何事だ!!一体何をしている!!」
「あ、ミドル大将軍!!」
「ミドル様!!ミドル様が来てくれたぞ!!」
「嘘だろおい……」
通路側から複数の兵士を同行させたミドルが姿を現し、レナ達を取り囲んでいた兵士が歓喜の声を上げる。この状況で現れたミドルにレナは冷や汗が止まらず、流石にこの状態で勝てる相手ではない。
「ミドル将軍!!この者達が唐突に襲い掛かってきたのです!!それに片方は奇怪な魔法を扱いますのでご注意ください!!」
「奇怪な魔法……分かった。お前達は下がっていろ」
ミドルは立ち尽くしているレナに視線を向け、訝し気な表情を浮かべながらも槍を握りしめる。まだ完全に正体が判明したわけではないが、どちらにしろ不味い状況である事に変わりはなく、レナは壁に身体を預けながらもミドルの様子を伺う。
(くそ、この状態で戦えるのか?一体どうすれば……そうだ!!)
レナは倒れているリクに視線を向け、おあつらえ向きに顔を隠していた兜が剥がれており、彼の身体を後ろから抱き上げて首元を締め付けながら見せつける。
「近寄るなっ……」
「ぐうっ……!?」
「何っ……!?」
「貴様、何の真似だ!!」
「人質のつもりか!?」
リクの顔をよく見えるようにレナはミドルに構えると、すぐにリクの正体に気付いたミドルは目を見開く。だが、兵士達はレナの行動を訝しみ、武器を構えたままミドルの指示を待つ。
「ミドル様、どうしますか?」
「このまま拘束しますか?」
「……いや、ここは僕に任せろ」
兵士達を下がらせ、ミドルは槍を握りしめたまま二人の元へ接近する。その行動を確認しながらレナはリクの身体を盾にするように身構えると、意識を取り戻したのかリクは憎々し気に睨みつけながら語り掛ける。
「無駄だっ……俺達に人質としての価値はない」
「えっ?」
「……すまない」
リクの言葉を聞いてレナは呆気に取られると、ミドルはゆっくりと槍の刃先を向ける。その行動にミドルはリクの身体ごと自分の身体を貫こうとしている事にレナは気付き、咄嗟にリクの身体を抱えた状態で身体を反転させる。
「くっ……!!」
「なっ……!?」
「刺突!!」
レナがリクを庇うように背中を向けた瞬間、リクは驚愕の表情を浮かべ、ミドルは槍を突き出す。その直後、兵士達の視界にはレナの背中にミドルの槍先が飲み込まれた光景が映し出された――
「くっ……!!」
「何てねっ!!」
氷装剣を振り翳したレナに対してリクは神器の杖を構えるが、寸前でレナは長剣を停止させ、相手の膝に向けて蹴り込む。事前に限界強化の支援魔法を発動させているレナの蹴りを受けたリクは苦痛の表情を浮かべ、蹴りつけられた膝を抑える。
「ぐあっ!?」
「貰いっ!!」
隙を見せたリクに対してレナは彼の手から杖を奪い取ると、七つの魔石が取り付けられた杖が光り輝く。その光景に周囲の兵士達は目を奪われ、膝を抑えながらもリクは笑みを浮かべた。
「引っかかったな……痺れろ」
「うわっ!?」
レナが杖を握りしめた瞬間に七つの魔石が黄色に変化して光り輝くと、電流が杖から放たれてレナの肉体を襲う。予想外の攻撃にレナは苦痛の表情を浮かべ、リクは笑い声をあげる。
「残念だったな!!その杖は使用者を選ぶ……お前如きには使えないんだ!!」
「っ……なら、お前も痺れろ!!」
「ぐあっ!?」
電流を浴びながらもレナはリクに向けて手を伸ばし、彼の身体を掴んで電流を送り込む。魔術師の職業を習得している人間は魔法に対する耐性が高く、普通の人間ならば感電しする程の電圧だろうとレナの肉体ならば耐えきれない程ではない。むしろ足を掴まれたリクの方が悲鳴を上げ、耐え切れずに倒れこむ。
「は、離せぇっ!?クソガキがぁっ!!」
「お前、王妃以外の相手だと意外と口が悪いなっ!!」
「げふぅっ!?」
電流を放ち続ける神器の杖を振り翳し、リクの頭部に叩きこむ。少々勿体ないが今の状態では持ち帰る事は出来ず、レナは杖を手放す。
「いつつ……流石に痺れたな」
「い、今だ!!奴等を捕まえろ!!」
「ふ、二人とも捕まえるのですか?」
「当たり前だ!!早く行けっ!!」
痺れている二人の姿を見て兵士達が武器を構えると、流石に身体が痺れて上手く動けず、仕方なくレナは壁に背中を預けて両手を向ける。その光景に魔法を使用する気なのかと兵士達は怯えるが、彼等が予想している以上にレナも追い詰められていた。
(不味い……身体が痺れて感覚も麻痺してきた。意識が飛びそうだ)
予想外の電圧によって身体の痺れが抜けきらず、レナは気絶しないように立ち尽くすのが限界であり、魔法を発動させる事も難しい。しかも最悪な事に通路側から嫌に聞き覚えのある声が響いてきた。
「何事だ!!一体何をしている!!」
「あ、ミドル大将軍!!」
「ミドル様!!ミドル様が来てくれたぞ!!」
「嘘だろおい……」
通路側から複数の兵士を同行させたミドルが姿を現し、レナ達を取り囲んでいた兵士が歓喜の声を上げる。この状況で現れたミドルにレナは冷や汗が止まらず、流石にこの状態で勝てる相手ではない。
「ミドル将軍!!この者達が唐突に襲い掛かってきたのです!!それに片方は奇怪な魔法を扱いますのでご注意ください!!」
「奇怪な魔法……分かった。お前達は下がっていろ」
ミドルは立ち尽くしているレナに視線を向け、訝し気な表情を浮かべながらも槍を握りしめる。まだ完全に正体が判明したわけではないが、どちらにしろ不味い状況である事に変わりはなく、レナは壁に身体を預けながらもミドルの様子を伺う。
(くそ、この状態で戦えるのか?一体どうすれば……そうだ!!)
レナは倒れているリクに視線を向け、おあつらえ向きに顔を隠していた兜が剥がれており、彼の身体を後ろから抱き上げて首元を締め付けながら見せつける。
「近寄るなっ……」
「ぐうっ……!?」
「何っ……!?」
「貴様、何の真似だ!!」
「人質のつもりか!?」
リクの顔をよく見えるようにレナはミドルに構えると、すぐにリクの正体に気付いたミドルは目を見開く。だが、兵士達はレナの行動を訝しみ、武器を構えたままミドルの指示を待つ。
「ミドル様、どうしますか?」
「このまま拘束しますか?」
「……いや、ここは僕に任せろ」
兵士達を下がらせ、ミドルは槍を握りしめたまま二人の元へ接近する。その行動を確認しながらレナはリクの身体を盾にするように身構えると、意識を取り戻したのかリクは憎々し気に睨みつけながら語り掛ける。
「無駄だっ……俺達に人質としての価値はない」
「えっ?」
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リクの言葉を聞いてレナは呆気に取られると、ミドルはゆっくりと槍の刃先を向ける。その行動にミドルはリクの身体ごと自分の身体を貫こうとしている事にレナは気付き、咄嗟にリクの身体を抱えた状態で身体を反転させる。
「くっ……!!」
「なっ……!?」
「刺突!!」
レナがリクを庇うように背中を向けた瞬間、リクは驚愕の表情を浮かべ、ミドルは槍を突き出す。その直後、兵士達の視界にはレナの背中にミドルの槍先が飲み込まれた光景が映し出された――
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