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都市崩壊編
紅蓮の力
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「……この中で俺以外に火属性の魔法を使える人は?」
「森人族の俺等にそれを聞くか?」
「私は無理ね、人魚族の血が濃い人間は火属性は扱えないわ」
「私は一応は扱えますが、ここはレナ様の方がよろしいと思います」
「だよね……」
この場に集まった人間達の中で火属性を習得し、更に魔力の容量や魔術師の職業を習得しているのはレナだけのため、必然的に紅蓮の使用者はレナに決まる。剣も扱えるという点では妖刀を使用する事に特に問題はなく、仕方なくレナは大人しくなった地竜の甲羅へ移動を行う。
「さてと……爆発に巻き込まれてもいいように魔鎧術も発動させておくか」
紅蓮の使用時に発動する爆炎はレナの肉体に損傷を与える事はないが、身に付けている装備品は別のため、念のために魔力を実体化させて全身に多い込む。岩石の外殻に掌を押し当てながら核の位置を把握し、刃を構える。
「よし、ここからでいいか……爆風に巻き込まれた破片に気を付けないとな」
紅蓮を構えたレナはまずは性能を試すために刃を構え、軽く岩石の外殻の表面を切り裂く。その直後、切口が発火して小規模の爆発を引き起こす。
「うわっ!?軽くやっただけなのに凄い威力だな……でも、今ので結構魔力を使うなこれ」
ここまでの戦闘でレナも大分魔力を消耗しており、試し切りを終えると今度は一気に掘り進めるために戦技を発動させて外殻の破壊を行う。
「さてと……久々の、兜砕き!!」
『ッ……!?』
剛剣を発動させて紅蓮の刃を甲羅に衝突させた瞬間、爆炎が発生して甲羅の全体に広がっていた亀裂がさらに深まる。刃を受けた個所に至っては瓦礫が砕け、大きな穴を形成した。大きさ的には一撃で1メートルの距離を掘り進め、あと数回も使用すれば各が存在する位置まで届くだろう。
「くうっ……結構きついなこれ、よくさっきのゴブリンはあんなにバンバンと使ってたな。というか、魔物に魔力なんてあるのか?」
ゴブリンキングが紅蓮を多用していた事にレナは今更疑問を抱くが、今は破壊に集中を行う。掘り起こした穴の中に入り込み、今度は切り払う様に刃を振る。
「旋風撃!!」
『オアッ……!?』
続けての一撃で再び振動が襲い掛かり、今度は地竜も耐え切れずに悲鳴を上げる。しかし、穴の中での爆発だったのでレナの身体にも爆炎が襲い掛かり、事前に魔鎧術で全身を保護していなければ装備品は焼き尽くされていただろう。
「うわっとと……流石に長くはもちそうにないな。早く破壊しないと……」
爆発によって形成した洞穴の天井が軋み、来れ以上に強い衝撃を受ければ天井が崩壊してしまう可能性もあった。それでも核が存在する場所まで諦めるわけには行かず、レナは紅蓮を構える。
「レナ、大丈夫か!?」
「おい、引き際を間違えるなよ!!」
「無茶は駄目よ!!」
「今の所は大丈夫!!それより、爆発すると危ないから皆は離れていて!!」
洞穴の入口にて心配した他の人間が覗き込むが、彼等を安心させるために敢えて罅割れた天井の事は告げず、レナは紅蓮を構える。今度の一撃で確実に核が存在する位置まで移動するため、剣鬼の力を発動させて最大の一撃を放つ準備を行う。
「よし……行くぞ!!」
紅色の瞳を輝かせ、勢いよく踏み込んだレナは紅蓮の刀身に紅色の魔力を滲ませながら「鬼刃」を発動させた。しかも今回は通常の鬼刃とは異なり、切り裂くのではなく、より深くに貫くように突き刺す。
「鬼刃っ!!」
『オアアアアッ……!?』
地竜の肉体に今までの中で最大級の振動が襲い掛かり、洞窟内が爆炎によって埋め尽くされ、出入口から火山のように炎が放出される。そんな火炎に飲み込まれた洞窟の中でもレナは紅蓮の剣先に手ごたえを感じ取り、硬い物体に衝突した事を確認する。
「これか……!!」
やがて炎が収まると岩の中に減り込んだ直径が1メートル程は存在する巨大な灰色の魔石を発見し、感じ取れる魔力の容量から地竜の「核」だと確信する。レナは大迷宮内に存在した魔物が体内に宿す「経験石」の事を思い出し、恐らくは地竜の核もそれと同様の物であると思われた。
「うわ、思ったよりもかなりデカいな……でも、こいつを取り外すか破壊すれば地竜も活動を止めるはず……あ、あれ?」
最初は破壊しようかと考えたレナだが、予想以上に先ほどの一撃で体力と魔力を消耗したらしく、足に力が入らずに膝を着いてしまう。全身に覆っていた魔鎧術も消え去り、紅蓮を握りしめながらレナは地竜の核を見上げる。
「くそっ……あと少しなのに」
「おい、坊主!!そこに居たら生き埋めになるぞ!!一度出た方が良い!!」
天井の亀裂が更に広まり、これ以上の衝撃を与えれば確実に崩壊する事は間違いなく、洞窟の入口でシュンが脱出を促す。地竜の核を目の前にしながら退散する事になるのは残念だが、仕方なくレナが外に逃げ出そうとした時に核に異変が生じた。
「森人族の俺等にそれを聞くか?」
「私は無理ね、人魚族の血が濃い人間は火属性は扱えないわ」
「私は一応は扱えますが、ここはレナ様の方がよろしいと思います」
「だよね……」
この場に集まった人間達の中で火属性を習得し、更に魔力の容量や魔術師の職業を習得しているのはレナだけのため、必然的に紅蓮の使用者はレナに決まる。剣も扱えるという点では妖刀を使用する事に特に問題はなく、仕方なくレナは大人しくなった地竜の甲羅へ移動を行う。
「さてと……爆発に巻き込まれてもいいように魔鎧術も発動させておくか」
紅蓮の使用時に発動する爆炎はレナの肉体に損傷を与える事はないが、身に付けている装備品は別のため、念のために魔力を実体化させて全身に多い込む。岩石の外殻に掌を押し当てながら核の位置を把握し、刃を構える。
「よし、ここからでいいか……爆風に巻き込まれた破片に気を付けないとな」
紅蓮を構えたレナはまずは性能を試すために刃を構え、軽く岩石の外殻の表面を切り裂く。その直後、切口が発火して小規模の爆発を引き起こす。
「うわっ!?軽くやっただけなのに凄い威力だな……でも、今ので結構魔力を使うなこれ」
ここまでの戦闘でレナも大分魔力を消耗しており、試し切りを終えると今度は一気に掘り進めるために戦技を発動させて外殻の破壊を行う。
「さてと……久々の、兜砕き!!」
『ッ……!?』
剛剣を発動させて紅蓮の刃を甲羅に衝突させた瞬間、爆炎が発生して甲羅の全体に広がっていた亀裂がさらに深まる。刃を受けた個所に至っては瓦礫が砕け、大きな穴を形成した。大きさ的には一撃で1メートルの距離を掘り進め、あと数回も使用すれば各が存在する位置まで届くだろう。
「くうっ……結構きついなこれ、よくさっきのゴブリンはあんなにバンバンと使ってたな。というか、魔物に魔力なんてあるのか?」
ゴブリンキングが紅蓮を多用していた事にレナは今更疑問を抱くが、今は破壊に集中を行う。掘り起こした穴の中に入り込み、今度は切り払う様に刃を振る。
「旋風撃!!」
『オアッ……!?』
続けての一撃で再び振動が襲い掛かり、今度は地竜も耐え切れずに悲鳴を上げる。しかし、穴の中での爆発だったのでレナの身体にも爆炎が襲い掛かり、事前に魔鎧術で全身を保護していなければ装備品は焼き尽くされていただろう。
「うわっとと……流石に長くはもちそうにないな。早く破壊しないと……」
爆発によって形成した洞穴の天井が軋み、来れ以上に強い衝撃を受ければ天井が崩壊してしまう可能性もあった。それでも核が存在する場所まで諦めるわけには行かず、レナは紅蓮を構える。
「レナ、大丈夫か!?」
「おい、引き際を間違えるなよ!!」
「無茶は駄目よ!!」
「今の所は大丈夫!!それより、爆発すると危ないから皆は離れていて!!」
洞穴の入口にて心配した他の人間が覗き込むが、彼等を安心させるために敢えて罅割れた天井の事は告げず、レナは紅蓮を構える。今度の一撃で確実に核が存在する位置まで移動するため、剣鬼の力を発動させて最大の一撃を放つ準備を行う。
「よし……行くぞ!!」
紅色の瞳を輝かせ、勢いよく踏み込んだレナは紅蓮の刀身に紅色の魔力を滲ませながら「鬼刃」を発動させた。しかも今回は通常の鬼刃とは異なり、切り裂くのではなく、より深くに貫くように突き刺す。
「鬼刃っ!!」
『オアアアアッ……!?』
地竜の肉体に今までの中で最大級の振動が襲い掛かり、洞窟内が爆炎によって埋め尽くされ、出入口から火山のように炎が放出される。そんな火炎に飲み込まれた洞窟の中でもレナは紅蓮の剣先に手ごたえを感じ取り、硬い物体に衝突した事を確認する。
「これか……!!」
やがて炎が収まると岩の中に減り込んだ直径が1メートル程は存在する巨大な灰色の魔石を発見し、感じ取れる魔力の容量から地竜の「核」だと確信する。レナは大迷宮内に存在した魔物が体内に宿す「経験石」の事を思い出し、恐らくは地竜の核もそれと同様の物であると思われた。
「うわ、思ったよりもかなりデカいな……でも、こいつを取り外すか破壊すれば地竜も活動を止めるはず……あ、あれ?」
最初は破壊しようかと考えたレナだが、予想以上に先ほどの一撃で体力と魔力を消耗したらしく、足に力が入らずに膝を着いてしまう。全身に覆っていた魔鎧術も消え去り、紅蓮を握りしめながらレナは地竜の核を見上げる。
「くそっ……あと少しなのに」
「おい、坊主!!そこに居たら生き埋めになるぞ!!一度出た方が良い!!」
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