461 / 2,091
放浪編
まさかの再会 〈デジャウを感じるbyレナ〉
しおりを挟む
――ネズミの協力の元で無事に監獄都市から抜け出したレナとゴンゾウは2日ほど山岳地帯を進むと、遂に獣人国の街へと到着する。獣人国では街によって番号名が付けられており、馬車が到着した街の名前は「1番街」と呼ばれている街だった。
馬車は街の城門で停止すると、二人を下ろして関所へ帰還する。去り際に話し相手になってくれた気さくな兵士がレナとゴンゾウに紙袋を渡す。
「じゃあなお前等!!これは俺からの選別だ。元気でな!!」
「ありがとうございます」
「世話になったな」
「気にするなよ!!達者でな!!」
気さくな兵士は笑い声を上げながら馬車を関所へ引き返し、その後姿を見送るとレナとゴンゾウは紙袋の中身を確認する。袋の中には布製の小袋が入っており、中身は銅貨が十数枚程入っていた。どうやら出所した囚人の選別品らしく、他にも兵士が手作りでつくったと思われるクッキーが中に入っていた。
「お金と食べ物か……一応は空間魔法に予備があるけど、有難いね」
「うん、中々美味いぞ」
「もう食ってるし……でも、仕方ない。まずは腹から満たそうか」
「そうだな!!」
クッキーを口に頬張りながらゴンゾウはレナの言葉に頷き、二人は扉を潜り抜ける。今更ながらに他国の街へ訪れる事が初めてのレナは街や住民の様子を伺い、冒険都市とは大きく違う事を知る。
「当たり前だけど、獣人族ばっかりだね」
「獣人国だからな」
「それに建物も木造製ばっかだな」
「俺の国も似たような物だぞ」
街中には獣人族以外の種族は殆ど存在せず、大半の建物は煉瓦製ではなく木造製で構成され、街のあちこちには屋台が並んでいた。街の何処に移動しても食べ物の匂いが漂い、冒険都市よりも活気にあふれていた。
「らっしゃいらっしゃい!!お、そこの御二人さんは外国人だね?どうだいうちの串焼きは?」
「へえっ、串焼きか……ねえ、これどう見ても鶏肉には見えないんだけど?」
「そりゃそうさ!!なんたってモウギュウの肉焼きだからな!!」
「ほう、それは食いごたえがありそうだな」
串焼きの屋台と言っても販売しているのは鳥の肉ではないらしく、恐らくはこの世界の牛型の魔獣の肉を串で刺して焼いたものらしく、外見はどちからというとケバブに近い。ゴンゾウは嬉々とした表情で先ほどの小袋の銅貨を支払い、串焼きを1本購入する。
「う、美味い!!」
「あはははっ!!そう喜んでくれるとこっちも嬉しいね。ほら、そこの兄ちゃんにはこいつをおまけしてやるよ。ちょっと小さいけど我慢してくれよ」
「どうも……あ、本当に美味しい」
レナも小ぶりの肉が突き刺さった肉を口にすると、冒険都市で輸入される食材の肉よりも良い味だった。二人は串焼きを食べながら街道を歩き、今後の事を話し合う。
「レナ、これからどうする?冒険都市に戻るのか?」
「まあ、当面の目標はそうなるね。でも、他の皆も事も気になるし、もしかしたら俺達のように別の場所に飛ばされているかもしれないから探してみよう」
「都市に戻らないのか?」
「都市に戻りながら皆を探す、そのためにはまず足が必要だな……ウルがいればよかったけど」
他の場所に向かうにしても移動手段がなければ不便のため、ゴンゾウでも乗り込むことが出来る馬車のような乗り物を探す必要がある。ウルが存在すれば馬よりも早く移動する事が出来たのだが、生憎とレナの近くに転移していれば臭いを辿って姿を現すはずなので残念ながらウルはこの地域には転移していない可能性が高い。
「ふうっ……ずっと馬車に揺すられていたから少し疲れたな。ここで休もうか」
「そうだな……綺麗な川だな」
「あ、本当だ。魚もいっぱいいるね」
レナとゴンゾウは橋の上で立ち止まり、川の様子を伺うと大きな魚がちらほらと見えた。土手の方で魚釣りを行う獣人も多く、少し間だけ休憩を挟む。
既に監獄都市に二人が転移してから四日が経過しており、冒険都市の方ではどのような事態に陥っているのか気になるが、現状では仲間が無事である事を祈るしか出来ない。橋の上で二人はため息を吐き出し、これまでの道中でまとも身体を休める暇もない事を思い出した。
「のどかな光景だな……本当、こんな状況じゃなかったら観光を楽しめるのに」
「そうだな……ん?」
「どうかした?」
「いや、川の方で何か動いたような……」
ゴンゾウの言葉を聞いてレナは川の中を覗き込むと、一際大きな魚の影がこちらの方に近付いている事に気付き、何故かレナは嫌な予感を覚えてゴンゾウから橋から離れるように注意する。
「ゴンちゃん!!ここから離れて!!」
「何?どうしたんだ?」
「いいから早く……うわっ!?」
レナの言葉に反応したように水面に派手な水飛沫が発生し、水中から巨大な鮫を口に咥えた少女が飛び出す。彼女は橋の上に着地すると、水飛沫を浴びて水浸しとなったレナとゴンゾウに振り返る。
「……れふぁ、ほんぞ、ひはいぶり」
「まずは口に咥えているのを離してから喋れ……元気そうで嬉しいよコトミン」
約4日ぶり再会を果たした人魚族の少女にレナは笑みを浮かべ、彼女は口元の鮫を地面に下ろすと、両腕を広げて二人に飛びついた――
馬車は街の城門で停止すると、二人を下ろして関所へ帰還する。去り際に話し相手になってくれた気さくな兵士がレナとゴンゾウに紙袋を渡す。
「じゃあなお前等!!これは俺からの選別だ。元気でな!!」
「ありがとうございます」
「世話になったな」
「気にするなよ!!達者でな!!」
気さくな兵士は笑い声を上げながら馬車を関所へ引き返し、その後姿を見送るとレナとゴンゾウは紙袋の中身を確認する。袋の中には布製の小袋が入っており、中身は銅貨が十数枚程入っていた。どうやら出所した囚人の選別品らしく、他にも兵士が手作りでつくったと思われるクッキーが中に入っていた。
「お金と食べ物か……一応は空間魔法に予備があるけど、有難いね」
「うん、中々美味いぞ」
「もう食ってるし……でも、仕方ない。まずは腹から満たそうか」
「そうだな!!」
クッキーを口に頬張りながらゴンゾウはレナの言葉に頷き、二人は扉を潜り抜ける。今更ながらに他国の街へ訪れる事が初めてのレナは街や住民の様子を伺い、冒険都市とは大きく違う事を知る。
「当たり前だけど、獣人族ばっかりだね」
「獣人国だからな」
「それに建物も木造製ばっかだな」
「俺の国も似たような物だぞ」
街中には獣人族以外の種族は殆ど存在せず、大半の建物は煉瓦製ではなく木造製で構成され、街のあちこちには屋台が並んでいた。街の何処に移動しても食べ物の匂いが漂い、冒険都市よりも活気にあふれていた。
「らっしゃいらっしゃい!!お、そこの御二人さんは外国人だね?どうだいうちの串焼きは?」
「へえっ、串焼きか……ねえ、これどう見ても鶏肉には見えないんだけど?」
「そりゃそうさ!!なんたってモウギュウの肉焼きだからな!!」
「ほう、それは食いごたえがありそうだな」
串焼きの屋台と言っても販売しているのは鳥の肉ではないらしく、恐らくはこの世界の牛型の魔獣の肉を串で刺して焼いたものらしく、外見はどちからというとケバブに近い。ゴンゾウは嬉々とした表情で先ほどの小袋の銅貨を支払い、串焼きを1本購入する。
「う、美味い!!」
「あはははっ!!そう喜んでくれるとこっちも嬉しいね。ほら、そこの兄ちゃんにはこいつをおまけしてやるよ。ちょっと小さいけど我慢してくれよ」
「どうも……あ、本当に美味しい」
レナも小ぶりの肉が突き刺さった肉を口にすると、冒険都市で輸入される食材の肉よりも良い味だった。二人は串焼きを食べながら街道を歩き、今後の事を話し合う。
「レナ、これからどうする?冒険都市に戻るのか?」
「まあ、当面の目標はそうなるね。でも、他の皆も事も気になるし、もしかしたら俺達のように別の場所に飛ばされているかもしれないから探してみよう」
「都市に戻らないのか?」
「都市に戻りながら皆を探す、そのためにはまず足が必要だな……ウルがいればよかったけど」
他の場所に向かうにしても移動手段がなければ不便のため、ゴンゾウでも乗り込むことが出来る馬車のような乗り物を探す必要がある。ウルが存在すれば馬よりも早く移動する事が出来たのだが、生憎とレナの近くに転移していれば臭いを辿って姿を現すはずなので残念ながらウルはこの地域には転移していない可能性が高い。
「ふうっ……ずっと馬車に揺すられていたから少し疲れたな。ここで休もうか」
「そうだな……綺麗な川だな」
「あ、本当だ。魚もいっぱいいるね」
レナとゴンゾウは橋の上で立ち止まり、川の様子を伺うと大きな魚がちらほらと見えた。土手の方で魚釣りを行う獣人も多く、少し間だけ休憩を挟む。
既に監獄都市に二人が転移してから四日が経過しており、冒険都市の方ではどのような事態に陥っているのか気になるが、現状では仲間が無事である事を祈るしか出来ない。橋の上で二人はため息を吐き出し、これまでの道中でまとも身体を休める暇もない事を思い出した。
「のどかな光景だな……本当、こんな状況じゃなかったら観光を楽しめるのに」
「そうだな……ん?」
「どうかした?」
「いや、川の方で何か動いたような……」
ゴンゾウの言葉を聞いてレナは川の中を覗き込むと、一際大きな魚の影がこちらの方に近付いている事に気付き、何故かレナは嫌な予感を覚えてゴンゾウから橋から離れるように注意する。
「ゴンちゃん!!ここから離れて!!」
「何?どうしたんだ?」
「いいから早く……うわっ!?」
レナの言葉に反応したように水面に派手な水飛沫が発生し、水中から巨大な鮫を口に咥えた少女が飛び出す。彼女は橋の上に着地すると、水飛沫を浴びて水浸しとなったレナとゴンゾウに振り返る。
「……れふぁ、ほんぞ、ひはいぶり」
「まずは口に咥えているのを離してから喋れ……元気そうで嬉しいよコトミン」
約4日ぶり再会を果たした人魚族の少女にレナは笑みを浮かべ、彼女は口元の鮫を地面に下ろすと、両腕を広げて二人に飛びついた――
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。