不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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外伝 ~ヨツバ王国編~

白虎

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「回転!!」
「な、何だこいつ……ぐあっ!?」
「馬鹿な、近づくんじゃねえっ!?」


両手の旋斧を振り回しながら接近してくるジャンヌに対して人虎たちは逃げ惑い、遂には戦闘を開始してから数分も経過しない内に半数の人虎が地に伏せる。その光景を見て辛うじて生き残っていた人虎は動揺の声を上げた。


「ば、馬鹿な……俺たちがこんな、ただの人間如きに!?」
「はっ!!あんたら、噂ほどたいした奴じゃないね!!撃剣!!」
「ぐああっ!?」


最後の人虎をバルが大剣で切り裂くと、採掘場を支配していた人虎は一掃され、遂にギンタロウ達は採掘場の占拠に成功する。強制労働を強いられていた兵士達は歓声を上げ、迎えに来てくれたギンタロウの元へ集まる。


「将軍!!我々は信じていました!!」
「本当に助けに来てくれたのですね……夢じゃないのですね」
「ああ、夢ではない。お前達には苦労を掛けたな……」


ギンタロウは兵士達を抱き寄せ、彼等の無事を祝う一方、あまり時間が無い事を告げる。早急にこの採掘場から避難する必要があり、取り逃がした兵士達が他の援軍を連れてくるまでに急いで兵士達を安全な場所に避難させる必要があった。


「すぐにこの採掘場を離れる!!動けない者も全員運び出す!!誰一人置いてはいかないぞ!!」
「怪我をした人間はこちらに運んでください!!すぐに治療を行います!!」
「ほら、しっかりしな!!ここで踏ん張らないと本当に死んじまうよ!!」


動ける兵士はギンタロウの指示に従い、怪我人は冒険者達が用意した回復薬で治療を行い、衰弱状態に陥って動けない人間も運び出す準備を進める。だが、人虎の死骸を調べていたカゲマルが不審な点に気付く。


「……おかしい」
「兄者?どうかしたのでござるか?」
「ここまで来る途中で拷問をして情報を吐かせた兵士が報告していた人虎の数が合わない。兵士によればここを守るのは20人の人虎のはず……死体の数が一人足りない」
「なんと!?」


カゲマルの言葉にハンゾウは慌てて他の人間に注意を行おうとした時、採掘場に兵士の悲鳴が響き渡った。全員が悲鳴が上がった方向に視線を向けると、そこには全身が白みがかった体毛に覆われた人虎が存在した。どうやら今まで洞窟の奥にいたらしく、両手に掴んだ兵士の首をへし折り、放り投げた。


「……敵か」
「き、貴様ぁっ!!よくも我等の兵士を!!」
「許さん!!」
「覚悟しろ!!」


二人の兵士を放り投げた白毛の人虎に対し、距離的に近くに存在したキン、ギン、ドウの3人が武器を掲げて突進する。だが、それを見た白毛の人虎は動く素振りも見せず、黙って三方向から接近する3人の攻撃を受けた。


「兜割り!!」
「旋風!!」
「乱れ突き!!」
「……ぬんっ!!」


ギンタロウの配下の中でも3本指に入るはずのキン、ギン、ドウの攻撃に対し、白毛の人虎は回避も防御も行わずに受け付けた瞬間、金属音が鳴り響いて3人の武器が跳ね返される。3人は驚愕の表情を浮かべながら後退し、刃毀れを起こした自分の武器を見て呆気に取られる。一体、何が起きたのか理解できなかった。

その光景を見ていた他の者達も理解が追い付かず、白毛の人虎は特に戦技の類を発動させた様子もなく、3人の攻撃を弾き返したようにしか見えなかった。だが、全身を鱗で覆われているサイクロプスならばともかく、いくら人間よりも頑丈な肉体を持つ人虎とはいえ、生身の状態で武器を跳ね返す事など有り得る事なのかと全員が疑問を抱く。


「な、何だこいつの身体は……!?」
「我々の攻撃を弾いただと!?」
「馬鹿な……!!」
「……それで、終わりか?期待、外れか」


白毛の人虎は3人に対して失望したような声を上げると、武人の誇りを傷つけられたキン、ギン、ドウの3人は怒りを抱き、再び攻撃を仕掛けようとした。


「舐めるな!!我等の力はこんなものではない!!」
「うおおおっ!!」
「刺突!!」


3人は諦めずに人虎に対して猛攻を仕掛けるが、どの角度に攻撃を行っても金属音と同時に弾き返され、まるで見えない鎧に阻まれているように人虎の肉体には攻撃が通じなかった。異常なまでの硬さを誇る人虎に対して他の者達も違和感を覚えながらも加勢に入る。


「何してんだ!!さっさと仕留めろ!!」
「助太刀します!!」
「行くぞ!!」


ガロ、ミナ、ガンモの3人が駆けつけ、人虎に向けて各々の武器を放つ。しかし、剣も槍も闘拳も人虎の身体を傷つける事はなく、それどころか毛皮さえも切り裂く事が出来なかった。6人はしばらくの間は攻撃を仕掛けたが、どれだけの猛攻を浴びせようと人虎は表情一つ変える事もなく、黙って受け続けていた。


「く、くそっ……何なんだこいつ!?硬いもんじゃねえぞ!!」
「ぼ、僕達の攻撃が通用しない!?」
「ば、馬鹿な……くそぉっ!!」
「……無駄だ」


攻撃を仕掛けている者の中で最も体格に恵まれたガンモが人虎を抑えつけようとしたが、人虎の身体に触れようとした瞬間に謎の見えない壁のような物に阻まれ、弾き返された。
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