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外伝 ~ヨツバ王国編~
兵士の移送
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「私達も負けていられません!!レナ様に続きましょう!!」
「小僧に遅れを取るな!!」
「おらぁっ!!」
レナ以外の者達も赤獣の群れに突っ込み、次々と討ち果たす。やがて数分後には大量の赤獣の死体の山が形成され、最後の1体のコボルトの首を切り裂く。
「せいっ!!」
「ガアアッ……!?」
コボルトの頭部が地面に転がるのを確認すると、レナは一息を吐いて周囲の様子を伺い、他に動いている個体が存在しない事を確認する。念のために死骸に紛れて生き残っている個体が存在しないのか「鑑定眼」の固有スキルを発動させて調べるが、幸いな事に他に生き残りはいなかった。
「ふうっ……これで最後だと思う」
「そ、そうですか……それにしてもレナ様は凄いです。結局、一人で半分近くも倒すなんて……まるでゴウライ様のようです」
「けど、これで赤獣とやらも打ち止めじゃないのかい?結果的には南方の戦力は激減しただろうね」
「楽観はするな。敵の規模が分からない以上は油断出来ん……早急にここから避難するぞ」
赤獣の大群を殲滅したとはいえ、これでレイビの援軍が途切れたとは考えられず、今の内にレナ達は採掘場へと引き返して退却の避難を行う――
――採掘場の方ではギンタロウと側近の3名、他に十数名の冒険者が無事に採掘場の兵士達を守り切ったらしく、採掘場まで侵入してきた赤獣の討伐は果たされていた。既に動ける人間は衰弱状態で動けない兵士の介抱を行い、一か所に集めていた。
「おおっ!!レナ君、意識を取り戻したのか!!」
「はい、ご迷惑をおかけしました」
「いや、無理をさせたのはこちらの方だ……だが、すまないがすぐに兵士達を安全な場所へ避難させたい。例の空間魔法とやらは使えるか?」
「大丈夫です。まだ繋がっています」
意識が途切れれば魔法の効果は解除されるが、どうにかここまでレナは空間魔法の維持に成功し、早速だが黒渦を生み出して東壁街のギンタロウの屋敷と繋げる。冒険者達は次々と衰弱状態の兵士を黒渦の中に運び込み、東壁街へと避難させていく。
「ほら、大丈夫かいあんた等?」
「ううっ……すまない」
「ちっ……面倒くさいな。おら、落ちないようにしっかり掴まってろよ」
「助かる……」
「キュロロッ」
「ひいっ!?魔物!?」
「あ、大丈夫だよ。アインちゃんは優しいから人を襲ったりしないよ」
「ああ、そうなんですか……って、ティナ様!?どうしてここに!?」
「いいから早く行きなさい!!時間がないのよ!!」
全員が協力して500名の兵士の移送を行い、敵の援軍が到着する前に避難する必要があった。まだ戦える冒険者達は採掘場の周囲の見張りを行い、警戒は怠らない。次々と兵士達が黒渦の中に移送されるのを目にしながらレナはアイリスと交信を行い、レイビの動きを確認する。
『大佐、こちら黒蛇だ。応答してくれ』
『誰が大佐ですか。私の事はゼロツーと呼びなさい』
『このやり取りも久しぶりに感じるな……それでアイリス、現況を教えて欲しい』
アイリスと交信を行い、現在のオロナ鉱山の周辺付近の状況を尋ねると、予想通りと言うべきか既にレイビの援軍は派遣されているという。
『赤獣の大群を撃破した事でレイビはかなりお怒りのようですね。苦労して作り出した赤獣の半分以上を失いましたから、南方の領地の維持も難しい程に戦力が激減しています。だから現在はフェンリルを呼び寄せてオロナ鉱山へ向かっていますよ。この速度だと恐らく30分後には到着しますね』
『30分か……それぐらいかかるなら避難と退去は済みそうだな』
既に兵士達の半数近くは避難を終え、状態が悪い人間から先に移送を始めたので残りの兵士達はどうにか動ける程度の体力を残している。30分もあれば全員の避難とレナ達の退散も難しくはなく、東壁街へ引き返す事が出来る。だが、アイリスはこのまま戻る事に反対した。
『レナさん、これはレイビとフェンリルを討ち取る絶好の機会かもしれません。レイビは冷静さを失ってフェンリルを伴ってオロナ鉱山へ向かっています。なので逆に罠を仕掛けて仕留めませんか?』
『罠?けど、フェンリルの強さは……』
『大丈夫です、伝説の魔獣であろうと弱点は存在します。それに今回は大勢の味方が存在するんですからどうにか出来るかもしれません』
『なるほど……よし、ならこの際にレイビとフェンリルを倒して南方の脅威を取り除こう』
レイビがフェンリルを連れて鉱山へ向かっているというのであればレナ達は罠を貼り、迎え撃つ準備を行う。もしもフェンリルを討伐かあるいは捕縛する事に成功すれば南方の戦力は激減し、最早レイビの力だけでは南方の統治も不可能だろう。
但し、気掛かりがあるとすればシズネ達と交戦した「白虎」は何時の間にか姿を消しており、仕留める前に逃げられてしまった。その事をレナがアイリスに尋ねると、彼女は白虎の現状を答える。
『白虎の方は放置して構いません。少なくともレイビと合流して襲い掛かってくる事はないでしょう』
『そうか……なら、どんな作戦で迎え撃つ?』
『そうですね、まずは――』
――アイリスと入念な作戦の段取りを話し合うと、交信を遮断してレナは兵士の移送を急がせ、フェンリルを迎え撃つ準備を整える。
「小僧に遅れを取るな!!」
「おらぁっ!!」
レナ以外の者達も赤獣の群れに突っ込み、次々と討ち果たす。やがて数分後には大量の赤獣の死体の山が形成され、最後の1体のコボルトの首を切り裂く。
「せいっ!!」
「ガアアッ……!?」
コボルトの頭部が地面に転がるのを確認すると、レナは一息を吐いて周囲の様子を伺い、他に動いている個体が存在しない事を確認する。念のために死骸に紛れて生き残っている個体が存在しないのか「鑑定眼」の固有スキルを発動させて調べるが、幸いな事に他に生き残りはいなかった。
「ふうっ……これで最後だと思う」
「そ、そうですか……それにしてもレナ様は凄いです。結局、一人で半分近くも倒すなんて……まるでゴウライ様のようです」
「けど、これで赤獣とやらも打ち止めじゃないのかい?結果的には南方の戦力は激減しただろうね」
「楽観はするな。敵の規模が分からない以上は油断出来ん……早急にここから避難するぞ」
赤獣の大群を殲滅したとはいえ、これでレイビの援軍が途切れたとは考えられず、今の内にレナ達は採掘場へと引き返して退却の避難を行う――
――採掘場の方ではギンタロウと側近の3名、他に十数名の冒険者が無事に採掘場の兵士達を守り切ったらしく、採掘場まで侵入してきた赤獣の討伐は果たされていた。既に動ける人間は衰弱状態で動けない兵士の介抱を行い、一か所に集めていた。
「おおっ!!レナ君、意識を取り戻したのか!!」
「はい、ご迷惑をおかけしました」
「いや、無理をさせたのはこちらの方だ……だが、すまないがすぐに兵士達を安全な場所へ避難させたい。例の空間魔法とやらは使えるか?」
「大丈夫です。まだ繋がっています」
意識が途切れれば魔法の効果は解除されるが、どうにかここまでレナは空間魔法の維持に成功し、早速だが黒渦を生み出して東壁街のギンタロウの屋敷と繋げる。冒険者達は次々と衰弱状態の兵士を黒渦の中に運び込み、東壁街へと避難させていく。
「ほら、大丈夫かいあんた等?」
「ううっ……すまない」
「ちっ……面倒くさいな。おら、落ちないようにしっかり掴まってろよ」
「助かる……」
「キュロロッ」
「ひいっ!?魔物!?」
「あ、大丈夫だよ。アインちゃんは優しいから人を襲ったりしないよ」
「ああ、そうなんですか……って、ティナ様!?どうしてここに!?」
「いいから早く行きなさい!!時間がないのよ!!」
全員が協力して500名の兵士の移送を行い、敵の援軍が到着する前に避難する必要があった。まだ戦える冒険者達は採掘場の周囲の見張りを行い、警戒は怠らない。次々と兵士達が黒渦の中に移送されるのを目にしながらレナはアイリスと交信を行い、レイビの動きを確認する。
『大佐、こちら黒蛇だ。応答してくれ』
『誰が大佐ですか。私の事はゼロツーと呼びなさい』
『このやり取りも久しぶりに感じるな……それでアイリス、現況を教えて欲しい』
アイリスと交信を行い、現在のオロナ鉱山の周辺付近の状況を尋ねると、予想通りと言うべきか既にレイビの援軍は派遣されているという。
『赤獣の大群を撃破した事でレイビはかなりお怒りのようですね。苦労して作り出した赤獣の半分以上を失いましたから、南方の領地の維持も難しい程に戦力が激減しています。だから現在はフェンリルを呼び寄せてオロナ鉱山へ向かっていますよ。この速度だと恐らく30分後には到着しますね』
『30分か……それぐらいかかるなら避難と退去は済みそうだな』
既に兵士達の半数近くは避難を終え、状態が悪い人間から先に移送を始めたので残りの兵士達はどうにか動ける程度の体力を残している。30分もあれば全員の避難とレナ達の退散も難しくはなく、東壁街へ引き返す事が出来る。だが、アイリスはこのまま戻る事に反対した。
『レナさん、これはレイビとフェンリルを討ち取る絶好の機会かもしれません。レイビは冷静さを失ってフェンリルを伴ってオロナ鉱山へ向かっています。なので逆に罠を仕掛けて仕留めませんか?』
『罠?けど、フェンリルの強さは……』
『大丈夫です、伝説の魔獣であろうと弱点は存在します。それに今回は大勢の味方が存在するんですからどうにか出来るかもしれません』
『なるほど……よし、ならこの際にレイビとフェンリルを倒して南方の脅威を取り除こう』
レイビがフェンリルを連れて鉱山へ向かっているというのであればレナ達は罠を貼り、迎え撃つ準備を行う。もしもフェンリルを討伐かあるいは捕縛する事に成功すれば南方の戦力は激減し、最早レイビの力だけでは南方の統治も不可能だろう。
但し、気掛かりがあるとすればシズネ達と交戦した「白虎」は何時の間にか姿を消しており、仕留める前に逃げられてしまった。その事をレナがアイリスに尋ねると、彼女は白虎の現状を答える。
『白虎の方は放置して構いません。少なくともレイビと合流して襲い掛かってくる事はないでしょう』
『そうか……なら、どんな作戦で迎え撃つ?』
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