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S級冒険者編
雷光の聖剣、氷結の魔剣
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「うおおおおっ!!」
「何!?」
「あつっ!?」
ダインが作り出した影人形は両腕を伸ばすと、周囲に燃え広がる「黒炎」を吸収する。ダインの影人形を構成するのは闇属性の魔力、そしてレナ達を取り囲む黒炎も闇属性の魔力が使用されていた。それを利用してダインは闇属性の炎を吸収する事により、一時的に自分の影人形に黒炎を取り込む。
当然だが黒炎を構成しているのは闇属性だけではなく、火属性の魔力も含まれている。しかし、闇属性の特徴は聖属性以外の属性とは非常に相性が良いという性質を持ち合わせ、一時的にではあるがダインの影人形は黒炎を取り込んで炎の巨人と化した。
「受け止めろぉおおっ!!」
「す、凄いっ!?」
影人形が両腕を伸ばして上空から放たれた氷塊の隕石を止めると、触れた箇所から黒炎が迸り、徐々に氷塊を溶かしていく。その光景を見たミナは心底驚いた声を上げるが、その一方でホネミンの方も時間稼ぎのために動きだす。
「やりますね、流石は自称世界最強の闇魔導士!!なら、私も微力ながら強力しますよ!!」
「何をする気だ!?」
「こうするんですよ。ホワイト・ノヴァ!!」
ホネミンは両手を構えると、意識を集中させるように両手に魔力を集め、光の球体を生み出す。初級魔法の光球とは異なり、球体の大きさはかなり大きく、氷隕石を受け止める影人形の元へと向かう。闇属性で構成された影人形に聖属性の魔力で構成された光球を送り込むなど何を考えているのかとダインは抗議する。
「ちょっ!?何してんだよ、僕の影人形が消えちゃうだろ!?」
「いいえ、大丈夫です。これだけの複数の属性の魔法が拮抗しているときに新しい属性の魔法が送り込まれたらどうなるのか……答えは簡単、光の爆発がです!!」
「光の爆発!?」
「伏せて!!巻き添えを食らいたくないなら、全員身体を伏せてください!!」
放たれた光球が氷隕石と影人形の間に衝突しようとした瞬間、ホネミンはその場に伏せると全員がそれに従って身体を屈めた。その直後、複数の属性の魔法が触れ合った結果、魔法の反発作用が引き起こされ、強烈な光の衝撃波と化して吹き飛ぶ。
――魔法には相性が存在し、相反する属性同士の魔力を衝突させれば光の衝撃波と化して消えてしまう。この時に起こる反発作用の威力は凄まじく、しかも今回の場合は闇属性、火属性、水属性、聖属性の4つの魔法が交わった結果、魔法の規模の大きさもあって強烈な衝撃波を生み出す。
結果から言えば光の衝撃波によってダインの影人形も氷隕石も消え去ってしまい、閃光が周囲一帯に広がった。上空から伺っていた氷竜は地上の様子を確認して戸惑う素振りを見せ、レナ達が死んだのかを確かめるために下降しようとする。
「――やっと隙を見せた」
『っ……!?』
だが、氷竜が地上に降り立つ前に上空に「黒渦」が出現すると、そこには閃光に飲み込まれたはずのレナと、彼の身体に抱き着くシズネの姿が存在した。氷竜はどうやって自分の背後に移動したのかと驚いて振り返るが、レナ達は黒渦を利用して地上から一瞬で移動したに過ぎない。
氷竜は降下の途中で現れたレナとシズネを見て反応が間に合わず、一瞬だが隙を生む。その隙を逃さずにレナは物質変換の力でカラドボルグに変化させた退魔刀を握りしめ、シズネの方は雪月花から冷気を迸らせながら振りかぶる。
「一刀両断!!」
「刺突・閃!!」
『っ……!!』
レナは退魔刀を振り下ろした瞬間、シズネはレナの刃に向けて突きを放つ。その結果、雷光を放とうとした退魔刀に雪月花の冷気がまとわり、雷属性と水属性の魔力が反発して光の衝撃波と化す。結果としては氷竜は正面から攻撃を受けた事により、退魔刀の刃が首を切断した。
「まだまだぁっ!!」
「はあああっ!!」
氷竜の首を切断する事に成功したレナ達だったが、それでも攻撃を止めずに剣を振り下ろし、氷竜の頭部に隠れている人物に向けて刃を放つ。相手は氷竜の頭部から脱出する暇もなく、聖剣と魔剣が生み出した光の衝撃波によって飲み込まれ、氷竜が完全に砕け散る。
レナとシズネは攻撃を終えた瞬間に魔力を使い切り、地上へ向けて落下していく。もう残された魔力もなく、黒渦を使用する事も落下の衝撃を殺す魔法は使えない。そのためにレナ達は地面に落ちていき、その様子を見ていたダインは慌てて影魔法で受け止めようとした。
「ま、まずい!!二人が……」
「いえ、どうやら……終わったようですよ」
「えっ?」
ダインが影魔法を発動させる前に周囲の空間が暗闇に覆われ、やがて落下していくレナとシズネの身体が光の粒子と化して消えていく。それは地上に存在したダイン達も同様であり、やがて全員の身体が光り輝くと、意識を失う――
「何!?」
「あつっ!?」
ダインが作り出した影人形は両腕を伸ばすと、周囲に燃え広がる「黒炎」を吸収する。ダインの影人形を構成するのは闇属性の魔力、そしてレナ達を取り囲む黒炎も闇属性の魔力が使用されていた。それを利用してダインは闇属性の炎を吸収する事により、一時的に自分の影人形に黒炎を取り込む。
当然だが黒炎を構成しているのは闇属性だけではなく、火属性の魔力も含まれている。しかし、闇属性の特徴は聖属性以外の属性とは非常に相性が良いという性質を持ち合わせ、一時的にではあるがダインの影人形は黒炎を取り込んで炎の巨人と化した。
「受け止めろぉおおっ!!」
「す、凄いっ!?」
影人形が両腕を伸ばして上空から放たれた氷塊の隕石を止めると、触れた箇所から黒炎が迸り、徐々に氷塊を溶かしていく。その光景を見たミナは心底驚いた声を上げるが、その一方でホネミンの方も時間稼ぎのために動きだす。
「やりますね、流石は自称世界最強の闇魔導士!!なら、私も微力ながら強力しますよ!!」
「何をする気だ!?」
「こうするんですよ。ホワイト・ノヴァ!!」
ホネミンは両手を構えると、意識を集中させるように両手に魔力を集め、光の球体を生み出す。初級魔法の光球とは異なり、球体の大きさはかなり大きく、氷隕石を受け止める影人形の元へと向かう。闇属性で構成された影人形に聖属性の魔力で構成された光球を送り込むなど何を考えているのかとダインは抗議する。
「ちょっ!?何してんだよ、僕の影人形が消えちゃうだろ!?」
「いいえ、大丈夫です。これだけの複数の属性の魔法が拮抗しているときに新しい属性の魔法が送り込まれたらどうなるのか……答えは簡単、光の爆発がです!!」
「光の爆発!?」
「伏せて!!巻き添えを食らいたくないなら、全員身体を伏せてください!!」
放たれた光球が氷隕石と影人形の間に衝突しようとした瞬間、ホネミンはその場に伏せると全員がそれに従って身体を屈めた。その直後、複数の属性の魔法が触れ合った結果、魔法の反発作用が引き起こされ、強烈な光の衝撃波と化して吹き飛ぶ。
――魔法には相性が存在し、相反する属性同士の魔力を衝突させれば光の衝撃波と化して消えてしまう。この時に起こる反発作用の威力は凄まじく、しかも今回の場合は闇属性、火属性、水属性、聖属性の4つの魔法が交わった結果、魔法の規模の大きさもあって強烈な衝撃波を生み出す。
結果から言えば光の衝撃波によってダインの影人形も氷隕石も消え去ってしまい、閃光が周囲一帯に広がった。上空から伺っていた氷竜は地上の様子を確認して戸惑う素振りを見せ、レナ達が死んだのかを確かめるために下降しようとする。
「――やっと隙を見せた」
『っ……!?』
だが、氷竜が地上に降り立つ前に上空に「黒渦」が出現すると、そこには閃光に飲み込まれたはずのレナと、彼の身体に抱き着くシズネの姿が存在した。氷竜はどうやって自分の背後に移動したのかと驚いて振り返るが、レナ達は黒渦を利用して地上から一瞬で移動したに過ぎない。
氷竜は降下の途中で現れたレナとシズネを見て反応が間に合わず、一瞬だが隙を生む。その隙を逃さずにレナは物質変換の力でカラドボルグに変化させた退魔刀を握りしめ、シズネの方は雪月花から冷気を迸らせながら振りかぶる。
「一刀両断!!」
「刺突・閃!!」
『っ……!!』
レナは退魔刀を振り下ろした瞬間、シズネはレナの刃に向けて突きを放つ。その結果、雷光を放とうとした退魔刀に雪月花の冷気がまとわり、雷属性と水属性の魔力が反発して光の衝撃波と化す。結果としては氷竜は正面から攻撃を受けた事により、退魔刀の刃が首を切断した。
「まだまだぁっ!!」
「はあああっ!!」
氷竜の首を切断する事に成功したレナ達だったが、それでも攻撃を止めずに剣を振り下ろし、氷竜の頭部に隠れている人物に向けて刃を放つ。相手は氷竜の頭部から脱出する暇もなく、聖剣と魔剣が生み出した光の衝撃波によって飲み込まれ、氷竜が完全に砕け散る。
レナとシズネは攻撃を終えた瞬間に魔力を使い切り、地上へ向けて落下していく。もう残された魔力もなく、黒渦を使用する事も落下の衝撃を殺す魔法は使えない。そのためにレナ達は地面に落ちていき、その様子を見ていたダインは慌てて影魔法で受け止めようとした。
「ま、まずい!!二人が……」
「いえ、どうやら……終わったようですよ」
「えっ?」
ダインが影魔法を発動させる前に周囲の空間が暗闇に覆われ、やがて落下していくレナとシズネの身体が光の粒子と化して消えていく。それは地上に存在したダイン達も同様であり、やがて全員の身体が光り輝くと、意識を失う――
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