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S級冒険者編
リーリスの目的
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「ちょ、何ですかそれ!?反則、反則ですよ、そんなのもうチートじゃないですか!!」
「ガトリングをぶっ放している奴に言われたくないよ!!」
「むむむ、どうやら闇属性の魔法の様ですね。それならこれは防げないはず、フォトンソード!!」
「おおっ!?」
リーリスはガトリングを手放すと今度は腰の方に装着していた剣の柄を想像させる道具を取り出すと、SFでは定番のレーザーを刀身の如く扱う武器を取り出す。光り輝く剣を手にしたリーリスはレナの元へ向かう。
「はああっ!!」
「うわっ!?殺す気か!!」
「大丈夫です、出力は調整してますから触れても火傷程度で済みます!!」
「どういう原理だよ!!」
フォトンソードを振り回すリーリスに対してレナは回避を行い、何となくではあるが彼女の扱う武器は防げそうな気がしなかった。フォトンソードの刀身はあくまでも剣の刃の形をしたレーザーに過ぎないため、下手に両手の剣で受けようとすれば刀身を通過して襲ってくる可能性が高い。
リーリス自身は剣の扱いは心得ていないのか動きは素人同然だったので攻撃はかわしやすく、彼女の振り回す光剣に当たらぬように気を付けながらもレナは後退すると、これでは埒が明かないと判断したリーリスは両手で光剣を掴んで突き出す。
「最大出力、喰らえぇええっ!!」
「おいこら、手加減はどうした!?」
先ほどは出力を調整していると言っておきながらリーリスは光剣を突き出した瞬間、レーザーが巨大化した状態で放出される。結果としてレナは事前に回避したのでどうにかなったが、放たれたレーザーは訓練場の壁に衝突して拡散してしまう。
勇者の育成施設のために作り出された訓練場のため、魔法対策も行われているのか壁の方も相当に頑丈に出来ているらしく、レーザーを受けても黒焦げと化しただけで溶けた様子はない。その様子を見てレナは感心する一方、リーリスは膝を付く。
「くっ……え、エネルギーを使いすぎました。電池を換えないと動けません……」
「え、ちょっと待って……リーリスは電池で動いてるの!?せめてそこはバッテリーにしときなよ……」
「このままでは機能停止してしまいそうです……レナさん、売店の方で電池を買ってきてください。単三電池2つあれば十分ですから」
「売店あるのここ!?しかも単三電池で十分なの!?どれだけ省エネなんだお前の身体は!!」
「冗談ですよ、少し休めば大丈夫です。ふうっ……ここまで身体を動かしたのは久しぶりですね」
起き上がったリーリスは光剣を元に戻すと、落ち着いた様子でレナと向き合う。予想以上に苦戦はさせられたが、レナとしても中々貴重な体験をしたので怒らずにリーリスを褒めたたえる。
「まあ、色々と驚かされたけど……中々楽しませてもらったよ」
「そうですか、それなら良かったです。しかし、私の戦闘能力は400年前の人間の基準だとかなり高めに設定されているんですけどね。私が戦い慣れていないせいか、それともレナさんが化物じみた力を持っているのか……」
「生憎だけど、俺の仲間の中にもリーリスじゃ勝てなさそうな子はいるよ」
リーリスの戦闘方法は驚かされたが、冷静に対処すれば十分に対応できるため、仮にシズネが相手だったらリーリスは力を発揮する前に仕留められていただろう。ゴンゾウの場合は少々分が悪く、ダインの場合はリーリスが動く前に動きを止められたら勝ち目はある。残念ながらミナではリーリスには勝てないだろうが、コトミンの場合は非戦闘員なのでそもそも勝負にはならない。
レナの見立てではリーリスの戦闘力は並の冒険者以上、剣聖の称号を持つ人間以下の実力だと思った。最も戦闘においては相性もあるため、かならずしもリーリスが剣聖であるシュンやジャンヌに劣るとは言えない。元々彼女は勇者のサポート役として作り出されたので、勇者の練習相手として戦闘能力も高めに設定されていたのだろう。
「結構自信を無くしますね、戦闘機能の初実戦だったので張り切ったんですが……」
「えっ!?今ので初実戦という事は……もしかして戦ったことがなかったの!?」
「ええ、そうですよ。対人戦は初めてです、研究施設に近付く魔物を相手に戦った事はありますが、人間相手に戦う機会はありませんでした。だからこの際にレナさんに実験……いえ、協力してもらってどこまで戦えるのかを把握しておきたかったんです」
「おい、実験と言いかけただろ」
「気のせいです。それより、他の皆さんがそろそろ起きるころ合いですね。さあ、戻りますよ~」
レナの言葉に真顔で言い返したリーリスは装備を戻すと何事もなかったように訓練場を後にした。その様子を見てレナは怒る気も失せ、最初の部屋に戻って仲間達と合流を果たす――
「ガトリングをぶっ放している奴に言われたくないよ!!」
「むむむ、どうやら闇属性の魔法の様ですね。それならこれは防げないはず、フォトンソード!!」
「おおっ!?」
リーリスはガトリングを手放すと今度は腰の方に装着していた剣の柄を想像させる道具を取り出すと、SFでは定番のレーザーを刀身の如く扱う武器を取り出す。光り輝く剣を手にしたリーリスはレナの元へ向かう。
「はああっ!!」
「うわっ!?殺す気か!!」
「大丈夫です、出力は調整してますから触れても火傷程度で済みます!!」
「どういう原理だよ!!」
フォトンソードを振り回すリーリスに対してレナは回避を行い、何となくではあるが彼女の扱う武器は防げそうな気がしなかった。フォトンソードの刀身はあくまでも剣の刃の形をしたレーザーに過ぎないため、下手に両手の剣で受けようとすれば刀身を通過して襲ってくる可能性が高い。
リーリス自身は剣の扱いは心得ていないのか動きは素人同然だったので攻撃はかわしやすく、彼女の振り回す光剣に当たらぬように気を付けながらもレナは後退すると、これでは埒が明かないと判断したリーリスは両手で光剣を掴んで突き出す。
「最大出力、喰らえぇええっ!!」
「おいこら、手加減はどうした!?」
先ほどは出力を調整していると言っておきながらリーリスは光剣を突き出した瞬間、レーザーが巨大化した状態で放出される。結果としてレナは事前に回避したのでどうにかなったが、放たれたレーザーは訓練場の壁に衝突して拡散してしまう。
勇者の育成施設のために作り出された訓練場のため、魔法対策も行われているのか壁の方も相当に頑丈に出来ているらしく、レーザーを受けても黒焦げと化しただけで溶けた様子はない。その様子を見てレナは感心する一方、リーリスは膝を付く。
「くっ……え、エネルギーを使いすぎました。電池を換えないと動けません……」
「え、ちょっと待って……リーリスは電池で動いてるの!?せめてそこはバッテリーにしときなよ……」
「このままでは機能停止してしまいそうです……レナさん、売店の方で電池を買ってきてください。単三電池2つあれば十分ですから」
「売店あるのここ!?しかも単三電池で十分なの!?どれだけ省エネなんだお前の身体は!!」
「冗談ですよ、少し休めば大丈夫です。ふうっ……ここまで身体を動かしたのは久しぶりですね」
起き上がったリーリスは光剣を元に戻すと、落ち着いた様子でレナと向き合う。予想以上に苦戦はさせられたが、レナとしても中々貴重な体験をしたので怒らずにリーリスを褒めたたえる。
「まあ、色々と驚かされたけど……中々楽しませてもらったよ」
「そうですか、それなら良かったです。しかし、私の戦闘能力は400年前の人間の基準だとかなり高めに設定されているんですけどね。私が戦い慣れていないせいか、それともレナさんが化物じみた力を持っているのか……」
「生憎だけど、俺の仲間の中にもリーリスじゃ勝てなさそうな子はいるよ」
リーリスの戦闘方法は驚かされたが、冷静に対処すれば十分に対応できるため、仮にシズネが相手だったらリーリスは力を発揮する前に仕留められていただろう。ゴンゾウの場合は少々分が悪く、ダインの場合はリーリスが動く前に動きを止められたら勝ち目はある。残念ながらミナではリーリスには勝てないだろうが、コトミンの場合は非戦闘員なのでそもそも勝負にはならない。
レナの見立てではリーリスの戦闘力は並の冒険者以上、剣聖の称号を持つ人間以下の実力だと思った。最も戦闘においては相性もあるため、かならずしもリーリスが剣聖であるシュンやジャンヌに劣るとは言えない。元々彼女は勇者のサポート役として作り出されたので、勇者の練習相手として戦闘能力も高めに設定されていたのだろう。
「結構自信を無くしますね、戦闘機能の初実戦だったので張り切ったんですが……」
「えっ!?今ので初実戦という事は……もしかして戦ったことがなかったの!?」
「ええ、そうですよ。対人戦は初めてです、研究施設に近付く魔物を相手に戦った事はありますが、人間相手に戦う機会はありませんでした。だからこの際にレナさんに実験……いえ、協力してもらってどこまで戦えるのかを把握しておきたかったんです」
「おい、実験と言いかけただろ」
「気のせいです。それより、他の皆さんがそろそろ起きるころ合いですね。さあ、戻りますよ~」
レナの言葉に真顔で言い返したリーリスは装備を戻すと何事もなかったように訓練場を後にした。その様子を見てレナは怒る気も失せ、最初の部屋に戻って仲間達と合流を果たす――
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