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真・闘技祭 予選編
集う聖痕の所有者
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「牙竜を一撃で……凄い攻撃だったな」
「いえ、今のは半分程度の出力です。もしも全力で斬り込んでいれば……恐らくは跡形もなくなっていたでしょう」
「……怖いな」
レナの呟きにレミアは額の汗を拭いながらも聖剣に視線を向け、確信を抱いたような表情を浮かべる。仮にレナが錬金術師の能力でカラドボルグを作り出して攻撃したとしても、レミアの先ほどの一撃と同程度の威力しか引き出せない。もしもレミアの言葉が本当だった場合、彼女はレナよりも聖剣の力を使いこなしている事を意味している。
聖属性の聖痕を宿すレミアだからこそ聖剣エクスカリバーの力を真に発揮出来ると考えるべきだろうが、もしもその力が自分に向けられた場合、レナは勝てる気がしない。闘技祭を勝ち続ければいずれはレミアと戦う可能性も高く、緊張感を抱く。
「それよりもレナ様もまだここにいらしたのですね……見たところ、まだ素材を回収していないようですが」
「ああ、うん。色々とあってね……これ、貰ってもいいかな?」
「ええ、問題ありません」
牙竜の牙を回収したレナ達は闘技場に向かえば本選への出場を果たせる。牙を手にしたレナはレミアに視線を向け、彼女が疲労している事に気付き、聖剣を使用する度に体力も大幅に消耗している事に気付いた。
「なんかきつそうだけど、大丈夫?」
「いえ、平気です。この程度の疲労など問題ありません。さあ、他の者に邪魔される前に急ぎましょうか」
「分かった。ならすぐに……何だ!?」
移動を開始しようとした時に突如として街中に轟音が鳴り響き、二人が存在する位置からそれほど離れていない場所で「雷」の如き電撃が天空に向けて放たれる。天から雷が降り注ぐのではなく、地上から空へと向けて雷が放出された光景を見てレナ達は驚き、何よりも雷が発生した箇所から誰かが空中に吹き飛ぶ光景を確認する。
咄嗟にレナはその場を動いて空中に吹き飛ばされた人物の元へと急ぎ、風の聖痕を利用して地上の建物や地面に叩きつけられる前に救助するために風の精霊を利用して助け出す。
『風の精霊よ!!』
「ぐはぁっ……!?」
かつてレナが子供の頃、屋根から落ちてきたときにアリアが精霊魔法で助けた事はあるが、彼女のようにレナは精霊魔法を駆使して空中から落下してきた人物を受け止める。風の力のお陰で落下の勢いを殺す事に成功し、吹き飛ばされた人間をレナは抱きとめると、それは見知った顔だった。
「まさか……シュンさん!?」
「ぐふっ……ぼ、坊主か……悪いな、助かったわ」
「まさか……風の剣聖!?」
レミアも慌てて駆けつけると、吹き飛ばされた人間が剣聖のシュンだと知って驚きを隠せず、彼ほどの実力者が大怪我を負った状態で吹き飛ばされた事に驚く。いったい何が起きたのか服が焼け焦げ、酷い火傷を全身に追っていた。急いで処置をしなければ命も落としかねず、予選の最中ではあるがレナは回復魔法を施す。
「大丈夫ですか?いったい何が……」
「くっ……お、俺の事は構うな。お前らもこんな所に残っていると、あのガキにやられるぞ」
「ガキ?それはどういう……」
「お~い、生きてるか~?」
シュンの言葉にレミアが聞き返す前に何処からか少女の声が響き、レナとレミアは声のした方向に視線を向けると、いつの間にか3人の前に存在する建物の上に人影が存在した。
屋根の上に立っていたのは金髪の少女であり、その顔を見た途端にレナとレミアの聖痕が疼き、少女の方も二人を確認すると大きな胸元を抑える。自分の身体に刻まれた聖痕が反応した事に3人は驚いた表情を浮かべ、すぐに目の前に存在する者が聖痕所有者である事に気付いた。
「この反応、まさか……聖痕?」
「貴女はいったい何者ですか!?」
「へえっ……何かさっきから妙に変な感じがすると思ったけど、あんたらも私と同じなんだな?」
少女はレナとレミアに視線を向け、二人とも自分と同じように特別な能力を宿している事に気付くと、彼女は地上へと降り立つ。レミアは聖剣を構え、レナはシュンを地面に横たわらせて片手を構えて回復魔法を施しながら少女に向き直る。
シュンに大怪我を負わせたのは少女の仕業である事は間違いなく、剣聖であるシュンを一方的に吹き飛ばして戦闘不能に追い込む辺り、只者ではない事をレナは悟る。一方でレミアも聖剣を構えたまま動けず、少女の放つ気迫に冷や汗を流す。
「ん……あれ、そっちの兄ちゃんは剣士みたいな恰好だけど、回復魔法も扱えるのか?という事は魔術師なのか?魔術師がなんで闘技祭なんかに参加してるんだよ」
「……ほっとけ、別に魔術師が参加したら駄目なんて決まりはないだろ」
「そうだっけ?まあ、いいや。じゃあ、次の質問だけどあんたらは何者だ?見たところ、どっちもただの人間じゃないよな?臭いが普通じゃないしな」
「……臭い?」
「私、こう見えても魔人族だからさ。鼻が鋭いから何となくわかるんだよ……二人とも、純粋な人間じゃなさそうだな」
「気を付けろ、そいつは見た目は人間みたいだが……ミノタウロスだ」
少女の言葉にレナとレミアは疑問を抱くと、シュンが代わりに説明を行う。少女の正体が魔人族のミノタウロスだと知ってレナとレミアは驚くが、一方で少女は鼻を鳴らしてレナに顔を向ける。
「いえ、今のは半分程度の出力です。もしも全力で斬り込んでいれば……恐らくは跡形もなくなっていたでしょう」
「……怖いな」
レナの呟きにレミアは額の汗を拭いながらも聖剣に視線を向け、確信を抱いたような表情を浮かべる。仮にレナが錬金術師の能力でカラドボルグを作り出して攻撃したとしても、レミアの先ほどの一撃と同程度の威力しか引き出せない。もしもレミアの言葉が本当だった場合、彼女はレナよりも聖剣の力を使いこなしている事を意味している。
聖属性の聖痕を宿すレミアだからこそ聖剣エクスカリバーの力を真に発揮出来ると考えるべきだろうが、もしもその力が自分に向けられた場合、レナは勝てる気がしない。闘技祭を勝ち続ければいずれはレミアと戦う可能性も高く、緊張感を抱く。
「それよりもレナ様もまだここにいらしたのですね……見たところ、まだ素材を回収していないようですが」
「ああ、うん。色々とあってね……これ、貰ってもいいかな?」
「ええ、問題ありません」
牙竜の牙を回収したレナ達は闘技場に向かえば本選への出場を果たせる。牙を手にしたレナはレミアに視線を向け、彼女が疲労している事に気付き、聖剣を使用する度に体力も大幅に消耗している事に気付いた。
「なんかきつそうだけど、大丈夫?」
「いえ、平気です。この程度の疲労など問題ありません。さあ、他の者に邪魔される前に急ぎましょうか」
「分かった。ならすぐに……何だ!?」
移動を開始しようとした時に突如として街中に轟音が鳴り響き、二人が存在する位置からそれほど離れていない場所で「雷」の如き電撃が天空に向けて放たれる。天から雷が降り注ぐのではなく、地上から空へと向けて雷が放出された光景を見てレナ達は驚き、何よりも雷が発生した箇所から誰かが空中に吹き飛ぶ光景を確認する。
咄嗟にレナはその場を動いて空中に吹き飛ばされた人物の元へと急ぎ、風の聖痕を利用して地上の建物や地面に叩きつけられる前に救助するために風の精霊を利用して助け出す。
『風の精霊よ!!』
「ぐはぁっ……!?」
かつてレナが子供の頃、屋根から落ちてきたときにアリアが精霊魔法で助けた事はあるが、彼女のようにレナは精霊魔法を駆使して空中から落下してきた人物を受け止める。風の力のお陰で落下の勢いを殺す事に成功し、吹き飛ばされた人間をレナは抱きとめると、それは見知った顔だった。
「まさか……シュンさん!?」
「ぐふっ……ぼ、坊主か……悪いな、助かったわ」
「まさか……風の剣聖!?」
レミアも慌てて駆けつけると、吹き飛ばされた人間が剣聖のシュンだと知って驚きを隠せず、彼ほどの実力者が大怪我を負った状態で吹き飛ばされた事に驚く。いったい何が起きたのか服が焼け焦げ、酷い火傷を全身に追っていた。急いで処置をしなければ命も落としかねず、予選の最中ではあるがレナは回復魔法を施す。
「大丈夫ですか?いったい何が……」
「くっ……お、俺の事は構うな。お前らもこんな所に残っていると、あのガキにやられるぞ」
「ガキ?それはどういう……」
「お~い、生きてるか~?」
シュンの言葉にレミアが聞き返す前に何処からか少女の声が響き、レナとレミアは声のした方向に視線を向けると、いつの間にか3人の前に存在する建物の上に人影が存在した。
屋根の上に立っていたのは金髪の少女であり、その顔を見た途端にレナとレミアの聖痕が疼き、少女の方も二人を確認すると大きな胸元を抑える。自分の身体に刻まれた聖痕が反応した事に3人は驚いた表情を浮かべ、すぐに目の前に存在する者が聖痕所有者である事に気付いた。
「この反応、まさか……聖痕?」
「貴女はいったい何者ですか!?」
「へえっ……何かさっきから妙に変な感じがすると思ったけど、あんたらも私と同じなんだな?」
少女はレナとレミアに視線を向け、二人とも自分と同じように特別な能力を宿している事に気付くと、彼女は地上へと降り立つ。レミアは聖剣を構え、レナはシュンを地面に横たわらせて片手を構えて回復魔法を施しながら少女に向き直る。
シュンに大怪我を負わせたのは少女の仕業である事は間違いなく、剣聖であるシュンを一方的に吹き飛ばして戦闘不能に追い込む辺り、只者ではない事をレナは悟る。一方でレミアも聖剣を構えたまま動けず、少女の放つ気迫に冷や汗を流す。
「ん……あれ、そっちの兄ちゃんは剣士みたいな恰好だけど、回復魔法も扱えるのか?という事は魔術師なのか?魔術師がなんで闘技祭なんかに参加してるんだよ」
「……ほっとけ、別に魔術師が参加したら駄目なんて決まりはないだろ」
「そうだっけ?まあ、いいや。じゃあ、次の質問だけどあんたらは何者だ?見たところ、どっちもただの人間じゃないよな?臭いが普通じゃないしな」
「……臭い?」
「私、こう見えても魔人族だからさ。鼻が鋭いから何となくわかるんだよ……二人とも、純粋な人間じゃなさそうだな」
「気を付けろ、そいつは見た目は人間みたいだが……ミノタウロスだ」
少女の言葉にレナとレミアは疑問を抱くと、シュンが代わりに説明を行う。少女の正体が魔人族のミノタウロスだと知ってレナとレミアは驚くが、一方で少女は鼻を鳴らしてレナに顔を向ける。
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