不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,039 / 2,091
真・闘技祭 予選編

サンドワームの弱点

しおりを挟む
「ギュラァッ!!」
「危ないっ!!」
「うひゃっ!?」


ハルナを抱き上げたレナはサンドワームが吐き出した消化液を回避すると、彼女を抱き上げた状態で駆け抜け、距離を取ろうとした。しかし、巨体でありながらもサンドワームは俊敏な動作でレナの後を追いかけ、二人に向けて消化液を吐き出す。


「ギュラァアアッ……!!」
「くそ、しつこいな……どうして俺達ばっかりを狙うんだよ!!」
「ひいいっ……ミミズ怖い、怖いようっ!!」
「いや、キャラ変わり過ぎじゃない!?どんだけ怖いんだ!!」


ナオと同様でハルナはうねうねとした生き物が本当に苦手らしく、彼女は怯えた表情を浮かべてレナの首元に抱き着く。そんな彼女を連れてレナは仕方なく空中に大きく跳躍すると、ハルナを片腕で抱き上げた状態でサンドワームの顔面に掌を構える。


「これならどうだ!!火炎弾!!」
「ギュロォッ!?」


レナの掌から放たれた火炎の砲弾がサンドワームの顔面に的中し、消化液を吐き出そうと大口を開いていた事が仇となり、サンドワームのは顔面と口内に爆炎が襲い掛かった。予想外の反撃にサンドワームの巨体が傾き、地面へと倒れ込む。

サンドワームが倒れたのを確認したレナは子供の様に泣きじゃくるハルナを抱えた状態で地上へ着地すると、サンドワームの様子を伺う。並大抵の魔物ならばレナの魔法を受ければ無事では済まないが、サンドワームは顔の部分をぶるぶると震わせ、口元から大きな煙の塊を吐き出すと、何事もなかったようにレナ達を見下ろす。


「ギュロロロッ!!」
「うわ、今のでも無事か……こいつ、こんなに強かったのか」
「うええんっ、もうおうちに帰るぅっ……」
「いい加減に落ち着け!!ほら、大丈夫……大丈夫だから」


小さな子供をあやすようにレナはハルナを抱きしめて落ち着かせ、その一方でサンドワームの方は先ほどのレナの攻撃に警戒した表情を浮かべ、迂闊に近づく真似はしない。この状況をどのように打破すればいいのかとレナは悩んでいると、突如としてサンドワームの巨体が動きを停止した。


「ギュロロッ!?」
「シャドウ・バインド!!」
「えっ!?この魔法は……」


サンドワームの肉体に何処からか出現した黒色の触手が絡みつき、サンドワームの全身を拘束した。サンドワームは突如として自分の身体に巻き付いた「影」に戸惑うが、やがて路地裏から杖を構えたダインが姿を現す。


「はあはあっ……や、やった!!捕まえたぞ!!」
「お見事です、ダインさん!!」
「その声は……ダインとジャンヌか!!」
「ううっ……だ、誰?」


レナはハルナを下ろすと路地裏から現れたダインとジャンヌを見て喜びの声を上げる。ダインは影魔法でサンドワームを拘束した状態で歩いてきた事にレナは驚き、かつての彼は影魔法を発動させた状態では身体を動かす事は出来なかったはずである。

この二か月の修行でダインは以前よりも影魔法を使いこなせるようになり、今現在では動きながらでも自分の影を操作できるようになった。そして巨体のサンドワームを拘束した状態で動けないようにさせ、レナに親指を立てた。


「へへへ、どうだレナ!!今回は僕が助けたんだからな、だから一つ貸しだからな!!」
「うん、ありがとうダイン……それにしてもジャンヌも一緒だったんだ」
「ええ、戦闘の途中でダインさんと出会い、二人で闘技場を目指していたのですが……あの、そちらの方は?」
「ううっ……触手怖いよう」
「ああ、うん。どう説明すればいいかな……」


レナは自分の腰にしがみつくハルナに頭を掻き、まるで幼児退行したかのように態度が変わった彼女に困り果てる。ジャンヌとしてはレナにしがみつくハルナを見て少々思う所はあるが、今はサンドワームをどうにかするのが先決だった。


「ギュロロロロッ!!」
「うわっ!?ど、怒鳴っても怖く何かないからな!!絶対に僕は影魔法を解除しないぞ!!」
「サンドワームですか……厄介な相手ですね」
「丁度良かった、こいつの弱点を知ってる?攻撃してもゴムみたいに跳ね返されて困っていたんだ」
「サンドワームの弱点……確か、こいつは寒いのが大の苦手だったはずだ。だから水属性の魔法で身体を固まらせれば攻撃が通じるはずだけど……」
「なるほど、水属性か……よし、俺が何とかするから離れてろ」
「ほ、本当か?分かった、離れる……」


ハルナにレナは言葉を掛けると、少しは落ち着いたのかハルナはレナの元を離れ、近くの建物の陰に隠れる。そんなハルナの姿を見てジャンヌは戸惑い、一方でダインの方は影魔法を維持するのがきつくなったのか額に汗を滲ませる。


「ちょ、何とか出来るなら早くしてくれ!!そろそろ僕も限界だから……!!」
「分かってる。なら、久々に……氷装剣!!」
「氷の剣……!?」


レナは両手に意識を集中させると、氷塊の魔法で作り出した氷の剣を手にしてサンドワームへと接近する。そしてサンドワームの胴体へと向けて両手の剣を振り下ろす。




※その頃のスラミン

スラミン「ぷるぷるっ(最近、出番ないからこれで遊ぶ)」(´・ω・)ノ公開ボタン
カタナヅキ「あ、それは駄目!!返しなさいっ!!ほら、水飴を上げるから!!」( ゚Д゚)ノ水飴
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。