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真・闘技祭 本選編
てめえだけはぶっ飛ばす
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「赤の2番のハルナ選手、黄色の2番のゴンゾウ選手の交代が認められました。これよりこの2名の番号は交代はできませんのでご注意ください!!」
「はあっ!?」
「悪いな、レナの友達。交代して貰ってさ」
「いや、気にしなくていい……俺もレナとは一度、本気で戦って見たかった」
係員の言葉にダインは驚愕の表情を浮かべ、ハルナはゴンゾウに対して気さくに話しかける。二人の様子をみて他の者達も戸惑う中、ハルナはヨシテルを指差して告げる。
「てめえには予選の時に散々とやられたからな……あの時の借りは返す。てめえだけは絶対にぶっ飛ばす!!」
「……そうですか、期待していますよ。もしも私が勝てば貴方も私の嫁として迎え入れましょう」
「ふん、いいぜ。負けたらお前の嫁でもなんでもなってやるよ!!」
「約束ですよ」
ハルナの言葉にヨシテルは笑みを浮かべ、二人の間に火花が散る。しかし、そんな二人の元にダインは駆けつけ、ハルナの肩を掴んで涙目で詰め寄る。
「ハルナ、おまっ……何してんだよ!!何で勝手に交代なんかするんだよ!?」
「うわっ!?な、何だよ……私が交代したら駄目だったのか?」
「駄目に決まってるだろ!!この馬鹿、お前が交代したら僕は化物連中と戦わないといけないだろうが!!」
「落ち着きなよ、ダイン……」
ダインの迫力にハルナは押され気味になるが、これでダインはもう交代できる相手はホムラだけとなった。一応は駄目元でダインはホムラに視線を向けるが、彼女の鋭い眼光に睨まれただけで視線を逸らす。
「だ、駄目だ……もう僕は終わった。逃げなくちゃ駄目だ、逃げなくちゃ駄目だ、逃げなくちゃ駄目だ……」
「そこは逃げないといいなさいよ」
「よし、決めた!!係員さん、僕は棄権する!!今から家に帰ってゴロゴロと過ごすんだ!!」
「ダイン、それ死亡フラグ!!」
残された試合の面子を目にしてダインは棄権して立ち去ろうと係員に縋りつくが、係員は困った表情を浮かべて彼の要求を却下した。
「申し訳ございません、本選に出場した選手は試合前の棄権は認められません。規則ですので……」
「いや、何でだよ!?誰だ、そんな規則を作った奴は!!」
「わ、私に言われましても……」
「はっはっはっ!!もう諦めろ、ダインよ!!大人しく正々堂々と吾輩と戦おうではないか!!」
「嫌だぁあああっ!!」
ゴウライに肩を掴まれたダインは泣き叫び、彼は係員に縋りつくが棄権は認められない。その一方でレナは次の試合の選手の事を考え、戦う相手はゴンゾウ、シュン、ジャンヌの3人となる。シュンはともかく、ゴンゾウとジャンヌは行動を共にすることが多い仲間のため、少しやりにくくも感じた。
ジャンヌとはかつてレナは何度か戦った事はあるが、ゴンゾウと本気で戦った事はない。シュンの場合は変装していた時も含めると二度戦ってどちらも勝利している。しかし、最後に戦った時のシュンと今の彼では実力が違い、楽に勝てる相手ではない。
(次の試合で勝てば準決勝、その次が決勝か)
試合の組み合わせを見る限りでは誰が勝ち残るのかは分からず、特に青の試合の「ホムラ」と「シズネ」の組み合わせはレナも気になった。シズネの強さはよく知っているが、ホムラの方も化物じみた強さを誇り、レナの見立てでは恐らく両者の実力はほぼ互角だと思われた。強いて言えば炎の聖痕を宿しているホムラが有利だと思われるが、シズネの方も水の聖痕の力を完全に受け継いだ。
「…………」
「…………」
シズネとホムラは互いに視線を交わさず、ホムラは黙ったまま目を閉じて動かず、シズネは何かを考えるように自分の雪月花と白百合に視線を向けていた。他の試合で気になる組み合わせはやはりハルナとヨシテルの試合であり、ハルナは自ら進んでヨシテルとの試合を望んだ。彼女も勝算もなくヨシテルに挑むとは思えず、恐らくはヨシテルの剣技に対抗する手段を思いついたと考えられる。
その反面にレナはゴンゾウが自分の師匠であるギガンを打ち破ったヨシテルとの試合をハルナに譲った事に不思議に思う。ゴンゾウの性格を考えれば師匠の敵討ちとしてヨシテルとの試合を望みそうだが、どうして彼女と交代したのかを問う。
「ゴンちゃんはいいの?ヨシテル将軍と戦いたかったんじゃないの?」
「そうだな……本音を言えば戦いたかった。だが、師匠から試合に私情を挟むなと言われた。もしも俺があの男と戦う事になるとどうしても師匠の仇を討ちたいと考えてしまう。未熟な俺では雑念がある限りは俺は全力で戦う事は出来ないと師匠に言われた……だから俺は悔いが残らない全力の戦いをしたい。その相手はレナ、お前以外にいないと思った」
「……ゴンちゃん」
「レナ、俺は今日お前に勝つ。そしてこの闘技祭を優勝してみせるぞ」
強い意志を宿した瞳でゴンゾウはレナに言い切ると、そんな彼の言葉にレナは笑みを浮かべ、拳を着きつける。ゴンゾウはその拳に自分の拳を重ね合わせ、笑みを浮かべた。
「はあっ!?」
「悪いな、レナの友達。交代して貰ってさ」
「いや、気にしなくていい……俺もレナとは一度、本気で戦って見たかった」
係員の言葉にダインは驚愕の表情を浮かべ、ハルナはゴンゾウに対して気さくに話しかける。二人の様子をみて他の者達も戸惑う中、ハルナはヨシテルを指差して告げる。
「てめえには予選の時に散々とやられたからな……あの時の借りは返す。てめえだけは絶対にぶっ飛ばす!!」
「……そうですか、期待していますよ。もしも私が勝てば貴方も私の嫁として迎え入れましょう」
「ふん、いいぜ。負けたらお前の嫁でもなんでもなってやるよ!!」
「約束ですよ」
ハルナの言葉にヨシテルは笑みを浮かべ、二人の間に火花が散る。しかし、そんな二人の元にダインは駆けつけ、ハルナの肩を掴んで涙目で詰め寄る。
「ハルナ、おまっ……何してんだよ!!何で勝手に交代なんかするんだよ!?」
「うわっ!?な、何だよ……私が交代したら駄目だったのか?」
「駄目に決まってるだろ!!この馬鹿、お前が交代したら僕は化物連中と戦わないといけないだろうが!!」
「落ち着きなよ、ダイン……」
ダインの迫力にハルナは押され気味になるが、これでダインはもう交代できる相手はホムラだけとなった。一応は駄目元でダインはホムラに視線を向けるが、彼女の鋭い眼光に睨まれただけで視線を逸らす。
「だ、駄目だ……もう僕は終わった。逃げなくちゃ駄目だ、逃げなくちゃ駄目だ、逃げなくちゃ駄目だ……」
「そこは逃げないといいなさいよ」
「よし、決めた!!係員さん、僕は棄権する!!今から家に帰ってゴロゴロと過ごすんだ!!」
「ダイン、それ死亡フラグ!!」
残された試合の面子を目にしてダインは棄権して立ち去ろうと係員に縋りつくが、係員は困った表情を浮かべて彼の要求を却下した。
「申し訳ございません、本選に出場した選手は試合前の棄権は認められません。規則ですので……」
「いや、何でだよ!?誰だ、そんな規則を作った奴は!!」
「わ、私に言われましても……」
「はっはっはっ!!もう諦めろ、ダインよ!!大人しく正々堂々と吾輩と戦おうではないか!!」
「嫌だぁあああっ!!」
ゴウライに肩を掴まれたダインは泣き叫び、彼は係員に縋りつくが棄権は認められない。その一方でレナは次の試合の選手の事を考え、戦う相手はゴンゾウ、シュン、ジャンヌの3人となる。シュンはともかく、ゴンゾウとジャンヌは行動を共にすることが多い仲間のため、少しやりにくくも感じた。
ジャンヌとはかつてレナは何度か戦った事はあるが、ゴンゾウと本気で戦った事はない。シュンの場合は変装していた時も含めると二度戦ってどちらも勝利している。しかし、最後に戦った時のシュンと今の彼では実力が違い、楽に勝てる相手ではない。
(次の試合で勝てば準決勝、その次が決勝か)
試合の組み合わせを見る限りでは誰が勝ち残るのかは分からず、特に青の試合の「ホムラ」と「シズネ」の組み合わせはレナも気になった。シズネの強さはよく知っているが、ホムラの方も化物じみた強さを誇り、レナの見立てでは恐らく両者の実力はほぼ互角だと思われた。強いて言えば炎の聖痕を宿しているホムラが有利だと思われるが、シズネの方も水の聖痕の力を完全に受け継いだ。
「…………」
「…………」
シズネとホムラは互いに視線を交わさず、ホムラは黙ったまま目を閉じて動かず、シズネは何かを考えるように自分の雪月花と白百合に視線を向けていた。他の試合で気になる組み合わせはやはりハルナとヨシテルの試合であり、ハルナは自ら進んでヨシテルとの試合を望んだ。彼女も勝算もなくヨシテルに挑むとは思えず、恐らくはヨシテルの剣技に対抗する手段を思いついたと考えられる。
その反面にレナはゴンゾウが自分の師匠であるギガンを打ち破ったヨシテルとの試合をハルナに譲った事に不思議に思う。ゴンゾウの性格を考えれば師匠の敵討ちとしてヨシテルとの試合を望みそうだが、どうして彼女と交代したのかを問う。
「ゴンちゃんはいいの?ヨシテル将軍と戦いたかったんじゃないの?」
「そうだな……本音を言えば戦いたかった。だが、師匠から試合に私情を挟むなと言われた。もしも俺があの男と戦う事になるとどうしても師匠の仇を討ちたいと考えてしまう。未熟な俺では雑念がある限りは俺は全力で戦う事は出来ないと師匠に言われた……だから俺は悔いが残らない全力の戦いをしたい。その相手はレナ、お前以外にいないと思った」
「……ゴンちゃん」
「レナ、俺は今日お前に勝つ。そしてこの闘技祭を優勝してみせるぞ」
強い意志を宿した瞳でゴンゾウはレナに言い切ると、そんな彼の言葉にレナは笑みを浮かべ、拳を着きつける。ゴンゾウはその拳に自分の拳を重ね合わせ、笑みを浮かべた。
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