不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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魔人編

王都へ

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「女王様、何があったのですか!?この者達はいったい……」
「レミア将軍、説明は後だ!!急いで王都へ戻る必要が出来た!!」
「王都へ……分かりました、ではすぐに馬車の準備を致しましょう」
「いいえ、その必要ないわ。私の水晶札で戻りましょう」


マリアは転移魔法陣を発動させる事ができる水晶札を取り出す。この水晶札はマリアが独自に編み出した「解放術式」と呼ばれる紋様魔法陣を水晶に刻み、任意に封じ込めた魔法を発動させる事が出来る。これを使用すれば転移魔法で王都へ一瞬にして引き返す事が出来た。

但し、彼女の水晶札は生憎と1つしか持ち合わせておらず、帰還する人間の数は限られていた。魔法陣の中に入っている人間しか転移は行えず、王都へ向かう人選を決めなければならない。


「王都へ行くのならば我も行くぞ!!奴等が封印されている場所は我しか分からないだろうからな!!」
「それなら俺も行くよ。その封印というのがよく分からないけど、石像だったら俺の能力で壊せるかもしれないし……」
「何!?そんな事が出来るのか!?我の力ではどうしようも出来なかったのだぞ!?」


レナの言葉にソルは驚くが、破壊が困難な石像であろうとレナの物質変換の能力を使用すれば壊せる可能性はあった。物質変換の能力は生物には適応しないが、石像と化している存在ならば通じる可能性はある。


「そういう事なら私も行きましょう。最悪の場合は最上級魔法で消し飛ばすわ」
「マリア様が行かれるのであれば我々も行きます」
「事情はよく分かりませんが、それならば私も行きましょう。女王様、よろしいですか?」
「ああ、レナを任せたぞ」


同行人はレナ、マリア、レミアの3名が名乗り上げる。この3名は大陸中を探しても指折りの魔法剣士、魔術師、聖剣の使い手であるため、これ以上に心強い存在はいない。他にもシズネやバルが名乗り上げようとした時、何処からか声が響く。


「おい、待てよ!!なんか面白そうな事になってるな!!」
「その声は……ハルナ!?」


何処からともなくハルナが飛び出すと、彼女が現れた事に全員が驚く。彼女は大きな骨付き肉を片手にレナに馴れ馴れしく肩を組み、笑みを浮かべる。


「そういう事ならも行くぜ、あんたと一緒だと色々と面白そうだからな」
「なっ……ちょっと、貴女!?馴れ馴れしいわね!!離れなさい!!」
「何だよ、別に良いだろ……」


ハルナがレナの身体にくっ付くのを見てシズネも黙っていられず、彼女とレナを引き剥がす。そんな彼女の態度にハルナは不満そうな表情を浮かべるが、戦力的にはハルナ加わるのは頼もしい。

これでダインも加えれば聖痕の所有者が5人も集まる。暗闇に覆われている地下ならばダインの影魔法も心強く、彼の真価も発揮される。他にもゴンゾウやアイラを連れていくべきかと思ったが、向かうのはレナとカゲマルとソルを加えた8人に決まった。


「七魔将が襲ってきたという事は、この冒険都市も安全とは言えないわ。この場所にも戦力を残しておく必要がある、貴方達はこの街の留守を頼むわよ」
「あいよ、仕方ないね……」
「マリア、レナちゃんを頼むわ」
「ええ、任せなさい。何があろうと、この子は守って見せるわ」
「叔母様が一緒だと心強いな……」
「レナ、気を付ける」
「ウォンッ!!」


マリアは水晶札を取り出すと、転移魔法陣を発動させる前にレナ達は残る者達と言葉を交わす。敵の正体が得体の知れない相手である以上、最大限の警戒はしなければならなかった。レナは残った者達と別れを澄ませると、マリアに頷き、彼女に転移魔法陣を発動させる――





――水晶札に封じ込められた転移魔法陣を利用して王都へ向かうと、この時にレナ達は王都に到着早々に異変に気付く。それは王都の上空に黒雲が広がっており、今にも雨が降りそうな雰囲気であった。


「……嫌な天気ね、雨が降る前に急ぎましょう」
「そうだな!!よし、皆我について来てくれ!!」
「大丈夫か?石像に繋がる場所を本当に覚えているのか?」
「無論だ!!記憶力には自信があるからな!!」


ソルの案内の元、レナ達は彼の後に続いて王都の地下に存在する迷宮へ向かおうとした。だが、ここでレナは思い出したようにアイリスと交信を行う。冒険都市を離れればホネミンがいないため、レナはアイリスと交信できるはずである。


『アイリス、情報は把握している?』
『はいはい、大丈夫ですよ。大変な事態に陥りましたね』
『七魔将という奴等が復活しようとしてるらしいけど……どうして教えなかったんだよ?』
『前にも言いましたが、私は常にこの世界の事を把握しているというわけじゃないんです。必要な情報が知りたいときにこの世界と繋がり、情報を収集する感じですからね。それにしても七魔将が復活しようとしているとは……』
『七魔将というのはどんな奴等?』
『支配者であった魔王さえも恐れる力を持つ奴等です。一人一人が竜種級の力を持つ存在だと考えてください』
『……最悪だな』


強敵である事は予想できたが、まさか災害の象徴とさえ表現される竜種と同等の力を持つなどとは思わず、それだけの存在ならば魔王が恐れてもおかしくはなかった。
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