不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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弱肉強食の島編

男性衆

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「お前みたいに強い男は初めてだ!!だから私のように強い女と交われば強い子が生まれる!!だからたくさん小作りするぞ!!」
「姉者、独り占めは駄目だぞ。私も一緒に子供を作る」
「ちょっ……何を勝手な事を!?だいたい俺は一応は結婚してんだけど!!」


アンジュとサーシャの言葉にレナは度肝を抜かれるが、咄嗟に自分が既婚者である事を伝える。すると、その返答に対してアンジュは不思議そうに首を傾げた。


「結婚している?そのおっぱい女とか?」
「誰がおっぱい女だ!!お前もおっぱいでかいだろうが!!」
「あんっ!?や、止めろぉっ……」
「大丈夫、問題はない。この島では一夫多妻は認められているし、強い男なら強い女と交わって子供をたくさん産む義務がある」
「どんな義務!?」


結婚していようがお構いなしにアンジュはレナに引っ付いてくるが、それを見かねたハルナが間に割り込んでアンジュの胸を鷲摑みながら引き剥がす。


「さっさと離れろ、それはあたしのだ!!」
「な、なら分け合えばいい……お前も強い女だ、なら一緒に子供を産んで育てればいい!?」
「どうしてそうなる!?」


ハルナはアンジュを引き剥がし、自分の物だとばかりにレナに抱きつく。その様子を見て他の者達はレナとハルナが結婚しているのかと思い込み、アンジュは敵意を剥き出しにして一方でサーシャの方は考え込む。


「サーシャ、こいつを仕留めるぞ!!強い男を独り占めなんて許さない!!」
「姉者、落ち着いて……この女も結構強い、それなら適当に里の男を送り込んで無理やり結婚させればいい。そうすればこいつはもうレナに手を出せない」
「ざけんなっ!!ぶっ飛ばすぞ!!」
「ハルナ、落ち着け」


サーシャの言葉にハルナは今にも殴り掛かる勢いだったが、それをレナは後ろから羽交い締めして抑え込む。だが、彼女の言葉からどうやらダークエルフにも男性がいる事が発覚した。

ここまでの道中ではレナが出会ったのは女性のダークエルフだけなので他に男性はいないのかと思ったが、どうやら男性のダークエルフもいるらしく、騒ぎを聞きつけたのは遺跡の建物から次々と人が姿を現す。


「うるさいぞ、何の騒ぎだ?」
「あ、族長!!」
「皆、狩猟から戻って来たのか!?」


建物の中から出てきたのは子供と若い男性陣であり、族長たちが戻って来たのを確認すると彼等は嬉しそうに駆けつけてくる。しかし、レナとハルナの姿を見て驚いた様に声を上げる。


「何だ、こいつ!?肌が白いぞ!!」
「こっちの女も見たことない!!何で角が生えてるんだ?」
「皆の者、落ち着け……彼等は島の外から来た客人じゃ、手厚くもてなすのじゃぞ」


族長が間に割って入ってレナ達の事を客人として紹介するが、遺跡の中に隠れていた者達は訝し気な表情を浮かべ、その中でも若い男性のダークエルフ達が前に出てきて抗議を行う。


「族長、どうしてこんな奴等を連れてきた!!ここは我々の住処だぞ、こいつらが逃げ出して他の部族に場所を話したらどうする!?」
「落ち着け、この者達は戦士長であるアンジュやサーシャと同じぐらいに強い。彼等が力を貸してくれれば他の部族にも対抗できるのじゃ」
「ば、馬鹿なっ!?戦士長達と同じ強さだと……信じられるか!!」
「戦士長……?」
「我々の部族の中でも2人にしか与えられない戦士の隊長の事だ」


どうやらアンジュとサーシャは部族の中ではかなり偉い立場の人間らしく、その二人と互角の強さを持つと言われて他のダークエルフ達は戸惑っている様子だった。しかし、男性陣のダークエルフは納得しない。


「嘘だ、こいつらが俺達よりも強いというのか!?信じられない、でたらめだ!!」
「でたらめではない、事実にアンジュとサーシャの態度を見よ。この男にぞっこんではないか」
「ふふふっ……」
「ごろごろっ……」


族長の言葉にレナはの元にアンジュとサーシャは擦り寄り、サーシャは意味深な表情を浮かべてレナに抱きつき、一方でアンジュの方は猫が飼い主に懐くように頬ずりを行う。その様子を見て男性のダークエルフ達は信じられない表情を浮かべ、嫉妬の視線を向けてきた。

レナとしては急に男性陣に殺気を込められた視線を向けられて困り果て、助けを求める様にハルナに顔を向けると、彼女は仕方ないとばかりにアンジュとサーシャを引き剥がす。


「さっきから色々と言いやがって、こいつはあたしのだと言ってんだろ!?」
「いや、それも違うけど……」
「むうっ……嫉妬深い女は嫌われるぞ」
「そうだそうだ、独り占めするな!!」
「俺達を無視するな!!」


ハルナが二人を引き剥がしてレナに抱きつくと、アンジュとサーシャはそんなハルナを引き剥がそうとする。しかし、それを見かねて一人の男が前に出てきた。年齢は20才程度であり、その手には槍が握りしめられていた。
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