不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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弱肉強食の島編

ダークエルフの里

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「…………」
「ハルナ?どうかした?」
「いや、さっきの……何処かで見たような覚えがあって」
「お前、何を言っている?二角兎なんて何処にでもいるだろう」
「頭おかしいのか?」
「んだと!!ぶっ飛ばすぞ!!」


ハルナは逃げ去る二角兎を見て頭を抑え、彼女の様子を見てレナはそういえばアイリスからハルナは昔この島に住んでいた事を思い出す。彼女が何才でこの島を離れたのかは不明だが、もしかしたらこの島に戻ってきた事で記憶が蘇ろうとしているかのもしれない。

事情を知らないダークエルフ達はハルナをからかうが、そんな彼女達をハルナは殴りつけようとした時、先頭を歩いていた族長が足を止める。彼女の前方には森に囲まれた遺跡が存在し、どうやらここが目的地らしい。


「辿り着いたぞ、ここが我々の現在の拠点じゃ」
「ここは……遺跡?」
「へえ、変わってるな。こんな場所に住んでるの?」
「別に住みたくて住んでいるわけじゃない」
「私達の拠点は複数ある。この遺跡もその内の一つでしかない」


ダークエルフが案内してくれた遺跡は過去にレナが訪れた事がある深淵の森や獣人国に存在する遺跡、もしくはヨツバ王国の西の地に存在する遺跡とは雰囲気が似ているが、ここも過去に召喚された勇者が作り出した遺跡の一つかもしれない。


(もしもここが過去に召喚された勇者が作り出した遺跡なら……転移装置も残っているかもしれない)


かつてレナは獣人国の遺跡から深淵の森の遺跡に転移する装置を利用した事があり、この遺跡が勇者の作り出した遺跡ならば同じ装置も残っているかもしれないと思った。その辺は後でアイリスに尋ねる事に決め、今はダークエルフから話を聞く。


「さっき、拠点は複数あると言ってたけど、それはどういう意味?」
「言葉通りの意味じゃ。我々は色々とあって一つの所に留まる事が出来ん。この拠点も一か月も暮らせば別の拠点に逃げ住まねばならぬ」
「逃げる?どういう意味だよ?」
「我々は他の部族と対立しておる。だから自分の身を守るためにこの森にある拠点を転々と移動して暮らしているのだ」
「族長は臆病だ!!あんな奴等、私達が力を合わせれば倒せる!!」
「姉者、落ち着いて……私達はこの島で一番強い、だけど他の部族が協力したら敵わない」


族長の言葉にアンジュは憤るが、妹のサーシャはそれを冷静に止める。どうやらアンジュは血気盛んな性格なのに対して妹の方は冷静な性格らしい。

アンジュの言葉に族長はため息を吐き出し、その一方で他の部族という言葉を聞いたレナは気になる。この島にはダークエルフ以外にも種族がいるのかを尋ねてみた。


「他の部族と対立しているというのはどういう意味ですか?」
「我々は大昔からこの島に住んでいるが、我々以外にも二つの種族が存在する。一つは竜人族……もう一つは牛人族だ」
「竜人族……!?」
「牛人族……!?」


レナとハルナは族長の言葉に驚き、特にハルナの方は動揺する。彼女は頭に生えている自分の角に手を翳し、何かを思い出しかけているのか頭を抑える。そんな彼女の異変に気付かずに族長は説明を続ける。


「十数年前まではこの三部族は仲は決して悪くはなかった。交流は盛んだったというわけではないが、それでも対立という程ではない。だが、ある時に島にとある猛獣が現れてから三部族の関係は大きく乱れた……」
「猛獣?」
「見た事もない恐ろしい化物じゃ。我々はその化物によって住処を荒され、特に牛人族の被害は酷かった……彼等は新しい住処を得るため、我々の領地に乗り込んできた。当時の族長は彼等に受け入れて欲しいと懇願されたが、我等とて生きるのに精いっぱいで他の部族の手助けなど出来る状況ではなかった。それで救援を断った我々に牛人族は襲い掛かってきたのが切っ掛けじゃ……」
「…………」


牛人族と呼ばれる種族は突如として島の外から訪れた化物によって住処を奪われ、彼等は生きるために新しい住処を求めてダークエルフが管理する森にまでやってきた。最初はダークエルフに自分達を受け入れてほしいと願ったが、結局はその願いは聞き入れられず、牛人族は生き残るためにダークエルフに戦を仕掛けたという。

ダークエルフは自分達の住処を守るために戦い、牛人族は新しい住処を手に入れるために戦った。事情を知った竜人族は彼等を止めようとしたが、当時の竜人族の長が止めようとした。


「我々の争いに竜人族の長は止めようとした。しかし、仲介役として赴いた竜人族の長は我々の争いに巻き込まれ、死んでしまった……そのせいで現在の三部族は対立関係にある。そして現在の我々は他の部族に追い込まれておる」
「族長、こんな生活何時まで続けるつもりだ!!我々は戦える、それにこうして強い男も手に入れた!!」
「強い男って……それ、俺の事?」


アンジュは会話の際中にレナを抱き寄せ、その大きな胸元を押し付ける。彼女は頬を赤く染めながらレナに擦り寄り、その動作はまるで恋人というよりも飼っている動物が主人に甘える動作に似ていた。




※馬鹿な、私の作品なのに今までにないラブコメ展開に……!?(戦慄)
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