不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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弱肉強食の島編

帰還の方法

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「――たくっ、あの婆さん……最後の最後でやってくれたな」
「ですが、良かったですね。簡単に外れて……」
「ていうか、本当にこんな場所から帰れるの?」


レナ、レミア、ハルナは最初にダークエルフ達が拠点にしていた古代遺跡に辿り着き、他の者はいない。ダークエルフ達は滝の裏の洞窟を潜り抜けた先にある隠れ里を今後は拠点にする事を決め、竜人族の方は一旦は牛人族の島でしばらくの間は世話になる事が決まる。

アンジュとサーシャとはここでお別れとなり、二人は戦士長としてダークエルフ達を守らなければならない。そしてレナ達は本格的に大陸への帰還へ向けて行動を開始する。ちなみにレナに嵌められた腕輪はあっさりと錬金術師の能力で解除出来た。


『良かったですね、錬金術師の能力が戻って……その腕輪を嵌めたまま生活するとなると大変ですからね』
『全く、あの婆さんにはやられたよ。そういえば最初に魔封じの腕輪を嵌めた時も嘘ついてたしな……』
『でも、お陰でレナさんにとっても都合がいい逃げ場所が出来ましたね』
『逃げ場所……?』
『まあ、その辺は大陸に戻ってから詳しく話します。それよりも私の言ったとおりにちゃんと転移装置を起動してくださいね』


アイリスと交信を切り、改めて古代遺跡に戻ったレナは各里に保管されていた「魔封じの腕輪」を取り出す。実はこの腕輪は魔法を封じ込めるだけに作り出された魔道具ではなく、転移装置を起動するために必要な道具でもあった。

この島の転移装置は勇者が作り出した代物であり、起動させるには3つの腕輪を必要とする。その腕輪は紋様が刻まれ、それぞれが「火」「角」「牙」の紋様をしていた。火はダークエルフ、角はミノタウロス、牙は竜人族を示す紋様であり、この3つの腕輪を所持していないと転移装置は起動できない。


「よし、この3つの腕輪をこの台座に嵌め込めれば大陸に戻れるよ」
「まさか、こんな場所に転移魔法の実験場があったなんて……」
「本当にここから戻れるのか?ていうか、そんな変な文字が読めるのか?」
「昔、ちょっと習っててね」


古代遺跡の中心には広場が存在し、そこには円形状の大きな台座が存在し、魔法陣が刻まれていた。この魔法陣の上で3つの腕輪を嵌め込むと、転移装置が起動して大陸に存在する古代遺跡に転移できる。

使い方に関しては魔法陣に刻まれている紋様が実は「日本語」で記されており、それを日本人であるレナは読み解く事が出来た。この世界の人間は日本語を知らないため、仮にこちらの世界の人間に見られても文字とは認識されず、変わった紋様だと思われる。だからこそこれまでに転移装置を起動できたのは地球から来た人間だけだった。


「よし、この腕輪を嵌め込めば装置が起動して転移が出来るよ」
「ああ、良かった……これでバルトロス王国に戻れるのですね」
「この島も中々楽しかったけどな。やっぱり、王国の方が飯が上手いや」
「観光気分で楽しんでるんじゃないよ……全く、それじゃあ発動させるよ」


3人は腕輪を取ると、それぞれが窪みに向けて腕輪を押し込む。この転移装置は同時に腕輪を嵌め込まなければならず、必ず転移する時は3人の力が必要になる。少しでもタイミングがずれると転移できないため、しっかりとタイミングを合わせないといけない。


「よし、行くよ」
「はい!!」
「いいぞ~」


全く同時に3人は腕輪を嵌め込んだ瞬間、魔法陣が光り輝き、遺跡全体が振動する。3人は台座から落ちない様に気を付けると、徐々に光が強まっていく。この転移装置は聖属性の魔力で起動し、その動力源が驚くべき事にこの巨大生物の生命力を利用している。

振動は遺跡だけでは収まらず、まるで地震の如く島全体にも広がり、やがて島が浮き上がると巨大生物の頭が海中から出現した。



――オォオオオオオッ!!



島どころか周辺海域に広がるほどの咆哮が響き渡り、やがて巨大生物の背中から光の柱が誕生し、その中にレナ達は飲み込まれる――





――光の柱が立つ光景は島に暮らす三部族も確認し、レナ達が去ったのを確認する。その様子をダークエルフの隠れ里にて確認したアンジュとサーシャは涙目を受かべ、族長の方も頭を下げる。他の者達もレナ達に感謝を表すために頭を下げ、他の部族の者達も今頃は島を救ってくれたレナ達に感謝していた。

こうして大陸の外から訪れた3人によって大陸から逃れた3つの種族は全滅を免れる。しかし、彼等は知らなかった。後に彼等は大陸で起きる大事件に関わる事になる事を――




※これにて一先ずは今回の章は終わりです。明日からは1話投稿に戻ります


アイリス「思っていた以上に長引きましたね……(´・ω・)」
カタナヅキ「やっと大陸に戻れる……次の話から七魔将編になります。これが本当に不遇職の最後の物語になるでしょう」
アイリス「あの、七魔将と言いますけどメドゥーサがいないからもう6人じゃないんですか?それに七魔将はもう解散したような……」
カタナヅキ「ふぁっ!?」
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