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真・最終章 七魔将編
また二人で……
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「ウル、疲れている所を悪いんだけど……これから冒険都市に行かないといけない。お前の足が頼りだ、頼めるか?」
「ウォンッ!!」
「よし、良い子だ……冒険都市、か。昔を思い出すな」
まだ子供だった頃、レナはウルと共に最初に訪れた街は冒険都市だった。森を出たばかりの頃のように今回は二人で行動する事になり、ウルの背中に乗り込む。こうしてウルの背中に乗って移動するのも久しぶりに感じられ、レナは嬉しく思う。
「行くぞ、相棒!!」
「ウォオオオンッ!!」
ウルは咆哮を放つと、周囲の木々に留まっていた鳥たちが驚いて跳び上がり、魔物達も怯えて身を隠す。もうこの森で白狼種のウルに勝る存在はおらず、例え赤毛熊が現れようと今のウルの敵ではない。
森の中をウルは全速力で駆け抜け、その背中の上でレナは体力の消耗を抑えるために彼の柔らかな毛皮に埋もれる。子供の時よりもウルの移動速度は増しており、この調子なら今夜中には冒険都市に辿り着ける。
(待ってろよ、シズネ……それに他の皆も、絶対に助け出すからな!!)
冒険都市にいる仲間達を救うためにレナはウルに全速力で移動するように指示し、遂に深淵の森を抜け出す。再びウルと共にレナは草原へ繰り出すと、子供の時の用に外の世界の風景を見て笑みを浮かべる。
昔の時は魔物に滅ぼされた村に訪れ、偶然にもナオと居合わせた。まさかあの時は従姉である彼女に会うとは思わなかったが、そのお陰でレナは身分証を手に入れて冒険都市に訪れる事が出来た。ナオは今どうしているのか気になるが、今は冒険都市の仲間達の元へ急ぐ。
「行くぞ、ウル!!」
「ウォオオンッ!!」
レナの掛け声にウルは嬉しそうな声を上げ、また彼と共に戦える日が来たことに感動する。最初の頃はウルとレナはずっと一緒にいたが、仲間が増えていくにつれてウルは戦闘に参加できない時もあった。しかし、今はこうして彼と共に戦える事にウルは喜びを隠せない。
主人を背中に乗せたウルは冒険都市の方角へ向けて出発するが、不意にレナの気配感知と魔力感知に反応があり、彼は驚いて上空を振り返る。すると、そこには信じられない光景が広がっていた。
『グギャギャッ!!』
『クエエエッ!!』
空から聞こえてきた声にレナとウルは驚いて振り返ると、そこには石像のような姿をした化物が空を飛んでいた。それを見てレナは驚き、即座にアイリスと交信を行う。
『アイリス!!あいつらは?』
『ガーゴイルですね……どうやら、私の予想以上に七魔将共は行動を開始したようです』
『行動!?どういう意味!?』
『七魔将のアルドラは冒険都市を拠点に自分を女王とした国を築き上げようとしています。そのために魔物も呼び寄せているんですよ』
『魔物って……そんな能力まであるのか!?』
アイリスの言葉を聞いてレナは驚き、アルドラは人間を操るだけではなく、魔人族すらも魅了する能力を持っているのかと驚く。アイリスによると人間だろうと魔人族だろうと彼女の血が体内に混入すれば逆らう事は出来ないらしい。
『アルドラは吸血鬼の中でも特別な存在ですからね。あの魔物達は冒険都市に訪れる前に彼女の血を飲んだんです。ガーゴイルとヒッポグリフだけではありませんよ、他にも色々な魔物が冒険都市に向かっています』
『……七魔将、想像以上にやばい奴等だな』
『でも、従えさせる事が出来るといっても魔物の場合は細かい命令は出来ません。あの魔物達は冒険都市に向かっていますが、移動に意識を集中し過ぎてレナさん達の存在を捉えていません。こちらから襲わない限りは襲ってこないので安心して下さい』
『なるほど……最悪の場合、あいつらとも戦うのか』
レナはガーゴイルの群れを確認し、何処から呼び寄せてきたのか十数体は存在した。ここで始末するべきか悩むが、今は冒険都市に辿り着く事に専念し、ウルに命じた。
「ウル、あんな奴等に負けるな!!俺達が先に辿り着くんだ!!」
「ウォンッ!!」
ウルはレナの言葉に反応し、更に速度を上昇させて冒険都市へと向かう。ガーゴイル達が冒険都市に辿り着く前にレナは都市へ向かい、移動しようとした時、突如として地面が揺れ動く。
「うわっ、何だっ……地震っ!?」
「ワフッ!?」
唐突に地面が激しく振動し、最初は地震が起きたのかとレナは戸惑うが、彼等から少し離れた地面が盛り上がり、巨大な土気色の蛇のような物体が出現した。それを見たレナは驚き、かつて森を出た後に初めて遭遇した魔物でもあった。
地中から姿を現した魔物の正体は蛇ではなく、巨大なミミズだった。但し、ミミズと言っても口元には鋭い牙が生えており、強力な消化液でどんな物も溶かして食べつくす魔物「サンドワーム」が出現し、遥か上空に浮かぶガーゴイルに向けて大口を開く。
「ギュロロロッ!!」
「グギャアッ!?」
「ギャギャアッ!?」
ガーゴイルに対してサンドワームは2体ほど飲み込み、そのまま地上に落ちると地面の中にまるで水中に潜り込むように消える。その光景を見てレナとウルは呆気に取られるが、この時にガーゴイルは地上に存在するレナとウルを認識した。
※サンドワームこんなに強かったっけ……!?(; ゚Д゚)
「ウォンッ!!」
「よし、良い子だ……冒険都市、か。昔を思い出すな」
まだ子供だった頃、レナはウルと共に最初に訪れた街は冒険都市だった。森を出たばかりの頃のように今回は二人で行動する事になり、ウルの背中に乗り込む。こうしてウルの背中に乗って移動するのも久しぶりに感じられ、レナは嬉しく思う。
「行くぞ、相棒!!」
「ウォオオオンッ!!」
ウルは咆哮を放つと、周囲の木々に留まっていた鳥たちが驚いて跳び上がり、魔物達も怯えて身を隠す。もうこの森で白狼種のウルに勝る存在はおらず、例え赤毛熊が現れようと今のウルの敵ではない。
森の中をウルは全速力で駆け抜け、その背中の上でレナは体力の消耗を抑えるために彼の柔らかな毛皮に埋もれる。子供の時よりもウルの移動速度は増しており、この調子なら今夜中には冒険都市に辿り着ける。
(待ってろよ、シズネ……それに他の皆も、絶対に助け出すからな!!)
冒険都市にいる仲間達を救うためにレナはウルに全速力で移動するように指示し、遂に深淵の森を抜け出す。再びウルと共にレナは草原へ繰り出すと、子供の時の用に外の世界の風景を見て笑みを浮かべる。
昔の時は魔物に滅ぼされた村に訪れ、偶然にもナオと居合わせた。まさかあの時は従姉である彼女に会うとは思わなかったが、そのお陰でレナは身分証を手に入れて冒険都市に訪れる事が出来た。ナオは今どうしているのか気になるが、今は冒険都市の仲間達の元へ急ぐ。
「行くぞ、ウル!!」
「ウォオオンッ!!」
レナの掛け声にウルは嬉しそうな声を上げ、また彼と共に戦える日が来たことに感動する。最初の頃はウルとレナはずっと一緒にいたが、仲間が増えていくにつれてウルは戦闘に参加できない時もあった。しかし、今はこうして彼と共に戦える事にウルは喜びを隠せない。
主人を背中に乗せたウルは冒険都市の方角へ向けて出発するが、不意にレナの気配感知と魔力感知に反応があり、彼は驚いて上空を振り返る。すると、そこには信じられない光景が広がっていた。
『グギャギャッ!!』
『クエエエッ!!』
空から聞こえてきた声にレナとウルは驚いて振り返ると、そこには石像のような姿をした化物が空を飛んでいた。それを見てレナは驚き、即座にアイリスと交信を行う。
『アイリス!!あいつらは?』
『ガーゴイルですね……どうやら、私の予想以上に七魔将共は行動を開始したようです』
『行動!?どういう意味!?』
『七魔将のアルドラは冒険都市を拠点に自分を女王とした国を築き上げようとしています。そのために魔物も呼び寄せているんですよ』
『魔物って……そんな能力まであるのか!?』
アイリスの言葉を聞いてレナは驚き、アルドラは人間を操るだけではなく、魔人族すらも魅了する能力を持っているのかと驚く。アイリスによると人間だろうと魔人族だろうと彼女の血が体内に混入すれば逆らう事は出来ないらしい。
『アルドラは吸血鬼の中でも特別な存在ですからね。あの魔物達は冒険都市に訪れる前に彼女の血を飲んだんです。ガーゴイルとヒッポグリフだけではありませんよ、他にも色々な魔物が冒険都市に向かっています』
『……七魔将、想像以上にやばい奴等だな』
『でも、従えさせる事が出来るといっても魔物の場合は細かい命令は出来ません。あの魔物達は冒険都市に向かっていますが、移動に意識を集中し過ぎてレナさん達の存在を捉えていません。こちらから襲わない限りは襲ってこないので安心して下さい』
『なるほど……最悪の場合、あいつらとも戦うのか』
レナはガーゴイルの群れを確認し、何処から呼び寄せてきたのか十数体は存在した。ここで始末するべきか悩むが、今は冒険都市に辿り着く事に専念し、ウルに命じた。
「ウル、あんな奴等に負けるな!!俺達が先に辿り着くんだ!!」
「ウォンッ!!」
ウルはレナの言葉に反応し、更に速度を上昇させて冒険都市へと向かう。ガーゴイル達が冒険都市に辿り着く前にレナは都市へ向かい、移動しようとした時、突如として地面が揺れ動く。
「うわっ、何だっ……地震っ!?」
「ワフッ!?」
唐突に地面が激しく振動し、最初は地震が起きたのかとレナは戸惑うが、彼等から少し離れた地面が盛り上がり、巨大な土気色の蛇のような物体が出現した。それを見たレナは驚き、かつて森を出た後に初めて遭遇した魔物でもあった。
地中から姿を現した魔物の正体は蛇ではなく、巨大なミミズだった。但し、ミミズと言っても口元には鋭い牙が生えており、強力な消化液でどんな物も溶かして食べつくす魔物「サンドワーム」が出現し、遥か上空に浮かぶガーゴイルに向けて大口を開く。
「ギュロロロッ!!」
「グギャアッ!?」
「ギャギャアッ!?」
ガーゴイルに対してサンドワームは2体ほど飲み込み、そのまま地上に落ちると地面の中にまるで水中に潜り込むように消える。その光景を見てレナとウルは呆気に取られるが、この時にガーゴイルは地上に存在するレナとウルを認識した。
※サンドワームこんなに強かったっけ……!?(; ゚Д゚)
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