不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

火炙りじゃあああっ!!( ゚Д゚)

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「――ひいいいっ!?ごめんなさい、ごめんなさい、許してぇええっ!?」
「泣き言を言ってんじゃないよ!!あんた、元は傭兵で大将軍だったんだろうがっ!!」
「ブモォッ!!」
「す、少しやり過ぎじゃないのか?」


カノンは捕まった後、両手と両足を木の枝に縛り付けた状態でゴンゾウとミノに担がれ、焚火で炙られる。火炙りという割には火力は弱いが、舞い上がった煙のせいでカノンは激しく咳き込む。


「げほげほっ……ちょ、許して!!王子様、ごめんなさい!!もう貴方に逆らいませんからぁっ!!」
「俺にそれを言われてもね……」
「お願いよぉっ!!私は銃がないと戦えない事は知ってるでしょ!?」
「虫の良い事を言ってんじゃないよ!!この馬鹿っ!!」
「う~んっ……ちょっと可哀想に思えてきた」


現在のカノンが使用していた神器2つと彼女が制作した魔銃は取り上げ、間違っても彼女に奪われないように厳重に管理している。レナの空間魔法で異空間に預けた方が安全なのだが、それをするとレナはまた古代遺跡から移動しなければならない。

戦闘の際中にレナは空間魔法を発動させて黒渦を繋げ、古代遺跡に待機していた仲間達を呼び出し、カノンの捕縛に成功した。最初からこの方法をやっていればよかったのだが、空間魔法の同時展開は魔力消費が激しいため、本能的にレナは考えない様にしていたのだろう。

だが、あの状況下ではレナだけだと魔法無しではカノンに勝てたかは分からず、多少の魔力を消耗する事になったとしても仲間達を呼び出して迅速に彼女を捕まえた事は悪い判断ではない。特にカノンのような狙撃を得意とする人間は厄介なため、早急に始末できたのは運が良かった。


「じゃあ、カノンの事は任せるよ。皆、後の事はよろしくね」
「ああ、分かった」
「いってらっしゃい……お土産を期待してる」
「あ、じゃあ私は冒険都市名物のアイスパンがいいな!!」
「観光じゃないんだぞ……というか、それアイス?パン?」


呑気なコトミンとティナに突っ込みを入れながらもレナは移動を再開し、黒渦を通り抜けてカノンに襲われた場所に引き返す。カノンのせいで余計な時間と体力を消耗したが、移動を再開しようとした時にレナは足元に違和感を覚える。


「いてっ……くそっ、足をひねったか」


瞬動術での移動はやはり無理があるらしく、いつの間にかレナの両足の足首を痛めていた。回復魔法を発動させればすぐに治せるが、その回復魔法の発動も惜しい。やはり乗り物無しでの移動は難しく、どうするべきか悩む。


「参ったな……ここから冒険都市までかなり距離があるのに。そうだ、島にいた飛竜を借りようかな?あいつらならすぐに移動できると思うし……駄目か、空を飛ぶとなると目立ち過ぎる」


大陸の外の島に転移して竜人族から飛竜を借りる方法を考えたが、思いつくのが遅く、そもそも飛竜などに乗り込んだ場合は派手に目立ち過ぎてしまう。冒険都市には手練れの冒険者も多く、空を飛んで近付こうとしたら気づかれる恐れもあった。

ここは無理をしてでも地力で森を抜け出そうとした時、レナは何処からか聞き覚えのある声が聞こえた。その声を聞いた瞬間、レナは驚いた様に振り返ると、そこには息を切らせながら駆けつけるウルの姿が存在した。


「ウォオオンッ!!」
「ウル!!無事だったのか!!」


行方不明だと思われていたウルが駆けつけ、レナは彼を見ると喜びのあまりに両手を広げ、ウルを抱きしめた。ウルは嬉しそうにレナに鼻先を押し付け、舌で舐めてくる。


「クゥ~ンッ……ペロペロ」
「うわわっ……ちょ、落ち着け。ストップストップ……おすわり!!」
「ウォンッ!!」


レナが命じるとウルは即座に座り込み、どれだけ大きくなろうとレナの言う事は良く従うように調教されていた。レナはウルが無事だった事に喜ぶが、彼もここまで来るのに相当に苦労したらしく、身体が随分と汚れてくたびれていた様子だった。


「お前、その格好……ここまで何があったんだ」
「クゥンッ……ウォンウォンッ」
「えっと……久しぶりの狼語だからちょっと何言ってるか分からないな」


ウルは自分の身に何があったのかを語り掛けているのは分かったが、久々の再会でしかも狼の言葉なので理解に時間が掛かる。だが、長い付き合いなのでウルが何を伝えたいのかはレナも理解できた。

冒険都市で騒動が起きた後、ウルの元にも冒険者が襲い掛かり、彼はここまで逃げ延びてきたらしい。冒険者は都市内の魔物を全て追い払い、仕方なくウルも冒険者に手を出すわけには行かずに逃げるしかなかった。その後は外でずっと生活していたが、昔にレナと暮らしていた深淵の森の事を思い出し、ここまで戻って来たという。

動物の帰巣本能に従い、この深淵の森のこそがウルにとっては一番落ち着く場所であり、ここまでの道中で色々と大変な目に遭ったが戻る事が出来たという。だが、レナはウルには悪いが今は彼の力が必要である事を告げた。
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