不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

人質

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「ミレト?ミレトは何処に行った?」
「ミレトか?それならあっちの方に歩いて行ったが……」
「あっちか……」
「……ちょっと待て」


ゴンゾウからミレトの事を聞いたレナは彼の元へ向かおうとした時、ここでハルナが何かに気付いた様に眉を顰め、レナの肩を掴む。ハルナの行動にレナは不思議に思うと、ハルナは鼻を嗅ぐ。


「レナ、お前なんかちょっと臭いぞ」
「え?あ、そういえばアリスさんにも言われたな」
「そこのでかいのも臭うぞ。お前等、風呂入れよ」
「風呂と言われてもここには川ぐらいしかないが……」
「でも、臭ったままなのは問題あるよな……よし、ミレトも誘って身体を洗うか。あ、覗かないでね」
「覗くかっ!!」


レナの言葉にハルナは軽く頭を叩き、身体を洗う前にレナはミレトを探しだそうとした時、ここで思いもよらぬ声を耳にした。


「動かないで!!」
「くぅっ……!?」
「その声は……カノン!?」


姿を現したのはカノンであり、彼女はミレトを抱いた状態で姿を現す。カノンの手には魔銃が握りしめられており、ミレトに銃口を向けていた。その様子を見てレナ達は驚き、カノンがまだここに居た事に動揺する。

カノンの捕縛のためにシノビやウルも追跡に出向いているはずだが、どうして彼女がここに居るのかとレナ達は戸惑うと、カノンは笑みを浮かべてレナ達に語り掛ける。


「ふんっ、私がそう簡単に捕まると思ってたの?生憎だったわね、私には心強い味方がいるのよ」
「味方だって!?いったい誰が……」
「きゃっ!?」
「はわっ!?」


後方からも悲鳴が上がり、驚いたレナは振り返ると、そこには一緒に避難していた牙竜や氷雨の冒険者達がティナとコトミンを取り押さえる姿だった。それを見たレナ達は驚き、ゴンゾウは憤る。


「お前達、何の真似だ!?」
「す、すまねえ……けど、これしか方法がないんだ!!」
「あんた達を捕まえれば家族を解放するって約束してくれたんだよ……」
「何だと……!?」
「ふんっ、そいつがら男だからと言って油断してたわね?言っておくけど、アルドラに味方するのはあいつに操られた女だけじゃないのよ!!」


既に遺跡に避難していた男性の冒険者の中にはアルドラに通じる人間が存在し、彼等は密かにカノンを救い出して彼女の魔銃を渡していた。彼女をこの場所に匿っていたのも彼等であり、コトミンとティナを人質にする。

アルドラが女性冒険者や兵士しか操っていなかったため、レナ達は彼女の味方が女性だけだと思い込んでいた。しかし、男性の中にはアルドラに家族や友人を人質にされて無理やりに忠誠を従わされていた人間も存在した。その事に今まで気づけなかったゴンゾウは悔しく思い、一方でカノンは勝ち誇っていた。


「さあ、これで形勢逆転ね!!大人しくしなさい、でないとこいつらの命はないわよ!!」
「……カノン、調子に乗っている所を悪いんだけどさ」
「何よ、命乞いなら聞かないわよ?」
「いや、その魔銃……弾丸、入ってるの?」
「……えっ?」


レナの冷静な指摘にカノンは呆気にとられるが、すぐに彼女は魔銃に視線を向けると、どの魔銃にも弾丸は装填されていなかった。彼女は確かに魔銃を取り返す事には成功したが、肝心の弾丸の方は倉庫とは別の場所に保管していた。


「ど、どうして……」
「お前の魔銃の弾丸は魔石で構成されているから、下手な場所に預けると問題が起きるかもしれないと思って別の場所に隠してたんだよ。でも、自分の魔銃に弾が入っていない事に気付かないなんて……それはまずいんじゃないの?」
「だ、黙りなさい!!人質が居る事を忘れないで!!」
「人質ね……」


カノンは魔銃に弾丸が抜き取られている事を知って表情を青くするが、すぐに人質を捕まえている事を思い出す。彼女は武器は使えないが、それでもコトミンとティナを捕まえた冒険者達がいる事を思い出す。しかし、二人を取り押さえていた者達は悲鳴を上げる。


「とりゃあっ!!」
「ぎゃああっ!?」
「ていっ」
「冷たっ!?」


ティナは格闘家のリンダ仕込みの見事な一本背負いで自分を拘束していた冒険者を叩きつけ、コトミンは手元の水筒で水を掌に溜めると、他の冒険者に目潰しを行う。この二人も只者ではなく、簡単に捕まりはしない。


「ハルナ、やれ!!」
「はいはい……おらぁっ!!」
「えっ……うぎゃあああ!?」
「がはぁっ!?」
「ひいいっ!?」
「ちょ、ちょっとあんた達!?」


レナがハルナに声をかけると、彼女は全身に電流を迸らせ、凄まじい速度で動くとティナとコトミンを取り囲んでいた冒険者達を一瞬にして吹き飛ばす。彼女の実力はS級冒険者並であり、冒険者達は彼女の姿を見切る事も出来ずに倒れ伏す。

残されたのは弾丸が入っていない魔銃をミレトに構えたカノンだけであり、彼女は顔色を青ざめた。そんな彼女に対してレナは拳を鳴らすと、カノンは悲鳴を上げて後ろに下がる。しかし、そんな彼女の背後には既にティナの護衛役のリンダが待ち構えていた。


「当身!!」
「はぐぅっ!?」
「うわっ!?」


リンダの首元の手刀によってカノンは気絶し、その場に倒れ込む。この際にミレトだけはリンダは抱き上げ、倒れ込んだカノンを見てレナはため息を吐いた。
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